カツ丼小僧
「いよいよ、プロ野球のペナントレースも幕を開けまして、
僕も、横浜DeNAの応援団の一員として、その成り行きを見守っていきたい
訳ですが、………
なんといっても、昨シーズンは、球団初のクライマックス・シリーズ出場を果たし、
2位の巨人を破る、………という所までは、いったんです、………
まぁ、広島との優勝決定戦では、惜しくも敵地で敗れてしまいましたが、………
そうはいっても、やはり快挙だ、………
僕のマンションの近くの、伊勢佐木町通りにも、その時、
「横浜DeNAベイスターズ 夢をありがとう」の横断幕がいっぱいかかっていた。
でも、それだけに、今年にかける楽しみも多いというものです、………
今年は、なんとしても、クライマックス・シリーズ出場以上のものに
期待をかけます、……… 選手、監督の皆さん、………どうぞ、……… 」
一同
「……………。」
カツ丼小僧
「ん、……? あ、………そうか、………
今回のメンバーの中には、プロ野球関係者の人はいないんだっけ、………?
これじゃぁ、盛り上がりようがないよな、………どうしよう、……… 」
志茂田景樹
「超人、………
それは、今は脇目も振らずに、超能力開発に没頭しろ、という、
我々に対する、神のはからいではないでしょうか、………? 」
カツ丼小僧
「それを言うなら、………
………神よ! 一刻も早く、我々の下へと降りて来てくれ、 ! ! !
………といいたいんだけどね、……… 」
志茂田景樹
「超人、………
いくら、史上最強の超人のあなたとは言えども、
神の意志にだけは、逆らえません、………神は、全知全能普遍です、………
神は、もし、この地上に存在するもの全てを消してしまうつもりなら、
なんの手だてもなく、アッという間に、簡単に消してしまう事が出来る存在だ
ということは、超人もよく、御存知の筈です、………
全ては神の計算、……時間調節に他なりません、………
もっともタイミングのいい、その時期に、………
我々に、超能力が降りてくる筈です、……… 10月いっぱいまでには必ず、………
とにかく、今は黙って、金剛超人の育成を推し進めて行きましょう、………
今、我々に出来る事は、それだけなんですよ、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……そうね、………
確かに、それはそうなんだけど、………
なんで、期限が今年いっぱいではなく、今年の10月いっぱいまでなんだろう、………?
そこが、ちょっと引っ掛かる、……… 」
麻生太郎
「それは、あんたが自分で、そう言ったんじゃないの、………? 」
蓮舫
「ねぇ、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……そうなんだけど、………
あの時は、咄嗟の決断を迫られて、苦し紛れに、そう言ってしまったんだ、………
何の根拠もない、………どうして、10月、………? 」
志茂田景樹
「神が、そう言わせたんです、………。」
今井優子
「うん、……きっと、そうだわ、……… 」
萩本欽一
「そうなのよっ、………
間違いないのよっ、……… 神が言わせたのよっ、………
あっ、……わかったっ、………
わざわざ10月としたからには、ちょうど、ギレギレの9月か10月あたりに、
カツ丼小僧に超能力が身につくって事なのよっ、……… 」
カツ丼小僧
「9月か10月頃ですか、………
9月か10月頃と言えば、……… あっ、……… 」
皇太子妃・雅子様
「そうよっ、………
プロ野球のペナントレースが、最も佳境にあって、
クライマックス・シリーズや、日本シリーズが行われている時じゃないっ、………
もし今年、横浜DeNAベイスターズが、優勝に絡んで来たら、………
ちょうど、シーズンが、最高潮に盛り上がっている頃になるわっ、……… 」
一同
「えぇ~~~~~~~~~~~っ、???
ま、雅子様、………
プ、プロ野球に、興味がおありなんですかぁぁ~~~~~~っ、???
それは、初耳でしたぁぁ~~~~~~~~っ、」
皇太子妃・雅子様
「うふふふふふっ、………
カツ丼小僧さんのためなら、私、協力を惜しまないのっ、……… 」
カツ丼小僧
「そ、……そうだっ、………
確かに、雅子様の言う通り、………9、10月頃は、プロ野球が、
最も、盛り上がって、ピークに達している時だっ、………
そうかっ、………
もし、ちょうどその時、僕に、火事場の超能力が身についたら、
その横浜DeNAを後押しする意味も絡めて、マスコミや世間に、自らの超能力を
発表することが出来る、という訳だ、………
こ、これは最高の演出だっ、………神は、その事をちゃんと計算に入れて、………
くくくっ、………か、神様、………ありがとう、………
………なんて、………なんて、………途方もなく劇的な筋書きなんだっ、………
やっぱり野球は、筋書きのないドラマだったんだ、………
我が巨人軍は、永遠に不滅です、………
い、いや、……我が、超能力と金剛超人は、永遠に不滅です、………
うおぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~いぃぃぃっ、
うおぉぉぉぉ~~~~~~~~~~~いぃぃぃっ、 」
マツコ・デラックス
「あらあら、………
感激のあまり、男泣きに、泣きだしちゃって、………
でもまだ、喜ぶのは早いわよ、………
まだ、そうなると決まった訳じゃないんだから、………
それは、あんたの希望的観測に過ぎないんでしょう、………
大体、ベイスターズが優勝に絡むこと自体が、中々、………
去年は、珍しく、うまくいっちゃったけど、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……そうだね、………
よく考えても見れば、………確かにそうだ、………
そうなんだ、………先の事は、絶対に見えないし、わからない、………
僕の今までの人生は、ずっとそうだったんだ、………
何か、目の前に、美味しい物をちらつかされて、喜び勇んで、
前の方に進んでみると、それは、ただのゴミの山だった、………
それで、がっかりしていると、
また同じように、目の前に、途方もない宝の山を見せられて、
そっちの方に進んで行くと、また期待を裏切られて、ゴミの山だった、………
その繰り返し、……… それで、53の今まで、生きて来たんだ、………
自分の人生を、今、改めて振り返ってみると、
確かに、いつの間にやら叶っていた願い事も、結構あるけど、
9割以上は、皆、期待外れ、当て外れに終わっている、………
そして未だに、僕の感覚としては、
想念の数パーセント分ぐらいしか、何も現象としては起こっていないんだ、……… 」
志茂田景樹
「カツ丼さんは、実際、望みが大き過ぎるんですよ、……… 」
吉永小百合
「そうね、………確かにそう、………
私の人生も、………
でも、先の事は、わからないし、見えないからこそ、楽しいんじゃないかしら、………
もし仮に、どんなに素晴らしい未来が、自分に約束されていたとしても、
それが、予知能力などで、事前に見えてしまったとしたら、
こんなにつまらないこともないと思うわよ、……… 」
東尾理子
「そうね、………
私も、そう思うわ、………
石田純一さんの事だって、知り合うまでは何も、……… 」
ヴァニラ
「私も、幼い頃は、まさか自分が、こんなフランス人形のように
なるだなんて、予想だにしなかったわ、……… 」
一同
「わははははは。」
小沢一郎
「私も、若い頃は、日本列島を改造してみたい、などという
大それた野望もあったんですが、今では、小野党の一兵卒です、………。
マスコミに叩かれていた時が懐かしい、……… 」
東国原英夫
「僕も宮崎県知事になる夢は叶ったんだけど、
日本の総理大臣は、ちょっとハードルが高くてダメだった、………
あの時は、散々、周囲から非難されたっけかなぁ、………
身の程知らずだって、……… 」
蓮舫
「私も、念願かなって、民進党の代表にはなれたけど、
人望がなくて、この先どうなるのかは、わかりません、………
前途多難です、……… 」
萩本欽一
「僕もねっ、………
若い頃は、坂上二郎さんとコンビを組んでねっ、………
コント55号とか、欽ちゃんシリーズなんかが、お茶の間に受けてねっ、………
テレビ界に君臨した、絶大なる人気者だったのよっ、………
それが、40歳を過ぎたあたりから、急に、人気が途絶えちゃって、………
どうしたんだろう、………いきなり、なんにもなくなっちゃったのよっ、……… 」
吉永小百合
「おほほほほほ、………
そうでしょうねぇ、………皆さん、ホントに、山あり、谷ありの人生で、………
大変だったんですねぇ、………
私は、未だに、サユリストなどという一部の人たちに、
根強い人気を誇っていますけど、……… おほほほほほ、………
でも、……それでも、皆さん、自分の人生に、
たいそう、満足していらっしゃるんだと思いますわ、………
ねぇ、……そうなんですわね、………? 」
一同
「はぁ~~~~~~~い、……… もちろんでぇぇ~~~~~す、………
人生、先の事など、絶対に、わかりませぇぇ~~~~~~~~ん、
それで、十分、満足でぇぇ~~~~~~~~~~す、」