ついにこの日、カツ丼小僧は、志茂田景樹と今井優子と共に、
一同のいる座談会の部屋に、一旦戻ってきた、………
カツ丼小僧
「いやぁ~~~、すいません、………
やっと、野暮用から戻って参りましたぁ~~~~~、」
一同
「どこへ行ってたんですかぁ~~~~?
遅かったじゃないですかぁ~~~~~~?
随分と間が空きましたね~~~~~~~~、」
カツ丼小僧
「いえいえ、……野暮用です、……野暮用、………
それ以外の何物でもありません、……… 」
藤あや子
「でも、カツ丼小僧さんが居なくなる時って、
必ず、志茂田先生や、今井優子さんも一緒に居なくなっちゃうのよね、………。
どうしてかしら、………? 」
蓮舫
「何か、怪しいわ、………
よからぬことをやっているんじゃ、………?
麻薬の密売とか、………? 政治家として、見過ごす事は出来ないわ、……… 」
カツ丼小僧
「ち、……違いますよ、……… 」
小沢一郎
「私は現在、少数野党の一兵卒であります、………
非力な私の力では、どうすることも出来ないので、………あります、……… 」
カツ丼小僧
「………だから、違うって、……… 」
石原慎太郎
「ふふふ、……小沢君、………
君もいつの間にか、随分と卑屈な性格になったもんだ、………
昔のように、もっと威風堂々としていたらどうだい、?
これが、剛腕・小沢のなれの果てか、……… 」
小沢一郎
「あなたのような人に、そのような事を言われる筋合いは、………
ないので、……あります、………。」
石原慎太郎
「君は、この世で一番危険な政治家だ、………
みんなも騙されちゃいけないぞ、……… 」
カツ丼小僧
「わははははは、………。
お二方とも、また過激なバトルを展開していますね、………
小沢さんの方が、いつも、ちょっと押され気味ですが、……… 」
小沢一郎
「そうなので、………あります、……… 」
カツ丼小僧
「実際、石原さんは、憎まれ口の天才ですよ、………
よく、そこまで人の心を平気で踏みにじる事ができるのか、………
歯に衣着せぬ、という感じですね、……… 」
小沢一郎
「私も、その意見に、同感なので、………あります、……… 」
石原慎太郎
「いや、……あんたね、……… 」
カツ丼小僧
「ところで、………
今日からは、神聖な姓名判断の「音」の部分の講義に入りますので、
お二方とも、過激バトルは、ここらで控えてください、………
ところで、僕の神聖なる、「音」の講義というのは、……… 」
甲斐まり恵
「あ、……その前に、………
カツ丼小僧さんが、座談会を空けていた間に、
芸能界と、文筆界から、それぞれ訃報が入っていましたので、
ここで、お知らせします、……… 」
カツ丼小僧
「あ、……… はい、……… 」
甲斐まり恵
「まずは、芸能界、………
「おヒョイさん」の愛称で知られる、俳優の藤村俊二さんが、
1月25日に、心不全のため、お亡くなりになりました、………享年82、………
藤村俊二さんは、2015年10月に、体調不良のため、
日本テレビ系の番組「ぶらり途中下車の旅」を降板し、療養生活を送っていました。
藤村俊二さんのご冥福をお祈りします、……… 」
カツ丼小僧
「なんか、話し方に心がこもってないなぁ、………
ただ、ペーパーを棒読みしているだけで、……… 」
甲斐まり恵
「これ以上、どう言えっていうんです、……… 」
徳光和夫
「ははは、………心配いりませんよ、まり恵さん、………
私なんかよりは、ずっと心がこもった喋りです、……… 」
長嶋茂雄
「徳さん、………
徳光和夫のトークは、永久に、メーク・ペーパー・ドラマ、です、……… 」
一同
「わははははは。」
小池栄子
「でも、藤村俊二さん、………
なんで、愛称が「おヒョイさん」なんでしょうね、………?
その由来が知りたいわ~~~~~。」
甲斐まり恵
「ええ、………記事によりますと、………
もともと藤村さんは、若い頃から演出家志望で、
役者は不得手だったそうなんですね、………
それで、舞台で役を演じている時でも、その舞台から、
いつの間にか、ヒョイと姿をくらまして、居なくなってしまう事が
よくあったそうなんです、……… 」
小倉智昭
「ははぁ、………それで、………
でも、なんか、それって、ちょっと無責任過ぎるような気もするけどね、………
いかにも、「ぶらり途中下車の旅」っていう感じだ、………。
そういう人生だったんだろうか、………? 」
小池栄子
「でも、それでも「おヒョイさん」なんて、可愛らしい愛称が付くぐらい
だったんだから、案外、憎めない人柄だったのかも、……… 」
田村正和
「彼は、軽妙でちょっととぼけていて、いい味のある役者さんだったよ、………
これでまた、昭和を代表する名優が、一人、……… 」
甲斐まり恵
「それでは、今度は、文筆業界からの訃報です、………
元文化庁長官で、作家の三浦朱門(みうら・しゅもん)さんが、
肺炎のため、お亡くなりになりました、………享年91、………。
三浦朱門さんは、1985年の中曽根内閣で、文化庁長官となり、
文・教・政に尽力しました、………
当時、「強姦する体力がないのは、男として恥ずべきこと、」の発言で、
物議を醸したのは有名です、………
妻は作家の曽野綾子さんで、三浦さんは、2015年から、身体のあらゆる所で
機能障害を起こし、曽野さんが、その介護を続けていたという事です、………。
三浦朱門さんの、ご冥福をお祈り致します、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……そうだね、………
それ以上、どう読めったって、そりゃ、ちょっと無理かもしれない、………
まり恵さん、………よく読んで頂きました、………
偉大なる棒読み、どうもありがとう、………
今度は、僕の肉棒を、棒呑み、……… 」
甲斐まり恵
「………?、?、?、」
カツ丼小僧
「さて、……それでは、そろそろ、
僕の神聖なる、姓名判断、「音の部」の話に参りますかな、………
うふふふふふ、………
偉大なる我が秘法、「ピタゴラス数秘術」の紹介を、……… 」
藤あや子
「あっ、……すいません、………
カツ丼小僧さん、………実は、今日、大切なゲストをお呼びしてあるんです、………
姓名判断は、その方の登場が済んでからにしてください、………」
カツ丼小僧
「あ、……そ、そうなんですか、……… 」
(う~~~ん、………まぁ、ゲストの紹介じゃしょうがない、………
それにしても、僕の講義をさえぎろうとする奴は、一体、どこの誰なんだろう、?
もし、二束三文にもならない、糞タレントなんかの紹介だったら、
ただじゃおかねぇぞ、………この大事な時期に、……… )
カツ丼小僧は、そう思って、内心舌打ちをしたが、
突如、襖を、スーーーーッ、と開けて出て来た、その俳優を見て、
彼は、身体がのけぞり返り、腰を抜かして、
その場に、ドスンと尻もちをついた、………
彼の目は驚きのあまり、両眼とも小さな点になっていた、
そこに、颯爽とした姿で現れたのは、昭和時代劇のテレビ番組、「大岡越前」、
「遠山の金さん」、「大江戸捜査網」、などで、気風のいい
正義の主人公の役柄を演じた、大御所俳優、杉良太郎だった、………。
彼は、カツ丼小僧が、子供の頃、よくテレビで観ていた
「遠山の金さん」の白洲での裁きシーン、そのままの服装をしていた。
チョンマゲ姿で、腰には刀を差していた、………
BGMには、なぜか、名曲♪「すきま風」が流れ、………
そして、誰が用意したのだろうか、? 背後には桜吹雪までもが舞っていた、………
「あなた、……… 」
妻の伍代夏子が、襖の横の方から、彼の下に小走りで寄ってきて、
ハンカチで彼の額の汗を、そっと、ぬぐっていた、…………
「うむ、……… 」
杉良太郎は、愛妻の顔を見つめると、ニッコリと微笑んだが、
すぐに、真顔に戻り、腰を抜かして、尻もちをついている
カツ丼小僧の方に、長い袴を床に擦り付けながら、
スイスイと歩み寄って来た、………
そして、驚きで震えている、カツ丼小僧の顔に、
手に持っていた扇子を突き付け、微笑んで言った、………
杉良太郎
「その方のブログを読みました、………
私のボランティア活動に感動したそうですね、………
ありがとう、………
でも、ボランティア活動は、人手が多ければ多いほどいい、………
どうですか、………よろしければ、日本国民、1億3千万、総出でやりませんか、?
私が、私流で、そのやり方を、皆さんに伝授しますよ、………
私は、そういう意図で、今日、ここにやってきたんです、……… 」
伍代夏子
「あなた、……… 」
伍代夏子は、目に涙を滲ませて、杉良太郎の横顔をジッと見守っていた、………
扇子を顔の手前に突き付けられたカツ丼小僧は、
しばらく呆然としていたが、やっと我に返って、歓喜の快哉を叫んだ、………
カツ丼小僧
「す、……杉さん、………
こ、こんなところに、お越し頂き、どうもありがとうございます、………
こ、子供の頃の正義のヒーローが、実際、今、目の前に現れて、
自分に話しかけてくれているなんて、………本当に感激です、………
そうですね、………やりましょう、………
確かにボランティアは、日本国民総出で、やるべきなんですよ、………
立派にやり遂げなければ、………
杉さん、是非、我々にも協力させてください、……… お願いします、……… 」
杉良太郎
「うむ、………」
杉良太郎は、そう言って頷くと、扇子をひっこめ、
更なる愛情をたたえた温かな微笑みで、カツ丼小僧を見つめた、………
その後すぐに、正面をサッと見据えると、
にわかに眼光が鋭くなり、口を真一文字に結んだ、………
そして、口元に力を込めて、力強く叫んだ、………
「これにて、一件落着、! ! 」
すると、とたんに、BGMの、♪「すきま風」も、終わりを遂げた、………