カツ丼小僧
「皆さん、こんにちは、………
今日も、横浜は巨人に6対1で敗れました、………。
どうしたんでしょう、………? このところ不調です、………。
1位の広島とのゲーム差は開いていくばかり、………
4位の、今季ダメ巨人との差も3ゲームしか、ありません、………
また昔の、ダメなベイスターズに戻ってしまうのか、………?
クライマックス・シリーズ出場ですら、危ぶまれてきました、……… 」
志茂田景樹
「うん、……いいね、……
これで、いいと思うよ、………これはいい、………最高だ、……… 」
カツ丼小僧
「なにがいいんです、? 志茂田博士、………怒りますよ、………。
いくら温厚篤実、聖人君子の僕でもね、……… 」
志茂田景樹
「そう、? だって、そうじゃない、………。
もし、これだけ差が開いていて逆転優勝したら、これはもう、劇的ですよ、………
ドラマチックじゃない、……… ファンも、大喜びだ、………
全ては、お膳立てだ、!!
神の仕組んだ、素晴らしき哉、メイクドラマ、お膳立てに違いないんだ、! ! !
大丈夫だ、!!
神は、君を見捨ててはいないのだ、! ! あ、レッツラ、ゴン、と勇気を持とう、! ! 」
カツ丼小僧
「う~~~ん、………
そうですね、……… そう言われてみれば、確かに、………
「ピンチはチャンス」という言葉もありますし、………
わかりました、……… 志茂田天才博士の言葉を、信じましょう、………
さて、今日は、……… 」
カツ丼小僧が、そこまで言いかけた時だった、………
部屋の襖が開いて、1人のいかめしい顔をした男が、
のしのしと、着物姿で座敷の中に入って来た、………
右手に扇子を持ち、パタパタと首筋辺りを仰いでいた、………
「あぁ~~~~~~~~~~っ、! ! ! 」
一同の者が驚愕したのも、無理はない、………
入って来た、その恰幅のいい男は、誰あろう、こともあろう、………
大御所・笑犬楼、SF作家の筒井康隆氏、その人だったからである、………
筒井康隆は、むっつりと無表情のまま、カツ丼小僧の隣までやって来て、
その場に、ドスン!と腰を下ろし、座布団の上に胡坐をかくと、
「ま、……ま、……君も楽にしたまえ、……… 」と言い、
カツ丼小僧に、くつろぐように命じ、仰いでいた扇子を閉じた、………
一同の表情も硬かったが、カツ丼小僧にとっては、尚の事である、………
彼は、子供の頃からの、筒井康隆小説の大ファンだったからである、………
今、『俗物図鑑』『賑やかな未来』『エロチック街道』、などと言った
小説のタイトル名や、当時の文庫本の甘い香りのするカバー装飾などが、
彼の脳内を、駆けまわっていた、………
カツ丼小僧は、極度に緊張していた、………
未だに、信じられない、といったような顔付きでいた、
カツ丼小僧
「う~~~ん、………
あ、あなた、誰ですか、………? 冗談なら、即座にやめてもらえませんか、?
怒りますよ、………。
そっくりさんなんですよね、………? そうなんですよね、………? 」
筒井康隆
「誰の、………? 」
カツ丼小僧
「い、いや、………ですから、筒井康隆さんの、………? 」
筒井康隆
「は、………? 」
一同
「……………。」
カツ丼小僧
「ちょ、ちょっと、顔の覆面を剥いでもらえませんか、………?
それで、………バァァ~~~~~ッ、いっひっひ~~~~~~っ、
お前、まんまと、騙されたぁ~~~~~~~っ、 と、言ってください、……… 」
筒井康隆
「…………………………。
何を言っとんじゃ、? おぬし、………
私は、作家の筒井康隆じゃよ、……… 」
カツ丼小僧
「御冗談で、……… 」
筒井康隆
「なして、………? 」
綾瀬はるか
「カ、カツ丼小僧さん、……ほ、本当ですっ、………
この方、正真正銘の、筒井康隆さんですよっ、………
私と同じ、芸能プロダクション、「ホリプロ」に所属しているんですっ、……… 」
和田アキ子
「そうだよ、お前、………
筒井康隆さんは、作家だけど、俳優でもあるんだ、………
若い頃から、演劇などにも興味を持っていて、……… 」
宮本和知
「うん、………。ちなみに、俺もホリプロ所属、……… 」
榊原郁恵
「私も、………。」
井森美幸
「私も、………。」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………。
お、俺は違うっ、………。俺には、個性があるっ、………ぎゃはははははっ、………。」
カツ丼小僧
「そ、……そうでしたか、………
ほ、本物の、……… いや、何と言っていいのか、………
びっくらこいた、ウンコ出た、………
今日は、ようこそ我が座談会へ、おいで頂きました、………
ゆっくり、くつろいで行ってください、……… 」
一同
「わぁ~~~~~~~~~~っ、」
筒井康隆
「うん、………
まぁ、君こそ、そう固くならんと、楽にし給え、………
リラックスというのは、脳を活性化させるよ、………
固くなっちゃダメだ、………アソコが固いのは、いい事だけど、………
ところで君、子供の頃から、僕の小説のファンだったんだって、………?
特に、七瀬三部作は、何度も読み返しているそうじゃないか、………。
うん、……嬉しいね、………。ちょっと、色々、聞かせてくれないか、………? 」
カツ丼小僧
「ええ、………そうですね、………
筒井康隆と言いますと、僕の子供時代の思い出が、まざまざと蘇ってくるんですが、
実は、僕が小説を読みだしたのは、中学3年の秋からで、
それまでは、小説など殆ど読まず、漫画ばかり読んでいました、………
あの小さなサイズの、いわゆる文庫本の事ですら、よく知らなかったんですよ、………
中学3年の夏休みに、千葉から、今僕が住んでいる横浜に引っ越して来たんですが、
その時、大きな、カルチャーショックを受けました、………
千葉の友達は、僕も含めて、皆、漫画ばかり読んでいて、漫画が話題の中心だったのに、
こちらの横浜の生徒は、漫画を殆ど読まず、皆、小説を読んでいたんです、……… 」
筒井康隆
「ほう、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………
いちいち、もっともらしく、うなづくなよっ、……… てめぇっ、………
このやろっ、……… ぎゃはははははっ、……… 」
筒井康隆
「うむっ、………
な、なんだっ、………こいつはっ、………あ、頭がおかしいのかっ、………??? 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………
ジョークだよっ、ジョークっ、………そんな事ぐらい、わかれよっ、………
出世しねぇぞっ、……… ぎゃはははははっ、……… 」
筒井康隆
「……………。」
和田アキ子
「あ、……筒井さん、………すいません、………
出川、……こいつね、………、このところ、急に人気が出て来ましてね、………
もう、今では、貪欲に笑いを取りに行こうとしているんですよ、………
こいつは、こいつで、必死なんです、……大目に見てやってください、……… 」
出川哲朗
「ぎゃはははははっ、………アッコ、………おまえも早く、引退しろっ、………
老害だっ、……老害っ、……… ぎゃはははははっ、……… 」
和田アキ子
「おいっ、……… 」
一同
「わははははは。」
筒井康隆
「う~~~む、………
それにしても笑いのレベルが低すぎる、………極端に低い、………
これでいいのか、………? 頭が痛くなってきた、……… 」
カツ丼小僧
「それで、千葉の子は、皆、漫画を読んでいたのに、
こちらの横浜の生徒は、皆が小説を読んでいたので、びっくりして、
慌てて小説を、読み始めたんです、………。
遠藤周作さん、北杜夫さん、星新一さん、小松左京さん、………
そして、筒井康隆さん、と、………
片っ端から、死に物狂いで読み始めました、……… 」
筒井康隆
「あんたね、………
小説は娯楽だよ、………慌てて読むようなもんじゃない、………。
ゆっくり、味わって読まないと、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうなんですが、
当時は、子供で、凄く焦っていたんです、………
千葉出身の僕は、田舎者で、一人だけ取り残されてしまうんじゃないかとね、……… 」
筒井康隆
「千葉と横浜とでは、そんなに違うのかね、………? 」
カツ丼小僧
「いえ、……それは、わかりません、………
たまたま、僕のいた学校だけだったのかもしれませんし、………
………とにかく、焦りました、……… 」
志茂田景樹
「あっ、………カツ丼さん、………
レッツラ、ゴ~~~~~ン、と、今日は、ここで時間です、………
おちゃまいの、終了、………。とってんぱらりの、ぷ、……… 」
カツ丼小僧
「あ、……そ、そうですか、………
それでは、今日は、この辺で、………この続きは、また次回、………。
筒井康隆さんとの話は、長くなりそうです、………
皆さん、お楽しみに~~~~~~~、期待しててちょっ、……… 」
出川哲朗
「バァァ~~~~カッ、誰が期待なんかするもんかっ、…………
ぎゃはははははっ、……… 」
和田アキ子
「こらっ、……出川っ、………
お前、いい加減にしろよっ、……… 」
出川哲朗
「和田っ、……お前こそ、はやく引退しろっ、引退っ、………
ぎゃはははははっ、………。」