カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 439

 

 

               金 剛 超 人

 

 

 

   カツ丼小僧は、「金剛超人」と金色で大きく書かれたボードを持って、

   今井優子と志茂田景樹の前に、得意そうに掲げた

 

 

志茂田景樹

「金剛超人、………? 何ですか、 それ、………? 」

 

今井優子

「強そうな名前ね、……… 」

 

カツ丼小僧

「おわかりになりませんか、? 天才博士に、超人歌手、……… 」

 

志茂田景樹

「あ、……わかった、わかった、………

 少し考えたら、すぐにわかったぁ~~~~~、」

 

今井優子

「わかる、わかる~~~~~~~、」

 

カツ丼小僧

「そうなんですよ、……その通りです、………

 超直観力のある、お2人なら、簡単にわかって頂けると思っていました。

 

 これは、僕が将来成りたいと思っている理想像を

 たった4文字の中に収めて、端的に表した言葉なんです、……… 

 僕の頭の中には、常に、このような金剛に輝いた、巨大な仏像体の自分がある、……… 

 

 体は鋼鉄のように頑強で、しなやか、………

 ピストルの弾丸に当たっても、びくともせず跳ね返し、

 マッハのスピードで空を飛び、堅いコンクリート壁もぶち壊す程の破壊力を

 持っているんだ、……… 」

 

志茂田景樹

「なんか、昭和時代のテレビアニメとか、その実写版の世界ですね、……… 

 凄い、凄い、………ぐわははははは、………。 」

 

カツ丼小僧

「そうそう、………

 テレビが日本に普及して、十年ぐらいしたら、

 いろんな超人めいた、正義の味方、怪物、怪人が、画面に登場するようになった、………

 戦争時代の余波なんじゃないかと思うけどね、………

 

 

 「スーパージェッター」、「宇宙少年ソラン」、「ビッグX」、「マグマ大使」、

 

 「エイトマン」、「遊星仮面」、「ウルトラマン」、「仮面ライダー」、

 

 「人造人間キカイダー」、「レインボーマン」、「超人バロム・1」、「デビルマン」、

 

 「黄金バット」、「鉄人28号」、「ジャイアントロボ」、「ミラーマン」、

 

 「スペクトルマン」、「鉄腕アトム」、「宇宙怪人ゴースト」、「バビル二世」、

 

 

 ………なんて、僕の子供時代は、そんな子供番組や、再放送だらけだったんだけど、

 そういった超人的、超魔力を持った、正義の主人公が、

 マッハのスピードで空を飛んだり、新幹線と競って走り合ったりするシーンが、

 常に頭の中に、こびりついていて離れない、………。

 

 この現実の世界では、まったく荒唐無稽で、あり得ない事なんだけど、

 僕らの世代にとっては、いくらかは当たり前のような雰囲気も持っているんです。

 あの時代が子供時代だった人にとっては、誰だって、……… 」

 

 

志茂田景樹

「つまり、……超人は、超人になりたかった、という事なんですね、………

 あ、……それ、当然の帰結か、………ふふふ、……… 」

 

カツ丼小僧

「うん、……ちょっとね、………

 いつも「若返りのクスリ」なんて言っているけど、本当はそうじゃない、………

 実際の若返り以上のものを望んでいるんだ、………

 

 2人とも、読んだことがあるかどうか、知らないけど、

 昔、藤子・F・不二雄さんの、大人向け SF 短編漫画に、

 「ウルトラ・スーパー・デラックスマン」というのがありました、………

 

 正義感の強い、一介の投書マニアのサラリーマン、句楽兼人(くらく・けんと)は、

 常に、世の不正や悪を憎んでいましたが、

 

 ある日のこと、………突然変異で、超・超・超・超能力が身について、

 スイスイと空を飛んだり、建物をぶっ壊したりと、正義の使者となって、

 そのとてつもない能力を使って、悪漢どもを懲らしめたりするようになります。

 

 しかし、そのやり方は、独善的で横暴そのもの、………

 正義感も行き過ぎたら、とんでもない、という話です、……… 」

 

志茂田景樹

「知っています、………その漫画は読みました、………

 正義と横暴は、紙一重、………そんなものは、正義でもなんでもない、

 という話でしたよね、……… 」

 

カツ丼小僧

「ええ、………それで、実は僕、………

 その、ウルトラ・スーパー・デラックスマンに、なりたいんです、……… 」

 

今井優子志茂田景樹

「えぇ~~~~~~~~~~~っ、???!!!

 ちょ、超人、……な、何を言ってるんですかぁぁ~~~~~~っ、??? 

 そ、そんな、横暴なぁ~~~~~~~っ、………

 

 ………ああ、……史上最強の独裁者を目指しているんだから、

 当然の帰結か、……… 」

 

カツ丼小僧

「わははははは、………そうなんです、………

 でも、ウルトラ・スーパー・デラックスマンの句楽兼人じゃ、

 見てくれがねぇ、………

 「オバケのQ太郎」に出てくる、あの小池さんじゃないですか、………? 」

 

今井優子

「あの、いつもラーメンをすすってる、……… 」

 

志茂田景樹

「わははははは。」

 

カツ丼小僧

「能力的には、申し分ないんですが、

 見てくれがあれじゃ、ちょっとまずい、……… 

 

 かといって、ウルトラマンは体が大きすぎるし、仮面ライダーは空を飛ばない、………

 鉄腕アトムは、子供のヒーローだし、………

 

 イメージとしては、………

 う~~~ん、………やはり、「黄金バット」ですかねぇ、……… 

 あのイメージが、自分に一番ピッタリくる、……… 」

 

今井優子志茂田景樹

「お、……黄金バット、………???!!! 」

 

カツ丼小僧

「うん、……黄金バット、………

 ただ、顔がドクロだ、………あれは、ちょっと不気味すぎてまずい、……… 

 顔は、「バビル二世」に出てくる、海の神、ポセイドンかな、……… 」

 

今井優子志茂田景樹

「……………??? 」

 

カツ丼小僧

「まぁ、ちょっと難しいんだけど、大体、あんな感じなんです、………

 そういう感じの怪物超人になりたいんですよ、僕は、……… 

 つまり、さっき言ったけど、ここまでやるからには、

 もう、ただの若返りなんてレベルのものじゃない、………

 

 細胞そのものを、新しい、優秀な性能を持つ、

 ウルトラ・スーパー・デラックス細胞に入れ替えるんだ、……… 

 もう、病気は、一切自分の体に寄せ付けたくない、……… これが本願です。」

 

今井優子

「で、でも、……それだとすると、………

 それって、もう人間じゃないですよね、………超人、………

 ひっ、……こ、言葉通りの方向に進んで行く、……… 

 

志茂田景樹

「超人の目指す所、考える所は、黄金バット怪人、………

 つまり、先程ボードに掲げていた、金剛超人なんですね、………

 よく、わかりました、……… 」

 

カツ丼小僧

「そう、………

 だから、まず、その文字を、イメージとして、頭の中の丁度、

 中央にイメージする、……… 縦書きで、太いゴシックで、

 「金剛超人」の4文字が、金色で力強く書かれ、美しい金剛の光を放っている、……… 

 

 今、瞑想しています、……… 」

 

今井優子

「今、ネットや本で調べたんだけど、

 

 「金剛超人」は、………

 

 「金」が8画、「剛」が10画、「超」が12画、「人」が2画で、

 

 全部で4文字、32画です、………

 

 「32」という数の解説を読みますと、………

 

 ●財物豊満を暗示する僥倖(ぎょうこう)数です、………

  この数は温和で魅力のある性格で、人望があり、目上の人から引立てを受け、

  下の人からも尊敬されます、………。

  自ら求めなくても、自然と地位が向上していき、

  物質的にも非常に恵まれる、幸運吉数です、………。

 

 ………他の本では、………

 

 ●上位の援助、庇護等ありて、望外の成功幸福を得るか、

  意外の巨利を博するも移り気多し、………

  なお、この数、大凶数という説あれど、

  他運との関係が相剋の時は、凶となる、………

 

 ………という事です、………

 

 紫微斗数で観ますと、

 「命星」と「外星」の位置に、「才能・度量」の「天府星」がつきます。 」

 

 

カツ丼小僧

「うん、……その「32」という数はね、………

 姓名数理学の中でも、ちょっと変わった特殊で不思議な数なんだ、………

 

 姓名学のどの本を見ても、32は、まず、81までの数の中では、一番の最大吉数で、

 望外の幸福に恵まれるような事が書いてあるんだけど、

 自力数ではなく、他や外からの僥倖運ですので、

 

 いきなり大地から泉が湧いて出てくるように、凄い勢いで盛り上がったかと思うと、

 その勢いがまた急に、ピタリと止んで、跡形もなくなってしまう事もある、………

 僕的には、ちょっと判定が難しい数なんだ、……… 」

 

 32画の名前の人は、

 漫画家の故・手塚治虫さん、お笑いタレントの明石家さんまさん、等がいて、

 松坂慶子さんのヒット曲、♪「愛の水中花」も、32画です、………。 

 

 つい最近まで、寺尾聰さんのヒット曲、♪「ルビーの指輪」も、32画だと思って

 いましたが、大間違いで、「指」の「てへん」は3画ではなく、4画でした。

 てへんは、「手」の略字であるからです、………

 だから、「ルビーの指輪」は、33画となります、………

 33は、数理学では、「天下取りの帝王数」と言われています、………。」

 

志茂田景樹

「大王、………

 瞑想中失礼ですが、気分は如何ですか、………? 」

 

 

   カツ丼小僧は、床に腰を下ろして、背中を壁につけて目をつむり、

   一旦、頭をカラにした、………

   そして、彼は深い瞑想状態に入っていった、………

 

 

カツ丼小僧

「うん、………最高潮の気分だ、………

 何か、この文字の羅列は、自分に相性がいいように思える、………

 この文字が、長い事、自分の体に定着してくれれば、いいのだが、……… 

 

 さっき言った、テレビアニメの金剛超人、黄金バットが、

 グングンと力強く、空中を飛び回っている映像を、イメージしています、……… 

 BGMは、もちろん黄金バットの主題歌だ、………

 

 ふふふ、………

 まるで、子供時代に戻ったかのようだ、………

 よく、風呂敷をマント代わりにして、黄金バットの真似をしながら、

 家の外の通りを、駆け回っていたっけ、……… 

 

 あ、………黄金バットの高らかな笑い声が聞こえて来た、………… 

 

 わはははははは、……… わはははははははは、………  」

 

 

   カツ丼小僧は、そう言って、ニッコリと微笑んだ、………