カツ丼小僧
「杉良太郎さんって、偉いなぁ、……… 」
志茂田景樹
「え、……? 杉良太郎さん、……? あの俳優の、……?
昔、よくテレビの時代劇なんかに良く出ていたよね、………
「遠山の金さん」とか、「大江戸捜査網」なんかに、……… 」
今井優子
「私、あの、♪「すきま風」っていう曲、大好きなのよ、………
男らしくて、カッコいいわぁ、……… 彼がどうかしたんですか、………? 」
カツ丼小僧
「彼のボランティア活動が、国内外を問わず、半端じゃないということを、
今、初めて知ったんです、………
若い頃から数十億の私財を投げ打ってやっているそうだ、………素晴らしい、………
普段、千円や二千円のお金をケチって、出し惜しみしている僕からしてみれば、
考えられないことです、………
人間として、スケールの大きさが、まるで違う、………
う~~~ん、また暫くの間、コンプレックスに悩まされそうだ、……… 」
志茂田景樹
「まぁ、彼は、大スターで、大御所俳優だし、
お金は、いくらでも持っているだろうから、………
何も、超人がそんなことで悩む必要はないですよ、……… 」
今井優子
「東日本大震災の時も、彼は、凄い物資の支援をしたそうよ、………
被災者の方たちからしてみれば、さぞ心強かったでしょうね、……… 」
カツ丼小僧
「もし仮に自分が巨万の富を持っていたからといって、
杉様のように、ボランティアに全私財を投げ打つことなど、できるだろうか、?
やっぱり、こういうのは、本当にまっとうな慈悲の心を持っている人でないと、
出来ないと思いますよ、……… 」
今井優子
「まぁ、カツ丼さんには、
大日本 SM 帝国建設という大きな夢がありますからね、………
その目的には、おそらく天文学的な莫大な費用がかかると思います、……… 」
志茂田景樹
「杉様のボランティアを「売名行為」だと勘ぐる輩も多いそうだけど、
若干15歳の時から、やっているそうだから、これは本物だよ、………
仮に自己満足でやってるとしても、やっぱり偉いと思うな、………
マスコミの「売名行為ではないか、?」という質問に、
杉様は、「ああ、そうですよ、……売名行為です、偽善ですよ、………
日本国民、1億3千万人で、やりましょうよ、」といったそうだけど、
気風がよくて、ちょっと、しびれたねぇ、……… 」
今井優子
「時代劇でも、正義の役などやっている人ですからねぇ、………
杉様は決して、悪い人ではないと思いますけど、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………僕もいつも言っていることなんだけど、
俳優の役柄というのは、その俳優の「化身」という考えなんだ、………
そんな風に決めつけてはいけない、というかもしれないけど、
僕の観察では、まず間違いない、………
正義の味方の役をやっている人は、実際にも、正義の心を持っていて、
公明正大で慈悲心の強い正義漢、………
極悪非道の悪人をやっている人は、実際の人物も悪人なんです、………
もちろん、その俳優の性格の一側面だけ、ということもあるけど、大概は、………
ただ、役柄ほどは、善人でもなく悪人でもない、………
あくまで誇張された形で、浮き彫りにされたような形で
役柄として出てくるだけです、………
正義派の俳優に、実際の役柄までのものを望むのは、ちと、酷というものです。
でも、杉様の場合は、かなり、実際の役柄に近い、………
1億円の借金をしてまで、福祉活動をしたこともあるそうですから、………
その上、90人の養子もいて援助しているというから、半端じゃない。
困った人を救いたい、という正義の心が、そのまま、……… 」
志茂田景樹
「それにさ、……
我々3人、いつのまにか、杉良太郎さんのことを、
「杉様」って、呼んでるじゃない、………
こういう愛称なんかでも、超人の言葉を借りれば、
ただ偶然についてる訳じゃないんでしょ、………。」
カツ丼小僧
「そうそう、………
巷のオバサマ、ババサマたちも、杉良太郎さんのファンなら、
彼の事を、皆「杉様」って言うんだけど、………
こういった名称が「様」となっているところが、彼の偉大なところだ、………
こういったものは、自然発生したものだろうけど、偶然はない、………
やはり、杉さんは、「様」がつくだけの人格だということです、………
神がそのように判定して、そのような名称がついているのです、………。 」
今井優子
「ふふふ、………
ビートたけしさんなんかも、軍団から、「殿」と呼ばれていますけどね、……… 」
志茂田景樹
「さてさて、今回も前振りが長くなっちゃったけど、
そろそろ発明品作りに入りましょうよ、……… 」
カツ丼小僧
「そうですね、……クリエイティブ・大頭脳博士、………
どうも、ネットなんか面白くて、いつまでもさまよっていると、
いろんな情報が飛び込んでくるんで、つい、……… 」
今井優子
「性能のいい文字を繋ぎ合わせて羅列する、というところから、
一向に話が進んでいませんけど、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………
本来、こういった占術は、ある約束事の上に成り立っているから、
その法則に忠実にのっとって、文字を組み立てて行けばいいだけのことなんだ。
つまり、「姓名学」ではなく、「姓名術」、………
そう、………「学ぶ」のではなく、既に出来上がっている「術法」なんです、………
平たく言えば、「東洋に二千年守りつづけられた庶民の智恵としての、ある約束」
という事で、姓名術は、日本でも中国でも、実に長い歴史を持っているけど、
日本で、はっきり「術」としてまとまったのは、明治の中期頃だそうです、……… 」
志茂田景樹
「そうだろうね、………
明治時代までの日本では、階級制度がはっきりしていて、
「姓(かばね)」と「氏(うじ)」は、確かにありましたけど、
現在のように「姓(苗字)」が誰にでもあったわけじゃないからね、……… 」
カツ丼小僧
「ちょっと辛いのは、本や占い師によって、姓名術の内容が、
細部で、マチマチ違っている所なんだけど、
姓名術の場合、一点一画間違うと、まったく違った結果になってしまうので、
とても慎重にやらなきゃならない、という事です、………。
だから、細部とはいっても、本当は細部ではない、………
大変な誤差になるんです、………気を抜くような事があっては、なりません。
とにかく、この実験では、お二方とも僕のやり方を信じてください。
僕のやり方でやりますので、……… 」
今井優子・志茂田景樹
「もちろんです、……史上最強の姓名術師、………
私たちは、あなたのやり方に、全てを委ねるつもりです、………
忠実な助手になりますので、なんなりと指示してください。
超人の体を使ってやる訳ですから、当然の事です、………… 」
カツ丼小僧
「もちろん、数や字体、五行、文字数、音、だけではない、………
何よりも重要なのは、その文字の持つ意味を重視する必要があります、………。
財を呼ぶ文字だとか、名声を呼ぶ文字、愛やエロスを呼ぶ文字、
若さや健康を呼ぶ文字、頭脳や容姿を順応に育む文字、………
これらを効率よく繋ぎ合わせて、うまく配合・調和していかねばなりません、………
その組み合わせで、更に絶大な相乗効果を生むのです、………
まぁ、食べ物の料理をするのと同じ要領で、……… 」
今井優子
「少しでも、美味しい物を作りたいわ、………
さじ加減とか、何cc配合とか、薄味にするか、濃いめが良いか、という事ね、……… 」
志茂田景樹
「むふふふふっ、………
聞いていて、段々、嬉しさが込み上げて来ましたよ、超人、………
なんか、ワクワクするなぁ、………
これで本当に若返る事が、できるのかなぁ、……… うひひひひっ、
パチンコと同じで、一旦スロットが当たると、
ドババババーーーーーーーッ、って、玉が仰山、出て来たりなんかして、……… 」
カツ丼小僧
「正直、姓名というのは、あまりにも短すぎて、自分の理想とする文字星を、
その中に、ふんだんに盛り込むことが出来ない、という弱点がある、………
美人になりたいと思っても、「美」だとか「麗」などの一字を入れるのが
関の山だ、………
今まで学習してきた、紫微斗数の星、「紅星」、「紅艶星」、「左輔星」、「神助星」、
などにしても、たった、4字や5字の姓名の中では、いくらも盛り込めない、……… 」
今井優子
「でも、これだけの星を、数百、数千単位で盛り込んだりするんですから、
相性の悪い星が隣り合わせになったりすることもあるわけですよね。」
カツ丼小僧
「うん、………
でも、実験も兼ねている訳だからね、………。
いつも安全じゃないし、案外、何がどう転ぶかも、わからない、………
「瓢箪(ひょうたん)から駒」って奴も、あるかもしれないし、……… 」
志茂田景樹
「それでは、どうですか、? 偉大なる人体実験者、………
そろそろ、始めますか、………? 」
カツ丼小僧
「そうだね、………
そろそろ、始めることにしよう、……… 」
カツ丼小僧は、持って来たカバンの中から、多くの単語カードを取り出し、
小さな円卓の上に、バラバラと撒いた、………
そして、以前から、壁に貼っておいた、偉大なる有名人たちの名前のボードを、
ジッと見渡していた、………