カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 518

 

   品川プリンスホテル・メインビルの23階は、てんやわんやの大騒ぎとなった。

   一同たちは、カツ丼小僧を裏切った黒子たちの追討から逃れるため、

   一目散に、部屋から飛び出して行った。

   まるで、蜂の巣をつついたような騒ぎだった、………

 

   なんといっても相手は、ピストルや薙刀といった武器を持っているので、

   素手空手の、一同たちが敵う訳がない、………

   部屋の中には、気絶をしたままの読売総師、渡邉恒雄と、

   企みを抱く、腹黒総理、安倍晋三のみが残った、………

 

   安倍晋三は、自分の足元に、気絶して横たわっている、日本のドンの体に、

   「ぺっ」と唾を吐き捨てた、………

 

 

安倍晋三

「ふん、………何が、読売総師だ、………

 おれの野望は、そんな生ぬるい物じゃない、………

 この手で、世界を支配してやる、………

 北朝鮮も、アメリカも、中国も、みんな俺のものだ、………

 

 そして、女だってそうだ、………

 昭恵のようなブサイクじゃ、しょうがない、………

 あんな女、すぐに、捨ててやるっ、………

 

 俺に見合うのは、小野寺麻衣だっ、……… キャメロン・ディアスだっ、………

 いやいや、………そ、それから、………え~~~と、………

 

 瀬戸内寂聴、……じゃないっ、……うつみ宮土理、………でもないっ、………

 だ、……誰だ、………? こういう時に中々、思い浮かばないな、………

 

 まったく、……政治家なんて、柄にもない職についているから、

 こんな、固い脳細胞になっちゃうんだ、………

 本当は、キャバクラの店長や、総支配人になるのが俺の夢だったんだが、………

 どこで、どう間違ったのか、政治家なんて因果な職業についてしまった、………

 有名女セレブの名前だって思い出せやしない、………

 

 え~~~~と、………え~~~~と、………

 

 あっ、………思い出したぞっ、………

 

 こ、小池百合子だっ、………あっ、……違うかっ、………

 い、いや、………齢は食っていても、あの女、妙な色気があるからな、………

 あの女に赤ん坊の真似事なんかさせてみるのも、面白いかもな、………

 オムツ姿で、ガラガラとか持たせて、ダーダーとか言わせてみたりな、………

 

 普段は、プライドが高そうな女だけに、………

 ふふふ、………皆の前で、赤っ恥を掻かせてやるぞ、………

 インテリババアの日干しヌード、………ゾクゾクするなぁ、………

 それに、あの女、アラビア語の通訳なんかも、出来るんだぜ、………

 これを使って、もっと面白い遊びも出来るかもな、………

 

 うぷぷぷぷっ、………

 あ~~、面白い、面白い、………

 こんな事を空想してると、時の経つのも忘れてしまう、………

 

 ふふふふっ、………でも、近い将来、必ず、俺のイチモツを、

 セレブ達の、穴という穴に、突っ込んでやるからなっ、………

 きっとみてろよっ、………今に見てろよっ、………そうさ、俺だって、……… 」

 

 

   安倍晋三が、自分の無限大にも広がる、素晴らしき空想未来に思いを馳せ、

   一人ごちていると、突如、自分の右足首に、鈍い激痛が走った、………

   

   

安倍晋三

「いてっ、………いてててててっ、……… な、何だっ、………???!!! 」

 

渡邉恒雄

「ぐふっ、……ぐふふふふふっ、……… 」

 

安倍晋三

「あっ、……… 」

 

 

   安倍晋三が、驚き、慌てふためいたのも無理はない、………

   意識を覚ました日本のドンが、ここぞの怨念とばかりに、

   安倍晋三の右足にしがみつき、

   その足首に、歯を立てて、思い切りよく、噛みついたのである、………

 

 

安倍晋三

「ぎ、え、え、え、え、え~~~~~~~~~~~~~~~っ、」

 

渡邉恒雄

「こ、……こいふめっ、………

 よ、よふも、ほ、ほのワヒを、裏ひりおって、……… 

 ふごがががががが、……… 」

 

安倍晋三

「お、……おいっ、……こらっ、……

 て、手を、離せっ、………このおいぼれジジイっ、

 痛いっ、……痛いっ、……離せったらっ、……… 」   

 

渡邉恒雄

「は、……はなふもんか、……はなふもんか、………

 ひ、……ひごふのほこまで、ふきまほっへやる、……… 

 ふがほごひが、……… 」

 

 

   安倍晋三は、何度も足を振って、渡邉恒雄の体を振りほどこうとしたが、

   ドンの執念は凄まじく、スッポンのように吸い付き、頑なにしがみついて、

   離れることはない、……… 

 

 

       

       *   *   *   *   *   *   *

   

 

   

   一方、部屋の外、品川プリンスホテルの23階では、

   カツ丼小僧軍、対、安倍晋三軍の、血を見るような乱闘が繰り広げられていた。

   元々の大部屋にいた、タレント・有名人も参戦して、大きな惨事となっていった。

   

   安倍晋三に買収され、カツ丼小僧を裏切った黒子たちは、

   全体のおよそ、3分の2ぐらいだったようだ。

   まるで、不意打ちを食らったようで、最初は面食らった

   残り3分の1の黒子の部下も、なんとか、貯蔵庫から秘密の武器を調達して、

   タレントや有名人に、手渡す事が出来た、………

 

   しかし、まだ5分5分というのには、程遠かった、………

   人数的にも、戦闘的なキャリアという点でも、

   安倍晋三軍の方が、圧倒的に有利だ、……… 

 

   ただ、お互いに、殺傷は、最低限度に抑えなければならなかった、………

   このままいったら、事態は大きく広がって、世間の知る所となり、

   警察や裁判などが絡んでくる事は必至だからだ、………

 

   事を大袈裟にして、自分らの悪評が広まる事だけは避けたいのが、

   安倍晋三、カツ丼小僧の、両独裁型指導者の考える所だった、………

 

   とにかく、今はまずい、………

   権力を完全に掌握してからならともかく、今はまだ、時相応ではない、………

   

  

カツ丼小僧

「皆さんっ、………聞いてくださいっ、………聞いてくださいっ、………

 アー、アー、本日は、晴天なり、本日は晴天なり、………  」

 

 

   品川プリンスホテル23階通路で、荒れ狂う乱闘が繰り広げられる中、

   カツ丼小僧は、小型マイク片手に、声高々に叫び続けた、………

 

 

カツ丼小僧

「アー、アー、只今、マイクの試験中、………アー、アー、

 聞こえますか、………? どうぞ、………? 」

 

一同の一人

「え~~~っ、? 何だって、………? 今、何て言った、………? 

 ガーガー、うるさいよっ、……… 」

 

一同の一人

「こっちは、今、忙しくって、それどころじゃねぇんだっ、………

 一人でも、多くの黒子を退治せにゃぁならねぇんだぞっ、……… 」

 

一同の一人

「お前も、そんな所に、つっ立って、見てねぇでよっ、………

 こっちに来て、戦闘に加わって、闘えってんだよっ、………

 あんた、我々の長なんだろうがっ、……… 」

 

カツ丼小僧

「えぇ、えぇ、………

 まぁ、本来なら、そうあらねばならない所なんでしょうが、

 実際、現在の私の生傷、打撲、包帯だらけの体では、ちょっと

 戦闘に加わるのは、難しい状況です、………

 

 いえいえ、………決して、見苦しい、言い訳などではございません、………

 現に、メガネの方も、所々、ヒビが入っておりまして、ガラスが欠けていて、

 目も良く見えない状況でございます、……… 」

 

一同の一人

「てめぇっ、………一体、何が言いたいんだっ、……… 」

 

一同の一人

「こっちへ来て、我々と一緒に、闘えよっ、……… 

 今、どういう状況なのか、わかってんのかよっ、………?

 あんた、未来の指導者なんだろうっ、……… 

 先陣を切って、闘うべきじゃないのかっ、………? 」

 

一同の一人

「そうだ、そうだっ、………

 こっちは、命がけで、闘ってんだぞっ、………

 全ては、みんな、お前が蒔いたタネだろうがっ、………責任とれっ、……… 

 安倍なんて、得体の知れないオヤジを招くから、……… 」

 

カツ丼小僧

「はい、………

 確かに、切羽詰ったような、苦しい状況ではありますが、

 ちょっと、僕の言う事も聞いてください、………  」

 

   カツ丼小僧は、マイク片手に、必死に叫び続けた。

 

カツ丼小僧

「ここ、品川プリンスホテルは、23階は、全て僕が借り切っていますが、

 他の階は、他の会社や団体の所有です、………

 絶対に、この階から、外には出て行かないようにお願いします、………

 

 それからですね、………

 誠に申し訳ありませんが、戦いは、なるべく、事を荒立てず、

 すみやかにお願いします、………

 

 殺傷などは、もっての他です、………

 脅して、ワナにかけて、生け捕りにするのです、………

 いいですね、……戦いは、なるべく穏便に済ませましょう、………

 

 穏便に、………穏便に、………  ね、……… 」

 

一同の一人

「あ、あんた、それでも、未来の独裁者なのかよ、………

 まったく、……情けねぇなぁ、……… 」

 

 

   事態が大きくなっていく事に、恐れをなした、カツ丼小僧の

   肝っ玉の小さな言動に、一同は、大きく失望した、………

 

   こんな人間について行ったんでは、もうダメだろう、………

   誰もが、そう思い始めていた、………

   

   そして、このような指揮官には、指揮官たる資格はない、………

   この男からは、もう離れよう、………

   一同たちが、そう決意をした、正に、その時だった、………

 

   通路の向こう側から、男の大きな叫び声が聞こえて来た、………

 

 

   「敵将を召し取ったぞ、………我が軍の勝ちじゃ、………

 

    こういう場合は、大将の首、ただ一つ取れば、それでいいんじゃよ、

 

    楽勝、楽勝、………

 

    うわーーーーーーーーっ、はっはっはっはっ、…………

 

    うわーーーーーーーーっ、はっはっはっはっ、…………  」

 

 

 

    日本のドン、渡邉恒雄の、痛快な笑い声が、通路内にコダマした、………