品川プリンスホテル・メインビルの23階は、てんやわんやの大騒ぎとなった。
一同たちは、カツ丼小僧を裏切った黒子たちの追討から逃れるため、
一目散に、部屋から飛び出して行った。
まるで、蜂の巣をつついたような騒ぎだった、………
なんといっても相手は、ピストルや薙刀といった武器を持っているので、
素手空手の、一同たちが敵う訳がない、………
部屋の中には、気絶をしたままの読売総師、渡邉恒雄と、
企みを抱く、腹黒総理、安倍晋三のみが残った、………
安倍晋三は、自分の足元に、気絶して横たわっている、日本のドンの体に、
「ぺっ」と唾を吐き捨てた、………
安倍晋三
「ふん、………何が、読売総師だ、………
おれの野望は、そんな生ぬるい物じゃない、………
この手で、世界を支配してやる、………
北朝鮮も、アメリカも、中国も、みんな俺のものだ、………
そして、女だってそうだ、………
昭恵のようなブサイクじゃ、しょうがない、………
あんな女、すぐに、捨ててやるっ、………
俺に見合うのは、小野寺麻衣だっ、……… キャメロン・ディアスだっ、………
いやいや、………そ、それから、………え~~~と、………
瀬戸内寂聴、……じゃないっ、……うつみ宮土理、………でもないっ、………
だ、……誰だ、………? こういう時に中々、思い浮かばないな、………
まったく、……政治家なんて、柄にもない職についているから、
こんな、固い脳細胞になっちゃうんだ、………
本当は、キャバクラの店長や、総支配人になるのが俺の夢だったんだが、………
どこで、どう間違ったのか、政治家なんて因果な職業についてしまった、………
有名女セレブの名前だって思い出せやしない、………
え~~~~と、………え~~~~と、………
あっ、………思い出したぞっ、………
こ、小池百合子だっ、………あっ、……違うかっ、………
い、いや、………齢は食っていても、あの女、妙な色気があるからな、………
あの女に赤ん坊の真似事なんかさせてみるのも、面白いかもな、………
オムツ姿で、ガラガラとか持たせて、ダーダーとか言わせてみたりな、………
普段は、プライドが高そうな女だけに、………
ふふふ、………皆の前で、赤っ恥を掻かせてやるぞ、………
インテリババアの日干しヌード、………ゾクゾクするなぁ、………
それに、あの女、アラビア語の通訳なんかも、出来るんだぜ、………
これを使って、もっと面白い遊びも出来るかもな、………
うぷぷぷぷっ、………
あ~~、面白い、面白い、………
こんな事を空想してると、時の経つのも忘れてしまう、………
ふふふふっ、………でも、近い将来、必ず、俺のイチモツを、
セレブ達の、穴という穴に、突っ込んでやるからなっ、………
きっとみてろよっ、………今に見てろよっ、………そうさ、俺だって、……… 」
安倍晋三が、自分の無限大にも広がる、素晴らしき空想未来に思いを馳せ、
一人ごちていると、突如、自分の右足首に、鈍い激痛が走った、………
安倍晋三
「いてっ、………いてててててっ、……… な、何だっ、………???!!! 」
渡邉恒雄
「ぐふっ、……ぐふふふふふっ、……… 」
安倍晋三
「あっ、……… 」
安倍晋三が、驚き、慌てふためいたのも無理はない、………
意識を覚ました日本のドンが、ここぞの怨念とばかりに、
安倍晋三の右足にしがみつき、
その足首に、歯を立てて、思い切りよく、噛みついたのである、………
安倍晋三
「ぎ、え、え、え、え、え~~~~~~~~~~~~~~~っ、」
渡邉恒雄
「こ、……こいふめっ、………
よ、よふも、ほ、ほのワヒを、裏ひりおって、………
ふごがががががが、……… 」
安倍晋三
「お、……おいっ、……こらっ、……
て、手を、離せっ、………このおいぼれジジイっ、
痛いっ、……痛いっ、……離せったらっ、……… 」
渡邉恒雄
「は、……はなふもんか、……はなふもんか、………
ひ、……ひごふのほこまで、ふきまほっへやる、………
ふがほごひが、……… 」
安倍晋三は、何度も足を振って、渡邉恒雄の体を振りほどこうとしたが、
ドンの執念は凄まじく、スッポンのように吸い付き、頑なにしがみついて、
離れることはない、………
* * * * * * *
一方、部屋の外、品川プリンスホテルの23階では、
カツ丼小僧軍、対、安倍晋三軍の、血を見るような乱闘が繰り広げられていた。
元々の大部屋にいた、タレント・有名人も参戦して、大きな惨事となっていった。
安倍晋三に買収され、カツ丼小僧を裏切った黒子たちは、
全体のおよそ、3分の2ぐらいだったようだ。
まるで、不意打ちを食らったようで、最初は面食らった
残り3分の1の黒子の部下も、なんとか、貯蔵庫から秘密の武器を調達して、
タレントや有名人に、手渡す事が出来た、………
しかし、まだ5分5分というのには、程遠かった、………
人数的にも、戦闘的なキャリアという点でも、
安倍晋三軍の方が、圧倒的に有利だ、………
ただ、お互いに、殺傷は、最低限度に抑えなければならなかった、………
このままいったら、事態は大きく広がって、世間の知る所となり、
警察や裁判などが絡んでくる事は必至だからだ、………
事を大袈裟にして、自分らの悪評が広まる事だけは避けたいのが、
安倍晋三、カツ丼小僧の、両独裁型指導者の考える所だった、………
とにかく、今はまずい、………
権力を完全に掌握してからならともかく、今はまだ、時相応ではない、………
カツ丼小僧
「皆さんっ、………聞いてくださいっ、………聞いてくださいっ、………
アー、アー、本日は、晴天なり、本日は晴天なり、……… 」
品川プリンスホテル23階通路で、荒れ狂う乱闘が繰り広げられる中、
カツ丼小僧は、小型マイク片手に、声高々に叫び続けた、………
カツ丼小僧
「アー、アー、只今、マイクの試験中、………アー、アー、
聞こえますか、………? どうぞ、………? 」
一同の一人
「え~~~っ、? 何だって、………? 今、何て言った、………?
ガーガー、うるさいよっ、……… 」
一同の一人
「こっちは、今、忙しくって、それどころじゃねぇんだっ、………
一人でも、多くの黒子を退治せにゃぁならねぇんだぞっ、……… 」
一同の一人
「お前も、そんな所に、つっ立って、見てねぇでよっ、………
こっちに来て、戦闘に加わって、闘えってんだよっ、………
あんた、我々の長なんだろうがっ、……… 」
カツ丼小僧
「えぇ、えぇ、………
まぁ、本来なら、そうあらねばならない所なんでしょうが、
実際、現在の私の生傷、打撲、包帯だらけの体では、ちょっと
戦闘に加わるのは、難しい状況です、………
いえいえ、………決して、見苦しい、言い訳などではございません、………
現に、メガネの方も、所々、ヒビが入っておりまして、ガラスが欠けていて、
目も良く見えない状況でございます、……… 」
一同の一人
「てめぇっ、………一体、何が言いたいんだっ、……… 」
一同の一人
「こっちへ来て、我々と一緒に、闘えよっ、………
今、どういう状況なのか、わかってんのかよっ、………?
あんた、未来の指導者なんだろうっ、………
先陣を切って、闘うべきじゃないのかっ、………? 」
一同の一人
「そうだ、そうだっ、………
こっちは、命がけで、闘ってんだぞっ、………
全ては、みんな、お前が蒔いたタネだろうがっ、………責任とれっ、………
安倍なんて、得体の知れないオヤジを招くから、……… 」
カツ丼小僧
「はい、………
確かに、切羽詰ったような、苦しい状況ではありますが、
ちょっと、僕の言う事も聞いてください、……… 」
カツ丼小僧は、マイク片手に、必死に叫び続けた。
カツ丼小僧
「ここ、品川プリンスホテルは、23階は、全て僕が借り切っていますが、
他の階は、他の会社や団体の所有です、………
絶対に、この階から、外には出て行かないようにお願いします、………
それからですね、………
誠に申し訳ありませんが、戦いは、なるべく、事を荒立てず、
すみやかにお願いします、………
殺傷などは、もっての他です、………
脅して、ワナにかけて、生け捕りにするのです、………
いいですね、……戦いは、なるべく穏便に済ませましょう、………
穏便に、………穏便に、……… ね、……… 」
一同の一人
「あ、あんた、それでも、未来の独裁者なのかよ、………
まったく、……情けねぇなぁ、……… 」
事態が大きくなっていく事に、恐れをなした、カツ丼小僧の
肝っ玉の小さな言動に、一同は、大きく失望した、………
こんな人間について行ったんでは、もうダメだろう、………
誰もが、そう思い始めていた、………
そして、このような指揮官には、指揮官たる資格はない、………
この男からは、もう離れよう、………
一同たちが、そう決意をした、正に、その時だった、………
通路の向こう側から、男の大きな叫び声が聞こえて来た、………
「敵将を召し取ったぞ、………我が軍の勝ちじゃ、………
こういう場合は、大将の首、ただ一つ取れば、それでいいんじゃよ、
楽勝、楽勝、………
うわーーーーーーーーっ、はっはっはっはっ、…………
うわーーーーーーーーっ、はっはっはっはっ、………… 」
日本のドン、渡邉恒雄の、痛快な笑い声が、通路内にコダマした、………