カツ丼小僧
「はい、………
それでは、さっそく、始めましょう、………
おとといの続き、筒井康隆さんなんですが、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、……… 」
一同
「……………。」
和田アキ子
「……………。ほっときましょう、………。」
カツ丼小僧
「え~~~、
実は、筒井さんは、今月7日に、文藝春秋から発行されている
「文學界」という月刊誌に、2年ぶりとなる新作、『漸然山脈』を発表しています。
いやいや、本当に、久しぶりに筒井さんの文体を見て、また凄く、新鮮な気持ちに
なりました、……… 僕の生命にも、息吹が吹きこまれた感じです、………
ありがとうございます、………
何か、もう僕の場合、「筒井康隆」という4文字の活字を見ているだけでも、
無性に、心の中がウキウキと弾んでくるんですよ、………
何かまた、新しい発見や、面白いことがあるんじゃないかってね、………
まぁ、筒井康隆ファンは、皆、そうなんだと思いますが、……… 」
筒井康隆
「うむ、………
どうかね、……? あの小説は、難解だっただろう、………? 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………。 バァァ~~~~カッ、おめぇっ、………
ふざけろっ、………うわははははは、………。」
カツ丼小僧
「ええ、………そうですね、………
先生は、未だに作品に対して、熱心に実験を重ねておられて、
新しい物に取り組んでおられます、………
今回読んだ、『漸然山脈』は、
子供の頃、僕が読んだ作品とは、まったく違ったものになっていました。」
筒井康隆
「君が子供の頃に読んだ作品と言うと、………? 」
カツ丼小僧
「僕が、1番最初に手にした先生の文庫本は、
「ホンキイ・トンク」だと記憶していますが、
それより、ずっと子供向けに書かれた、SFジュブナイルの作品にも惹かれました。」
筒井康隆
「ほう、………
そうか、………いや、あれは、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ。 ぎゃはははははっ、………。」
カツ丼小僧
「ええ、……そうなんですよ、………
なんせね、この前、言った通り、中学3年の時、千葉から横浜に来て、
こちらで皆が揃って、小説を読んでいたのにビックリして、
いきなり、焦って読み始めたものですからね、………
今まで活字ギッシリの本なんて、殆ど読んだことがなかったんです。
最初の内は、悪戦苦闘、………1ページ読むだけでも、しんどかったんです、………
頭の中が、ずっしりと重くなってきたりして、………
読み進めて行っても、途中で、こんがらがって来て、話の内容なんかが、
よくわからなくなってきたりしましてね、………
ちょっと、先の方をパラパラめくってみて、1ページ分の挿絵が入っていますと、
ホッと一息、安堵したもんです、………
「ああ、良かった、………
これで話の筋がなんとか理解出来そうだ。」って……… 」
筒井康隆
「……………。」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………。
バッ、バッカじゃねーーのっ、………おめぇっ、………ぎゃはっ、ぎゃはっ。」
カツ丼小僧
「いや、ほんとに、………どうしようかと思っていたんですが、………
そこで、僕の目の前に、………おそらく神から提供された本の出現、………
それが、当時、角川書店(現・KADOKAWA)から発行されていた文庫本、
筒井先生の、SFジュブナイルの3作、
『緑魔の町』『ミラーマンの時間』『時をかける少女』だったんです、………。
いやぁ~~~、ホント、助かりました、………
面白くて、わかりやすい、………この3作は、スルスルと読めた、………
簡潔明瞭に、その文章が、僕の脳内にすんなりと入ってきたんです、………。
活字も子供向けに、やや大きめにかかれていたと思います、……… 」
筒井康隆
「うん、……まぁ、それは良かったけど、………
でも本当は、あの作品はもう少し、低学年向けだ、………
中学3年生の君には、少し物足りなかったろう、……… 」
カツ丼小僧
「いえいえ、………
あの3冊を読んだ事で、文章を読む事に、すっかり自信をつけました、………。
実は、当時、もっと、このシリーズがあるのではないかと、
本屋という本屋を探したんですけど、見つかりませんでした、………
今みたいにネットでもあれば、すぐに検索して、確かめる事もできたんですが、
もちろん当時は、そんな物などありませんし、自分の足で探すしかなかった、………。
でも、筒井さんの本を探し求めて、胸をときめかせながら、
店という店を巡り歩いていた、あの時の自分、………
今にして思えば、本当に幸せだったと思います、………
ああ、……あの時の記憶が、筒井作品と共に、まざまざと蘇ってくる、………。」
カツ丼小僧は、正座をしたまま、ジッと部屋の天井を見据え、
目には、うっすらと涙を浮かべていた、………
よほど、感慨深い思い出だったのだろう、………
一同も同調して、皆、しんみりと下を向いて黙っていたが、
その時、突然、カツ丼小僧は、一瞬気が抜けたのか、
いきなり、「ぷぅぅぅ~~~~~~~っ、」と、
素っ頓狂な、すかしっ屁をもらし、一同は、全員ひっくり返って笑い転げた
カツ丼小僧は、顔を赤くし、昔の落語家、林家三平のように、
額に手をやり、「どーも、すいません。」と、皆に向かって、苦笑いをしていた
筒井康隆
「わはっ、わはっ、……ば、ばか、お前っ、………わはははははっ、………。
なんだ、なんだっ、………ま、まるで、俺の小説みたいだな、………
うわはははははっ、………
で、でも、こんな事を、現実にやって見せるとは、………
へ、屁の出るタイミングが、絶妙だっ、………ぶわはははは、………
あ、あんた、生まれ持っての、喜劇役者だよっ、………
いや、ホント、……… ご立派、ご立派、………。 いやぁ、こりゃ参った、………。」
アントニオ猪木
「ご立派、ダァァ~~~~~~~~~~~ッ、」
中村玉緒
「ぬほほほほほ、………。
い、いけませんなぁ、………出し抜けに、………ぐふふふふふ、………
はぁ、びっくらこいた、……屁ぇ、こいた、………。」
出川哲朗
「お、お、お、おもしろく、ねーーーよっ、………
こ、今度は、ウンコ出せっ、ウンコっ、……… ぎゃはははははっ、……… 」
「でも本当に、あの3作で、終わりだったんでしょうか、……… 」
カツ丼小僧は、また、気を取り直して、話始めた、………。
カツ丼小僧
「いえ、……そう思って、最近、ネットで調べたら、もう1作品、
『筒井康隆全童話』というのが、ありました、………。
この文庫本は、まだ読んでいませんが、「童話」と記してあるから、
おそらく、あの3冊より、もっと子供向けのように思える、………
いつの日か、機会があったら、読んでみたい、………。」
筒井康隆
「でも、あの本は、………。」
カツ丼小僧
「ええ、……そうですね、………。
当然ですが、書店には出ていません、………。廃刊です、………。
でも、僕は、あの3冊の本の香りが、未だに恋しいんです、………
それに、やはり、あの時代あの時でなくては、ダメなんですよ、………。
表紙のイラストも、壮麗で、素晴らしい物でした、………
もう、たまりませんね、………。ウンコが、飛び出ます、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………やめろっ、……… おめぇっ、……… 」
筒井康隆
「そうだね、………。 俺も、飛び出た、………
あのイラストは、……藤本蒼(ふじもと・あおい)さんの、……… 」
出川哲朗
「ふ、藤本蒼も、筒井康隆も、皆、ウンコかっ、………
なんでも、ウンコにしときゃ、間違いないっ、………わははははは。
笑える、笑えるっ、………。うわはははは、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……でも今は、
藤本さんは、「不二本蒼生」と名前を変えています、………。
皆さん、よろしかったら、ネットで検索してみてください、………。
きっと、素晴らしく魅惑的で、これとなく甘美な、
不二本蒼生の世界を堪能出来ると思いますよ、………。
それでは、今日は、この辺で、……… 」
壇蜜
「あのう、……… 」
カツ丼小僧
「え、……? 檀さん、……何か、……? 」
檀蜜
「……………。」
カツ丼小僧
「あ、………
そ、そうでした、そうでした、………すいません、すいません、………
話に熱中して、つい忘れていました、………。
実は、冒頭に述べた、文藝春秋の「文學界」(9月号)にですね、………
檀蜜さんの小説が、掲載されているんですよ、………
僕も、既に読ませて頂きましたが、感慨深い作品でした、……… 」
一同
「えぇ~~~~~~~っ、???!!!
ほ、本当ですかっ、………??? そりゃ、すごぉ~~~~~いっ、っ、っ、」
壇蜜
「えへへっ、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうですね、………
それでは、次回は、その話から入りたいと思います、………
今日は、この辺で、……… グッドナイト、……… おやすみなさい、……… 」
一同
「グッ、ナァ~~~~~~~イっ、……… 」
* * * * *
和田アキ子
「おい、出川、………お前、………
檀蜜さんには、ウンコで貶さないのかよ、………お前らしくないじゃないか、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………
天下の檀蜜を、ウンコでけがす事なんて、出来る訳ねぇじゃねぇかよっ、………
バッカじゃ、ねぇのっ、? おめぇっ、………
俺にだって、それくらいの常識はあるよっ、………ぎゃはははははっ、……… 」