カツ丼小僧
「僕は、自分の事を、「史上最強の独裁者」だと、
もう、1ヵ月間以上、まるごと本気で、念じ続けて来ましたが、
この名称が、自分の下を離れていく事は、まだありませんで、
どうやら、定着していきそうな気配です、………。 」
今井優子
「うわぁぁ~~~~~~~~~っ、やったぁぁ~~~~~~~~~っ、」
志茂田景樹
「すっごぉぉぉ~~~~~~~~~~~~~~いっ、
……………いや、………凄い、! ! わははははは。 」
今井優子
「ムッソリーニの再来か、……… 」
志茂田景樹
「いやいや、………そんなもんじゃないよ、………
カツ丼さんなら、もっと凄い筈だ、………侮っちゃぁいけない、……… 」
カツ丼小僧
「ふっふっふっ、………
もう、僕は、想念の世界の中では、地球を呑み込み、
自分のものとしてしまいました、………
あとは、その現象が、現実のものとして、
目の前に現れることを、気長に待つばかりです、………。 」
志茂田景樹
「凄いなぁ、………果報は寝て待て、ですか、………
ところで、私、………
以前から、気になって、しょうがなかったのですが、
カツ丼小僧さんは、若い時は何をやっていたのですか、………? 」
カツ丼小僧
「何もやっていません、………
ただ、寝ていただけです、………。いつも、言ってるじゃありませんか、………。」
志茂田景樹
「……………? 」
カツ丼小僧
「つまり、本気で働いて、給与を得た事が、殆どないんです、………。
これが、どういう事なのか、わかりますよね、………?
史上最強、超頭脳、ウルトラ天才の、志茂田博士、……… 」
志茂田景樹
「え、……ええ、………
も、もちろん、いとも簡単に、あっさりと、わかりますよ、………。
超人の考えていることが、超人の私にわからぬ筈は、ありません、………。
え~~~と、………つまり、………
カツ丼小僧さんは、俗世間、俗社会とは、自分を隔離して、
人付き合いを、殆どせず、一人部屋の中で、ゴロゴロと寝転んで、
空想世界の中に浸って来た訳ですよ、………
それも、世界を一呑みにして、自分がその世界の独裁者、中心人物であることを
夢見ながらね、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、……まったく、その通りです、………
やはり、僕と博士は、以心伝心の仲だ、………ワンダフォーーーッ、! ! 」
今井優子
「私にも、実によくわかります、………。ラヴィン、ユーーーーーッ、 ! ! 」
志茂田景樹
「もし、………
カツ丼さんが、普通の人たちのように、若い内に実社会にでて、働いていたら、
どうなっていたのか、………
それは、まさしく、
カツ丼小僧さんの、想念の力が働かなくなることを意味しているのです、………。」
カツ丼小僧
「そうです、………。」
志茂田景樹
「たとえば、コンビニの店長でも、お寿司屋さんでも、サラリーマンでも、銀行員でも、
職について働いていれば、どうしても、一日中、その日の仕事の事を
考えていなくては、ならないのです、………。
仕事の最中に、安穏として、他の楽しく優雅な事を考え、空想の世界に浸っている、
などという事は、許されません、………
また、逆に言えば、毎日、その仕事の事ばかり考えているからこそ、
神により、その職が与えられているともいえるのです、………。
一見、どんな、ちっぽけで、つまらぬような仕事に見えたとしても、
毎日、その仕事の事ばかり考えていなくては、その務めを
キチンと、まともに果たすことは出来ないのです、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………その通りだ、………。
世の中には、片手間にやって、報酬をもらえる仕事なんてぇのは、存在しない。」
今井優子
「凄いぞっ、………
超人、志茂田っ、………頑張れぇ~~~~~~~~~~っ、」
志茂田景樹
「このような理由から、カツ丼小僧さんは、
神の意志により、あえて、職につけないようにさせられていたのです、………。
カツ丼小僧さんは、絵を描くこと以外は、何も出来ないようにさせられていました。
あ、……それから、もう一つ、………シコること、ですか、………
免許こそ持っていましたが、方向音痴で短気な性格のため、車の運転すらも出来ず、
実際に、今まで、一度も運転したことがありません、………
不器用な性格の上に、しかめっ面で才気もなかったので、
金儲けや人付き合いも、出来ません、………
このような人間は、一体、どうすればいいのでしょうか、………?
普通だったら、もう、汚いみなりで、ダンボール箱のルンペン、………
いや、……ホームレス生活を送り、最後はついに疲れ果て、
道の片隅で、グロッキー、………野垂れ死に、といったところなんでしょうが、
彼の場合は、幸運にも、父親からの金銭的援助がありました、………
そして、日々、なんとか食う事には困らない状態にあったのです、………。
それで、彼の、優雅で壮大なる、大瞑想人生が始まった、という訳です、………。
彼の想念力と、その内容は、30年もの年月をかけ、日に日にエスカレートしていき、
最終的には、世界の独裁者、といったところまで、行き着いてしまったのですが、
どうやら、その間に、彼は様々な教訓や知識を得たようです、………
●人間の人生というものは、もうあらかじめ決まっていて、
人間の手では、絶対に変えることは出来ないんだということ、………
●人生の先のことはどうなるか、
人間には、絶対に知ることは出来ないんだということ、………
●頭の中で思い描いたことは、その思いが、心の躍動感をもって、
長い事、継続し続けるのであれば、それと同じ分量だけは、
(形がいくらか変わることはあるが、)必ず叶うのだ、ということ、……… 」
カツ丼小僧
「うん、………さすが、天才・志茂田博士、………ありがとう、………
僕が、頭で思っていた事を、一分の間違いもなく、
そのまま、わかりやすく、伝えてくれた、………
この、「わかりやすく」、……といったところが、特に重要なんだ、………
あなたは、ついに、僕の脳内の一部となりました、………
これからも、よろしく、お頼みします、………
そうだ、………今度、ヤクルトを1本、奢りますよ、………
いや、……奢らせてください、………
本当は、タフマンがいいんでしょうけど、
僕は、今、生憎、金欠中なもんでして、………すいません、………。」
志茂田景樹
「わははははは、………そうかい、………?
ヤクルトかぁ、………まぁ、ヤクルトも嫌いじゃないけど、………
僕的には、白ブドウ缶チューハイが、良かったなぁ、………
ふふふふ、………以心伝心で、わかってくれるとも、思っていたけど、………
まぁ、金欠中じゃ、しょうがない、………
有難く、ヤクルトを頂いておきますよ、………
ヤクルトなら、おつまみも要らないしね、………ふふふ、……… 」
今井優子
「でも、そういうことなら、
カツ丼小僧さんの想念歴って、もう相当長いものになるわね、………
それだったら、願いは必ず叶うと思うわ、………
想念の力が、長期間、持続している訳ですものね、……… 」
カツ丼小僧
「そう、………
世界を驚愕させる、画期的な発明品だって、
もう、想念の力によって、とっくに作られているんだよ、………
あとは、時が来るのを待つだけ、………
そうだ、………つい最近なんだけども、僕の名称の一つに、
「世紀の革命児」という言葉を追加しておいた、………これで、ますます、……… 」
今井優子
「凄いわ、………やるじゃない、………
あなた言葉の発明家ですよ、………
そういう、壮大でスケールの大きい言葉ばかりで、自分の頭の中をいっぱいにして、
想いを盤石なものにしていくのね、………そして、きっとそれが、いつの日か、………
若返りの薬、………透明人間になる薬、………空を飛ぶ薬、………
千里眼、……透視能力、……テレポーテーション、………タイムトラベル、………
もし、この内の、どれか一つだけでも、達成できたら、………
これは、本当に凄い事ですよ、……… 」
カツ丼小僧
「うん、……そうなんだ、……そうなんだけども、……… 」
今井優子
「………そうなんだけども、………? 」
カツ丼小僧
「うん、……
またちょっと長くなるから、この続きは、また次回に、………
バッハッハ~~~~~イ、」
今井優子
「バッハッハ~~~~~イ、」
志茂田景樹
「バッハッハ~~~~~イ、」