カツ丼小僧
「あ~~あ、………つまんない、………。」
一同
「どうしたんですか、………? ため息なんか、ついて、………? 」
カツ丼小僧
「今日の甲子園、………
神奈川代表の横浜が一回戦で、熊本の秀岳館に、あっさりと敗けちゃった、………
これで、早くも僕の夏の楽しみも終わり、………ガックン、………
もう、やりきれないよ、……… 確か去年も、大阪の履正社に、……… 」
真中満
「ははは、………いい気味だ、………
いつも、絶不調のヤクルトをバカにしているからだ、……… 」
出川哲朗
「お前っ、……まだ生きていたのかっ、………
自殺しろっ、……… 自殺っ、……… ぎゃははははっ、……… 」
志茂田景樹
「そう、彼を苛めないで、………
でも、ドリンクのヤクルトは、うみゃ~~よ、………
その上、保健機能食品だ、……… ゴックン!……… 」
今井優子
「あっ、……志茂田博士、………
私にも1本ちょうだい、………おいしそう、……… 」
志茂田景樹
「はい、……。
冷蔵庫の中から取り出したばかりの、キンキンに冷えてるのを、どうぞ、……… 」
今井優子
「ありがとう、………。」
角松敏生
「あっ、……俺にも1本、……… 」
カツ丼小僧
「やっぱりね、………
野球に限らず、スポーツの試合は、結果が全てです、………。
どんな言い訳をも通用しない、恐ろしい勝ち負けの世界です、………。
勝てば必要以上にもてはやされ、負ければボロクソ、オタンコナス、……… 」
一昨年までの横浜DeNAベイスターズが、そうだったけど、
あんまり弱すぎて、負けが込んで来ると、もう、その選手たちの顔や性格、癖、
一挙手一投足の、何から何までが、全て憎たらしく見えてくる、………
ワナワナと体を屈辱に打ち震わせ、怒りの涙さえ浮かんでくる、………
一体、何のために応援しているのかさえ、わからなくなってくるんだ、……… 」
小泉今日子
「他人の成績に、自分の人生までもが左右されちゃうなんてね、………
私には、考えられません、………。」
カツ丼小僧
「うん、………
プロ野球ファンというのは、大概そうなる、………
なんで、他人の成績なんかに、泣きわめいたり、怒り狂ったりしなきゃ、
ならないのかってね、………
何故だろう、………? それだけ、のめり込んじゃうんだろうね、………
実は、僕がプロ野球に本格的に興味を持ち始めて、
応援し出したのは、1975年(昭和50年)の、僕が小学6年の時からで、
その時は、まだ千葉に在住していて、巨人ファンだったんだけど、……… 」
長嶋茂雄
「あっ、……1975年と言えば、その年は、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………
そうなんですよ、……長嶋さん、………
長嶋さんの新監督1年目の、巨人屈辱の最下位の年だったんですよ。」
長嶋茂雄
「わははははは、………それは、それは、………
常勝軍団だった我が巨人軍が、一挙に転落して、地に堕ちました、………
カツ丼さん、………辛い1年だったでしょう、………
ご迷惑かけてすいませんでしたぁ~~~、………えへへへっ、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうなんです、………
ちょっと、その時から、プロ野球の応援には、
ついていなかったのかもしれないけど、………
でも当時、長嶋新監督の人気は、凄いもんでしたよ、………
マスコミも、ほどよく騒いでくれてね、……… 」
長嶋茂雄
「ええ、………いい時代でしたぁ~~~。」
カツ丼小僧
「それに、前任の川上哲治監督だって、V9を達成した偉大な監督だと、
今になっては、素晴らしいように言われますが、………
いえ、事実、凄い監督だったんでしょうが、
実は、その当時、川上監督は、巨人ファンの間からも、
「あんな、セオリー通りの手堅い野球なんかやっていたら、
勝って当たり前だ、………見ていて、まったく魅力に欠ける野球だ、………
自由奔放で面白いのは、長嶋だけだ。」って、言われていたんですよ、………。」
長嶋茂雄
「わははははは、………。そうですか、………。
1番、韋駄天の柴田が、四球で出塁、………それを2番、土井がバントで送り、
私とワンちゃんの、ヒットや長打で返す、………
う~~ん、………そうですねぇ、………
確かに手堅い、セオリー通りの野球だったかもしれません、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………
今にしてみれば、信じられないくらい、贅沢な考えですよ、………
今は、手堅くやったからといって、必ずしも勝てるという訳ではないでしょう、………
確かに、その当時、僕はまだ子供だったんですけど、そうした
川上監督への冷たい視線や雰囲気を周りから感じていました、………。
あんまり勝ち続けていても、それはそれでまた、文句の出るもんなんです、………
大変な世界だ、……… 」
所ジョージ
「あのさ、………
野球は、監督がやるものではなく、選手がやるものでしょ、………
どうして勝ったら、全てが監督の手柄になるのよ、………
それ、ちょっと、おかしいんじゃない、………? 」
高橋由伸
「ええ、………
そうなんですけど、負けた時の、ファンの恨みの捌け口だって、みんな監督が
一身にせおわなくては、ならないんですよ、………
ファンやマスコミは、負けた時、選手たちを責める事は殆どありません、………
みんな監督の采配のせいにされるんです、………
てめぇ、無茶言うなってんだよ、………
正直、俺一人の力なんかじゃ、どうにもならないって、………
とうへんぼくの、大ばかやろう。」
原辰徳
「由伸、………泣き言を言うな、………
男は黙って、サッポロビールだ、……… わかるな、………。」
所ジョージ
「あんたね、………
そんなフレーズ、よく、覚えてますね、………。
今時の人、もう誰も、そんなセリフ知りませんよ、……… 」
一同の半分
「わははははは。」
イチロー
「あはははははっ、………。」
高橋由伸
「でも、原さん、………
さすがに、ここは一つ、僕にも言わせてください、………
この前、球団新記録の13連敗を喫した時に、
正直、僕、ファンから殺されるかと思ったんです、………
それくらい、鬼気迫る程の身の危険を感じていたんです、………。
み、皆さん、……暴力だけはいけませんよ、暴力だけは、………
ぼ、僕も現役の時、プレーの最中、ライナーの打球を取り損ねて、
「タマ」が「タマ」に、おもいっきし、直撃したことがあったんです、………
そ、それは、それは、思わず、「タ~~~マや~~~~~~~っ、」と叫んで、
夜空に飛び上ってしまいそうになるくらいの、イッタイ、イッタイ、激痛でした、………
それくらい僕も、野球には命がけで戦っているんです、………
ファンの皆さん、わかってください、………
も、も、も、もうこれ以上、僕を苛めないでください、………
僕を、……僕を、……いい子、いい子して、可愛がってやってください、………
ファンの皆さん、お願いします、………。
いえいえ、巨人ファンのみならず、他の球団の皆様方も、………。」
笑福亭鶴瓶
「なんや、言ってる事が、段々、支離滅裂、無茶苦茶になってきよったな、………。
脈絡がない、………。
ヨシノブ、………相当、動揺しているようや、………
おやおや、……オシッコもらしとるで、……… 」
小野寺麻衣
「きやっ、………ホント、………
くっさぁぁ~~~~~いっ、……… におう~~~~~~っ、………
いやぁぁ~~~~~~~~~~っ、
………でも、病み付きになりそうなほど、味わいのある、いい臭い、かも、……… 」
渡邉恒雄
「わははははは。
麻衣、………お前、詩人になれるよ、………
その感性、……大切になさい、……… 」
真中満
「僕は、もう何も言わない、………。言う資格もない、………。」
笑福亭鶴瓶
「そうや、そうや、………それが利口や、………
あんたは、今はただ、黙って、静かに笑っておけさえすれば、それでいいんや、………
その内、いずれ、福が舞い込んでくるよってな、………
「笑う門には、福来たる」、や、………わははははは、………。 」
カツ丼小僧
「そうですね、………
真中さんには、この度、ヤクルトを10本、進呈します、………
ジャンジャン、飲んでいっちゃってください、……… 」
真中満
「ありがとう、………ありがとう、………
グビッ、グビッ、グビッ、………チュウチュウチュウ、………
グビッ、グビッ、グビッ、………チュウチュウチュウ、………
あ~~~、うまいっ、………ヤクルトの監督をやっていて良かった、……… 」
笑福亭鶴瓶
「あまり飲み過ぎて、甘い采配にならんように、気をつけることやな、……… 」
一同
「わははははは。」
竹下景子
「あの~~~、
座談が盛り上がっているところ、誠にすいませんが、………
司会進行役の、カツ丼小僧さん、………
今日は『週刊現代』の私の記事の所を
読む予定だと思っていたんですけど、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうなんですが、景子さん、………
今日は、思いのほか、前振りが長くなりすぎまして、時間がなくなりました、………
申し訳ありませんが、記事の方は、次回に持ち越しとします、……… 」
竹下景子
「あ~~~~~~~っ、」
一同
「あ~~~~~~~っ、」
カツ丼小僧
「それでは、皆さん、今回は、この辺で、………
グッバ~~~~~~~~イ、……… 」
一同
「グッバ~~~~~~~~イ、……… 」