若 三 杉
カツ丼小僧は、ひっそりとした隠れ部屋の中で、今井優子と志茂田景樹の前に立ち、
「若三杉」と、大きく書かれたボードを手に持って、講義を始めようとしていた。
今井優子と志茂田景樹の2人は、赤ワインのグラスを片手に椅子に腰かけ、
カツ丼小僧の方を、期待の面持ちでジッと見つめていた、………。
カツ丼小僧
「え~~、皆さん、……と言っても、2人ですが、………
これより、昨日、紹介したキーワード、……「若三杉」について、
色々と、言及してみたいと思います、………。」
今井優子
「はぁ~~~~~~~い、」
志茂田景樹
「今日は、とっても、楽しみにしてきましたよ、カツ丼さん、………
この赤ワインもね、………ウィ~~~~~~~ック、……… 」
カツ丼小僧
「それは、それは、………超天才博士、………
今日は、一級の頭脳を休ませるつもりで、ゆっくりくつろいでいってください。
超・頭脳派女子の優子ちゃんもね、……… それでは始めます、………。
え~~、まずは、………
この「若三杉」という文字を、字形の面から鑑定しますと、………
「若」は、上が「くさかんむり」で、「魅力・柔軟」の「天后星」、………
中の「十」の部分は、「芸術・不満」の「傷官星」、………
下の「口」の部分は、「非難・災害」の「天空星」、………
そして、2番目の「三」という文字は、
3つの「一」で、「内気・平凡」の「収星(しゅうせい)」が3つ、………
そして3番目の「杉」の文字は、………
左側の「きへん」が、「財産・信用」の「正財星」、………
右側が「さんづくり」で、「冷静・孤独」の「天刑星」が3つ、………
………という事になりますね、……… 」
今井優子
「真ん中の文字の「収星」3つなんですが、もう少し詳しく説明してください、……… 」
カツ丼小僧
「収星は、「内気・平凡」を司り、平和な気運とします、………
活動力や行動力はありませんが、外面上は明るく、まじめで勤勉家のタイプの星です。
やや考え過ぎる傾向があるため、優柔不断なところもありますが、
器用であり、多趣味で何をやっても一応は器用にこなす、という暗示を持ちます。
社交的で内気なわりに、円満にやっていける才能をもつ女性的な星です。
適性は、地道な勤め人・技術家などの、あまり派手でない方面、
比較的平凡な職業に向きます、………
収星は、「地味」「円満」「勤勉」「技術」「研究」「器用」
などの作用を起こす星です、……… 」
志茂田景樹
「う~~~ん、………
それが、真ん中の位置に3つ並んでいるということは、………
どういう事になっちゃうんでしょうね、……? 超・超・超・超人、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………
基本的に、真面目で、大人しいながらも、
勤勉で技術力に優れた人間であることを示唆している、………
なんといっても、収星が3つ重なっている、………
勤勉ということでは、相当の効力が期待されそうだ、………
でも確かに、当時の若三杉関は、そんな感じがしたなぁ、………
それで、今度は画数の面から見てみると、………
「若」が11画で、五行は木の陽、………
「三」が3画で、五行は火の陽、………
「杉」が7画で、五行は金の陽、………
全部たすと、21画、………
3文字の21画で、喜びに満ち、安定感、向上心、共にある、………
しかも、段階的に少しずつ向上していく感じだ、………
本来、「三」は、3の「火」で、
「杉」は、7の「金」で、2つのの並びは相剋で、相性はよくないんだけど、
あまり単純に解釈してはいけないんだ、………
「火」と「金」の交わりというのは、時として、噴火山のような、
爆発的飛躍性をもたらすことがある、………
溜まりに溜まった、鬱屈したマグマが飛び出すように、………
「火」と「金」は、一般には、心身を労し、緊張の連続を強制する配置で、
競馬のジョッキーや、ボクサーなどの危険を伴った仕事や、学問分野でも、
とくに不可能と思える難解な研究に打ち込むことになります、………
若三杉関が、そうだったんでしょうが、
実は、ここに、もう1人の偉大な「火」と「金」の相剋の持ち主を紹介します。
我がドスケベ座談会にも、いつも出席してくださっている、
世界のホームラン王、………国民栄誉賞、第一号受賞者の、
元プロ野球選手、王貞治さんです、………。 」
志茂田景樹
「えっ、……? 王さんもそうなの、?
それなら、信憑性があるじゃない、………早くやってよ、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……… そうなんです、……… 」
カツ丼小僧は、手にしていた「若三杉」と書かれていたボードを
ひっくり返して、今度はその裏に、太いマジックペンで、
「王貞治」と書き込み、2人に見せた、………
王 貞治
志茂田景樹
「あれっ、……?
史上最強の幸運児に、質問です、………
王さんの場合は、若三杉と違って、後ろの2文字が、くっついていますが、
その2文字の画数を足して、1文字の数字として計算するんですか、………? 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうです、………
「若三杉」というのは、人の名前ではないので、姓と名の区切りがありません。
ですから、一字一字、切り離して見ることにしましたが、
「王貞治」というのは、姓名ですので、名字と名前の区切りで判断します。
まずは、………命星(人運)の部分を見ますと、………
「王」が5画、……「貞」が9画で、足すと、14画、………
これが「火」です、………火の陰、………
そして、次に、地星(地運)は、………
「貞」が9画、「治」が9画で、足すと18画、………
これが「金」、……金の陰、………
つまり、これで「火」と「金」の相剋になる訳ですが、……… 」
今井優子
「あの~~、「王」は5画、「治」は9画でいいんですね、………? 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうです、………
ややこしくて、本当に申し訳ありませんが、
今回は、紫微斗数の画数の数え方ではありません、………
普通の画数姓名判断のの画数で、数えます、………。
紫微斗数では、「王」は単純に4画、「治」は8画となりますが、
今回は、普通の画数算定で、「王」は5画、「治」は9画となります。 」
今井優子
「今の文字は、何か、昔の文字の流れからきている略字なんですよね、………? 」
カツ丼小僧
「そうそう、……そうなんだ、………さすがは、天才頭脳派女子、………
「王」は、本来は「玉(ぎょく)」であるから、5画、………
「治」の「さんずい」は、本来4画で、このブログで説明するのは難しいけど、
そういう形をした、字形だったんだ、………
皆さん、頭がいいから、こんなこと簡単にわかるよね、………? 」
志茂田景樹
「わははははは、………もちろんです、………
超天才頭脳の私には、目から鼻に抜けるように、あっさり理解しえます。 」
今井優子
「私も~~~~、簡単に、わかる、わかる~~~~~~、」
カツ丼小僧
「「目から鼻に抜ける」ですかぁ~~~、いいですねぇ~~~~~。
その言葉、……なんか妙に実感が湧いてくる言葉ですよ、………
そうですね、………これから、僕も、
「自分イコール目から鼻に抜ける程の、超頭脳の持ち主」と、
思うことにします、……… 」
今井優子
「私も~~~。」
志茂田景樹
「うん、いいね、いいね、………
そうやって、ジャンジャン習慣づけていこうよ、………。 」
カツ丼小僧
「それでね、………話を戻しますと、………
この相剋関係にあった、五行のぶつかり合いが、王貞治さんの、あれ程の
ホームランを量産した、という訳です、………
そして実は、日本プロ野球界のホームランバッター歴代2位の、
野村克也さんも、そうなんです、………
天運の「野村」は18画で金、………人運の「村克」は14画の火です、……… 」
志茂田景樹
「ふ~~~ん、………そうなんだ、………
「火」と「金」の繋がりは、本来は悪いんだけど、
時によっては、何らかの互助作用が起り、
爆発的に発展したりすることもあると言う訳だね、……… 」
カツ丼小僧
「そうなんです、………
ただ、安定性や持続性といったものには、どうしたって欠けますが、………
例えば、「土と火」「金と土」などといった、順応の配置ですと、
安定感があり、全てにおいて良好の状態ではあるんですが、
爆発的な飛躍性、といったものはありません、………
ある場合には、退屈感すらも生まれてくるかもしれません、………
ただ、「木」と「火」の配置は、安定の上、急伸性もあります、……… 」
志茂田景樹
「あららっ、……?
い、今、調べてみたら、僕の名前、………
天運の「志茂田」の23画と、人運の「田景」の17画の部分が、
「火」と「金」の相剋関係にある、………
こりゃぁ~~~、たまげた、………
も、もしかして、爆発的な飛躍性が僕にも、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……そうなんですよ、………超・大発明家の志茂田さん、………
偶発的にでも、突然変異的にでも、何かのきっかけで、
あなたの超頭脳から、偉大なる大発明品が飛び出てくる可能性が大です、……… 」