カツ丼小僧
「このところ、『週刊現代』では、コーヒーというのは、
実は、体によいもんだ、という記事が多いので、ちょっと安心しています、……… 」
今井優子
「カツ丼さんは、コーヒーをよく飲むの、………? 」
カツ丼小僧
「うん、………
缶コーヒーを、1日、4~5本、………全てブラックだけどね、……… 」
志茂田景樹
「そんなに飲んで大丈夫なの、………?
あ、……カツ丼小僧さんは、自分の運命を確信しているんでしたよね、………
それなら、大丈夫でしょう、………
でも、ブラックというのは、………? やはり、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……糖尿病だから、………
以前は、砂糖入りのコーヒーも飲んでいたんだけどね、………
2年ほど前からは、ブラックです、………
僕も、目や足が悪くなったりするのは、多少、耐えられるんだけど、
やはり、脳梗塞や、脳の病だけは、さすがに怖い、………
週刊現代の、嬉しい記事によれば、
コーヒーを『天然の薬』だとし、………(健康増進クリニック院長・水上治氏の言)
「コーヒーには、カフェインとクロロゲン酸が含まれていますが、
このクロロゲン酸は、ポリフェノールの一種で、
老化の原因となる活性酸素を抑えることが、はっきりと証明されている。
つまりコーヒーは、がん予防だけでなく、動脈硬化を防ぎ、
血糖値を下げる効果もあるので、生活習慣病も改善する働きがあるのです。
それでいて、薬と違って副作用もないので、安心して飲める、………
もしコーヒーがダメな人は、日本茶やココアでも、同じ効果が得られます。
砂糖たっぷりの野菜ジュースを飲むより、コーヒーを飲んだ方が、
メリットは、はるかに大きい、……… 」
………という事なんだそうです、……… 」
今井優子
「よかったじゃないですかぁ、………カツ丼さん、……… 」
カツ丼小僧
「でも僕は、野菜ジュースも好きで、かなり飲んでいるんです、………
記事(管理栄養士の梅原祥太氏の言)に寄れば、野菜ジュースというのは、
「ジュースにすることで、野菜に含まれる水溶性ビタミンなどが、
かなり壊れてなくなってしまう、………
野菜は本来、アルカリ性食品ですが、ジュースにすると、酸性食品に変化するため、
野菜本来の恩恵が、ほとんど受けられません、………
それどころか、野菜ジュースは糖質がほとんどです、
100%の野菜ジュースでも、たいていは糖質が入っている、………
野菜ジュースに含まれるのは、ショ糖(ブドウ糖+果糖)が多く、
そういった液体の糖質を空腹状態で飲むと、急激に吸収されてしまい、
脂肪になりやすくなってしまいます、………
また一時的に血糖値も上昇してしまう、………
すると体は、血糖値を下げようとするので、
血糖値の上げ下げが激しくなり、体に負担がかかるのです、………
………という事だそうです、……… 辛い、……… 」
今井優子
「野菜ジュースの方は、今後どうするんですか、………? 」
カツ丼小僧
「いえ、……止められません、………
飲みつづけると思います、………幸福感を得るために、………
味と、冷たい流れの、のど越し感が好きなんです、……… 」
志茂田景樹
「でも、超人、………
あなたは、そんな医学的根拠は信じていないんだろう、………
だって、この前言ったじゃないの、………
痩せるためのダイエットにしたって、サプリメントとか、体操やジョギングなんて
実は、まったくのまやかしなんだって、………
本当はその期間、いかに自分の痩せている姿を本気で想像したかだって、………
だから、寝っころがっていたって、ダイエットは出来るんだって、………
ね、……そうなんでしょう、………?
あなたは、科学や医学的な根拠とは、まったく正反対の所に存在している人間です。」
カツ丼小僧
「はい、そうです、………。
確かに、その通りで、いつも、そのような事ばかり考えている人間です、………。
でも、それと同時に、どういう訳か、僕の性格というのは、
極度に気が小さくて、心配性に出来ているんです、………。
もう、何か、科学的な寄り所にも頼らなくてはいられない、
というくらいに、臆病な性格です、………
全知全能の魔法使いのような神様が、
自分の事を守ってくれてはいるんだ、と確信しつつも、
やっぱり、未だに、この世の現実感というものにとらわれていて、
ひょっとして、神様が、ほんの気まぐれのイタズラで、
僕を奈落のドン底、失意のドン底に突き落とすんじゃないかという思いが、
常に頭の中心部にあるんですよ、………これは本当です、………。 」
志茂田景樹
「どういう訳なんだろうね、………?
そういう事にも何か、神の奥深い考えがあるのかな、?
なぜ、あなたに、そのような性格を植え付けたのか、………? 」
カツ丼小僧
「ええ、……
やっぱり人間というのは、ノーテンキではダメなんだという事じゃないでしょうか、?
悩みや苦しみがなければ、喜びや楽しみもない、………ということで、……… 」
志茂田景樹
「「不幸の中の幸運」というのが、神の不文律ということか、……… 」
カツ丼小僧
「そうですね、………
そこのところは、どうしても変えられないようです、……… 」
今井優子
「さて、……世紀の大王、………
前置きが長くなりましたが、そろそろ、発明の話に入ってください、………。」
カツ丼小僧
「うん、………
我々のこれからやろうとしている、発明品作りも、こういった
上質で味のいい、ジュースやコーヒーを作り出す作業と似ている、………
そして、どれだけ体に効いてくるものを仕上げるかなんだが、………
最高級の物を仕上げようと思う、………。
僕は今まで、もう何百回にものぼる改名の実験と、人間の観察などから
文字や音の片鱗でも、それを体に定着させることによって、
人間の体や脳などに、特定の変化を起こさせることを知っている、………
体に定着させるというのは、つまり、………
頭の中で、自分イコール○○だと、思い込んで強く念じる事だ、………
もちろん、文字や音の影響力というのは、名前だけのことではありません、………
現在では自分の名前が、その人間へ与える影響が一番強いというだけのことです、………
姓名の他にも、例えば、自分が学校の教師という職に就けば、その人間は、
自分イコール、「先生」だとか、「教師」だとか、「学校の先生」、
「社会科の教師」、などと思い込むようになる訳だから、
その名称に、瞬く間に支配されてしまう、………。
住んでいる地域や町の名前なども、その中に自分の住所があって、
そこに住んでいれば、その名前にも染まってしまう、………
それから、県名、市名、マンション名や、職場のビル名、会社名、電話番号、………
自分についたニックネーム、………
知らない内に、自分の体内に交わって、多くの変革作業を起こしているんです。 」
今井優子
「なんだか、ちょっと怖いですねぇ、………
知らず知らずの内に、………? それって、危険なことなの~~~、? 」
カツ丼小僧
「危険もなにも、運命でしょうから、その事について、
あまり悲観的に考えてもしょうがない、………
まぁ、僕は臆病なもんで、
昔は確かに、神経質になったこともありましたけど、……… 」
志茂田景樹
「変なニックネームがついたり、縁起の悪そうな名前の職場に就いたり
するのは、避けなきゃね、……… 超人、……… 」
カツ丼小僧
「つまり、名前にしても、他の名称にしても、今のところは、
ほんの数文字の短いものだから、左程の影響がでないのかもしれないけど、
それが、何百、何千、という文字の羅列になってくると、それは、……… 」
今井優子
「でも、占いの帝旺は以前、姓名判断の講義の中で、
文字の占有率の事を述べていましたけど、………?
つまり、文字数が少ない程、その一文字分の効力は大きいと、………
その事については、………? 」
カツ丼小僧
「うん、………
さすが史上最強の頭脳派女子、………いい質問です、………。
そうなんだけど、でもそれはあくまで、人の姓名のような、
もの凄く少ない、文字数の場合ですよ、………
3文字とか、5文字、7文字とか、そのぐらいの違いじゃないですか、………
これから我々がやる作業というのは、文字や字形などの交わりから、
また更なる吉星や吉数が期待できるという訳ですから、かなり複雑に
入り組ませることで、信じられないような偶発性効果を期待出来ます。
全くの未知数で、………
どんな怪物が、ビックリ箱の中から飛び出てくるのか、わからない、………
というレベルの話です、………。
いや、今までは、名前や町名ぐらいの短い文字の羅列だったからこそ、
あまり際立った現象が、この世に起こらなかったとも言えるんです、………
もし、千や二千、三千といった膨大な文字が、うまくつながって、
精密に完成された場合、……… 」
志茂田景樹
「う~~~ん、………
なんか、体中が、ゾクゾクして来たよ、………
まさか、この年になって、ここまで血湧き肉躍るほどの興奮が得られるとは、
想いもよらなかったな、………
これで、キョンキョンのアンドロイドも我が手中に、………うほ、はほ、ほへ、 」
今井優子
「でも、やっぱり、未知への挑戦ですから、
かなり多くの危険も、あるんでしょうね、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………そうだけど、………
そこは、ぼくに任せておいてください、………
だって、今まで僕は、何百回とまで、名前を変えて来ている訳ですから、
かなりの免疫がありますし、………
ちょっと危ない凶星の位置なども、おおよそ把握しています、……… 」
今井優子
「カツ丼小僧さん、………
やっぱり、自分の体を実験台にしてやるつもりなんですね、………
いつか、魔刃星(まじんせい)などという恐ろしい星の事なども語っていたけど、
大丈夫なんですか、………? 」
カツ丼小僧
「うん、………
もし、何か体調が優れなかったり、危険な感じがしたら、
すぐに、思い込みや念の力を解くだけのことさ、………
なんてことはない、………僕は慣れているから大丈夫、………
でも、凶星だって、うまく活用していかなくちゃならないんだ、………
何故って、凶星の融合によって、オセロゲームの黒が、全て白に
変化してしまうような事も多々ある訳だからね、……… 」
志茂田景樹
「私は、カツ丼さんの体が心配です、………。
ただ、それだけが、……… 」
カツ丼小僧
「ありがとう、………超人慈愛博士、………
でも、やはり、こればっかりは、他人の体を実験台にしてやることは出来ません。
自分の体で、実験を繰り返していくしかないんです、………
とりあえず、まずは自分の体で証明してみせることが、始まりです、………
それで成功すれば、徐々に他の人にも、……… 」