丸裸、赤ふんどし、スダレ頭髪にされた、柴門ふみは、
16人の人間に囲まれ、青ざめた顔をして、立っていた、………
そして、前かがみに小さく体を丸めて、両腕を折り曲げ、胸を覆い隠しながら、
涙目となり、小刻みに震えていた、………
1日過ぎて、いくらか平静を取り戻したとはいえ、
女の命とも言える、頭髪をザンバラ刈りにされたショックは大きく、
心の傷が癒えるには、かなりの時間を要するだろう、………
一同は、その、みすぼらしい姿に変わり果てた彼女を、囲み見て、
何やら、倒錯的な感情が芽生えずにはいられなかった、………。
ある者は、この場で、集団リンチにして、二目と見られない姿に
してやれたら、という悪魔的な感情が湧きおこる者もいた、………。
カツ丼小僧は、今や盟友となった、いしかわじゅんに話しかけた。
カツ丼小僧
「ねぇ、いしかわさん、………
あなた1人だけを、悪人のようにしてしまうようで、本当に申し訳ないのですが、
やはり、調教ショーの方は、あなたにお願いしますよ、………
稀代のサディストのようですし、
そのこわもてマスクは、調教師の顔、そのものです、………
あなた、漫画の才能よりも、そっちの方に才能がありそうだ、………
ねぇ、……才能というものは、有効に使ったほうがいい、………
助けてください、………お願いしますよ、………いじめの巨匠、……… 」
いしかわじゅん
「ほ、……ほめられてんだか、けなされてんだか、……… 」
カツ丼小僧
「ね、……お願いします、………
さ、……さ、……皆さん、……拍手、……拍手、……… 」
一同、こぞって、拍手、………
いしかわじゅん
「う、うん、……そうか、………
まぁ、それほどまでに言うのなら、………
確かに、俺がここに来た目的は、柴門いじめだったんだから、
理には適っているけど、……… 」
高見恭子
「わぁ~~~~っ、
いしかわさんっ、期待してるわっ、………頑張って、………
その顔なら、調教師としての成功、間違いなしよっ、……… 」
岡田斗司夫
「いよっ、……… イジメの大家っ、………イジメの大御所っ、……… 」
いしかわじゅん
「お、おいっ、……お前らっ、……… 」
一同
「わははははは。」
カツ丼小僧
「いえね、………
例によって、僕、この前、いしかわさんの生年月日を調べたんですがね、………
いしかわさんは、1951年(昭和26年)2月15日の生まれで、
僕の信奉する占い「宿曜占星術」では、木曜日の「井宿(せんしゅく)」に
当たります、………
まぁ、この、羽田守快(はねだ・しゅかい)という人の書いた、
「密教宿曜占星術」(Gakken・刊)という本なんですがね、……… 」
いしかわじゅん
「おっ、……何、?その本、………?
お前、随分、よさげな本、持ってるね、……… 凄い、凄い、……… 」
カツ丼小僧
「へへへ、………お褒めに預かり、光栄でございます、………
まったく、こんな凄い本、まず、滅多にありませんよ、………
長年、占いの本を探し求めて来た僕ですが、近年、稀に見る、掘り出し物なんです。
これだけの内容で、著者にどれだけのお金が入ってくるのか、
人ごとながら、心配でなりません、………
この本では、同じ「宿」でも、曜日ごとに、細かく分類されています。」
田原俊彦
「僕、火曜日の「張宿(ちょうしゅく)」、………
安倍晋三首相と同じなんだ、……… 凄いでしょ、………あはははははっ、……… 」
鈴木保奈美
「私は、日曜日の「鬼宿(きしゅく)」、………
ちょっと我儘だけど、慈愛の心を持っているんですって、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………
「宿曜」の話になると、皆さん、中々、話も尽きないでしょうが、
ここはまた、いしかわさんの方に話を戻しまして、
実は、いしかわさんの生まれた、木曜日の井宿(せいしゅく)は、
「金剛峯日(こんごうぶび)」という特殊日に当たりまして、
とても、アクティブ、ポジティブで、戦闘的な日なんです、……… 」
いしかわじゅん
「へぇ、? そうなの、………? 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうです、………
いしかわさんが、ちょっと、剛胆で、威勢がいいのも、
この金剛峯日に生まれているからなんです、………。
実は、去年、お亡くなりになった、司会者の大橋巨泉さんも、
いしかわさんと同じく、木曜日の井宿の、「金剛峯日」の生まれなんです。」
いしかわじゅん
「そ、そうか、………
お、俺と、巨泉さん、………何か、共通項があるのかな、………?
うん、……面白そうだ、………
俺、占いには、本来、とんと興味がないんだけどさ、………
ちょっと、その話、聞かせてみてよ、……… 」
カツ丼小僧
「そうですね、………
それでは、この本から、ピックアップして、
「木曜日の井宿」のところを読んでみます、………
この本では、井宿を、動物のジャッカルとヤマイヌに例えていますが、
「午後6時まで」と「午後6時以降」の生まれは、若干違うようです。
いしかわさんは、どちらでしょうか、?
●木曜日 井宿(午後6時までの生まれ)
この生まれの井宿は、森に潜むジャッカルです、………
樹木の蔭から、外の様子をうかがっています、………
この人は、物事にけじめをつけるのが苦手なため、
しなくてもよい苦労をすることが、あります。
言葉を換えれば、身の上に変化が起きやすい生まれですが、
人に多くを語らず、黙々と自分の計画を推し進めます、………
木曜は、井宿本来の曜日であり、しかも金剛峯日の生まれですから、
万難を排して成功へ進む運気を持っています。
しかし、なかには酒や色事にはまって、本当の望みを果たせない人もいます。
金剛峯日の生まれにしては、自己表現が下手な方ですが、
内には相当の力量があり、独力で物事を成就する事ができます。
しかし、ときには人の意見も聞き入れるようにすれば、さらによいでしょう。
………と、言う事です、………
では次に、午後6時以降の生まれ、………
こちらは、ヤマイヌ、………
●木曜日 井宿(午後6時以降の生まれ)
この生まれの井宿は、森に棲む、ヤマイヌのボスです。
若いうちは、やや無鉄砲で、常識はずれな人です。
若気のいたりで、物議を醸すことがあるかもしれません。
そのためか、周囲の理解を得るのが難しい一面があります。
親分肌で、自分の道をひたすら追求して生きていきます。
一種の義侠心にあふれ、人気があり、困っている仲間のために尽力します。
この人に何かあったときには、逆に周囲が助けてくれるでしょう。
物事をこなす力量は、かなりのものですが、アクが強く、
個性が強烈であるため、好かれもすれば、嫌われもすると思います。
老いても、第一線を引かぬ人です。
酒を愛する人も多いでしょう、………
なかには、その筋の親分のような人もいます。
………と、言う事です、………
さぁ、いしかわさんは、どちらに当てはまると思いますか、………?
まぁ、確率的には、前者の方が、ずっと高い訳ですが、……… 」
いしかわじゅん
「うん、………
僕も、自分の生まれた時間までは、知らないんだけど、
なんか、やはり、前者のような気がするなぁ、………
自己表現は下手だけど、内には相当の力量がある、という所がね、………
それに後者の、酒の筋の親分っていうのは、ないような気がする、……… 」
一同
「わははははは。」
いしかわじゅん
「あっ、……そうだ、………
それなら、我が愛しの肉奴隷、柴門ふみの「宿」は、
なんなんでしょうね、? 是非、知っておきたいなぁ、……… 」
一同
「知りたぁぁ~~~~~い、……… 」
柴門ふみ
「わ、……私も、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………
もちろん、とっくに調べてありますので、今、紹介しますね、………
え~~~、ふみグソの生年月日は、
1957年(昭和32年)1月19日で、「土曜日の角宿(かくしゅく)」です。
「角宿」と言いますと、雅子妃殿下と同じですね、……… 」
皇太子妃・雅子様
「えっ、……? 私と同じですって、……? わぁ~~~い、……… 」
柴門ふみ
「……………。」
カツ丼小僧
「ええ、……ただ、曜日が違います、………
雅子は「月曜日」、ふみグソは「土曜日」の生まれです、………
まぁ、そうは言いましても、角宿は、「和善宿」に属しますからね、
善良な性質なので、マゾ奴隷にふさわしいでしょう、………
因みに僕は、「猛悪宿」の「室宿(しつしゅく)」ですので、
サディストの筆頭株主、最右翼です、………わははははは、………
え~~~、それでですね、………
角宿というのも、午前の生まれと午後の生まれの性質が、微妙に違います。
2つを、読み比べますので、自分がどちらかなのかを、判断してください、………
おいっ、……聞いているのかっ、………? ふみグソっ、……… 」
柴門ふみ
「は、はいっ、……すいませんっ、………
ちゃんと聞いていますっ、……… 許してくださいっ、……… 」
カツ丼小僧
「よ~~~し、………
耳の穴じゃなく、尻の穴を、よ~~く、かっぽじって聞くんだぞ、………
ふ・み・ぐ・そ、……… 」
柴門ふみ
「は、……はいっ、……ご主人さまっ、………
ふ、ふみの便秘が、治りますようにっ、……… 」
一同
「わははははは。」
カツ丼小僧
「それでは、読みます、………
まずは、「土曜日 角宿」午前の生まれから、………
この本では、角宿をミズチ(水中の竜)に例えています、………
●土曜日 角宿(午前の生まれ)
この生まれの角宿は、竜宮に住むミズチとでも言いましょうか。
生家が名家であったり、代々の仕事を続ける家であることが多いでしょう、………
この人にとっては、その家名が重すぎることがあります。
元来は頭の切れる人ですから、何をやっても一応はこなせますが、
しばしば、思わぬ不運に見舞われます、………
その多くは、本人の言動に起因するものではなく、事故のようなものですが、
たび重なると気持ちがすさみ、放逸で投げやりな態度となることもあります。
思い切って、家の仕事は、他人に任せておき、
故郷を出て、他の仕事をするのも悪くはありません、………
どんなことで、他人の力が必要になるかわかりませんから、
日ごろから、知人や友人を大切にしておくことが肝要です。
………という事です、………
それでは、次に、「土曜日 角宿」、午後の生まれ、………
こちらは、ワニですね、………
●土曜日 角宿(午後の生まれ)
この生まれの角宿は、剛毅なワニのボスです。
太っ腹で、器量が大きく、この人と話していると、
チマチマしたことは、どうでもよくなり、
愉快にさせてくれるような、豪快さがあります。
駆け引きが上手で、腹芸もできますが、いささか脱線しやすいようです。
それでも、何事にも、徹底的に精励する人ですから、
はじめはどうあれ、だんだんと出世するという、尻上がりの運気を持っています。
とはいえ、なかには、大風呂敷を広げるだけの人もいます。
組織にあっては、トップというより中堅やサブリーダーとして活躍します。
忠誠心を持ってはいますが、実際の行動は定石(じょうせき)どおりではなく、
何でも自分流に進めるほうです。
独特の学識や才芸があり、学者や研究者的な一面も見らます。
歌舞音曲や園芸を愛する人が多いでしょう。
……という事です、………
さぁ、ふみグソ、………お前は、自分がどっちだと思う、………?
午前か、……… 午後か、……… 」
柴門ふみ
「午前の生まれだと思います、………
ご主人様、……… 」
カツ丼小僧
「え、……? そのこころは、………? 」
柴門ふみ
「しばしば(柴柴)、不運に見舞われます、……… 」
一同
「わははははは。」
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