カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 403

今井優子

「とに角、多幸感を持った、スケールの大きな言葉を、沢山作り上げて、

 それを頭の中で念じ続ければいいんですね、………。

 言葉や文字は絶対だという事を信じて、………。」

 

カツ丼小僧

「うん、………

 自分の頭の中を、まず、そういった、絢爛豪華な言葉だけにしてしまうんだ、………

 そして、それ以外の貧しい意味を持つ単語は、思い浮かべないようにする、………。

 できれば太文字ゴシック体の、迫力のあるダイナミックな字体がいい、……… 」

 

志茂田景樹

「ちょっと、カツ丼さんさ、………

 カツ丼さんが、最近、いつも頭の中で思っている言葉を、

 今、声に出して、言ってみてよ、………。」

 

カツ丼小僧

「うん、………

 最近は、どんどん、内容が限りなくエスカレートしてきちゃって、

 ちょっと、他人に言うのもはずかしいんだけど、………

 

 

 「史上最強の幸運児」、「史上最強の独裁者」、「史上最強の超人」、

 

 「地球を呑む」、「宇宙を呑む」、  

 

 

  ………などです、………。 」

 

今井優子

「うわぁ~~~、凄い、………。

 なんか、いきつくところまで、行っちゃった、て感じですね、………。」

 

志茂田景樹

「うん、………

 「史上最強の」っていうところが、いいね、………。

 だって「史上最強」ってことはさ、………

 人間の歴史が始まって以来、

 過去にそのような人はいなかったって、ことだからね、………。」

 

カツ丼小僧

「そうなんです、………

 とに角、言葉の選択というものは、慎重にやらなければならないんです、………

 言葉は絶対ですから、………

 

 例えば「勝一」っていう名前の人がいて、人は名前通りになるんだけど、

 この「勝一」、………

 果して、「勝って一番」なのか、

 それとも、「勝ちが一つだけ」という意味なのか、はっきりとはしません………。

 

 もちろん、名付け親の気持ちとしては、「勝って一番」という願いを込めて、

 その名前を付けたんでしょうけども、名付けの理由というものは、

 関係ないんです、………。出来上がった言葉が全てなんです。

 

 ですから、僕は、よく熟考した上で、「史上最強の」という冠をつけたんです。

 これでしたら、間違いありません、………

 あとは、この言葉が、僕という人間を見切って、僕から離れていかないように

 神に願って、本気で念じ続けるだけです、………。 」

 

志茂田景樹

「「地球を呑む」っていうのも凄いじゃない、………。

 よく、こんな言葉、考えつくね、………。」

 

カツ丼小僧

「ええ、……実はこれは、

 故・手塚治虫さんの、長編漫画のタイトルから拝借した言葉なんですけど、

 内容はとも角、これ以上スケールの大きい言葉は他にありませんよ、………。」

 

志茂田景樹

「内容はとも角、……というのは、………? 」

 

カツ丼小僧

「ええ、………

 だって、ただ「地球を呑む」という言葉だけでは、どういう理由で呑み込むのか、

 結果として、どう呑み込まれたのか、ということは、ハッキリとはしません、………

 

 地球を戦争の渦に呑み込んだのか、平和で呑み込んだのか、名声で呑み込んだのか、

 それとも、宇宙人やお化けが現れて、呑み込んだのか、………

 なんのことやら、わからないでしょう、………。

 ただ、スケールの大きな言葉、というだけです、………。」

 

志茂田景樹

「うん、……… そうだね、………。」

 

カツ丼小僧

「まぁ、それでも、この言葉からは、やはり「多幸感」というのは、

 十分に感じられます、………。

 でも、このようなスケールの大きな、違った言葉を、何十も、何百も、

 頭の中に詰め込んで、連結させることにより、イメージは、ハッキリとしてきます。」

 

今井優子

「う~~~ん、………

 私も、「世界一有名な歌手」という言葉を、頭に刻みつけたんだけど、

 やはり、これだけじゃ足りないんでしょうね、……… 」

 

カツ丼小僧

「そうだね、………

 やはり、その言葉の中には、「何で有名になるのか、」

 ということは、記されていないからね、………

 ひょっとして、犯罪を犯して有名になるのかもしれないし、………。」

 

今井優子

「や、やめてよぉぉ~~~~~~~~~っ、」

 

志茂田景樹

「わははははは。」

 

カツ丼小僧

「優子ちゃんも、僕と同じように、「史上最強の歌手」にしなよ、………

 やはり、この言葉だと、ほぼ、間違いがないと思うから、………

 あとは、言葉負け、位負けしないように、ただ、際限なく、寝ても覚めても

 この言葉を、本気で念じ続けるだけです、………。

 優子ちゃんには、「史上最強の歌手」になる、という欲望はありますね、………? 」

 

今井優子

「もちろん、……あるわ、………。」

 

カツ丼小僧

「それは、良かった、………

 ちょっと、しんどいかもしれないけど、頑張ってください、………。

 よく、欲望に振り回されてはいけないと言うけれど、

 欲望を持たなければ、人間、この世に生まれてきた意味がありません、………。

 

 人間は、死ぬ直前まで、上を見続けて、

 それで、根尽きて死んでいったっていいと思うんです。

 「夢なければ死を選ぶべし」です、………。

 人間、足る事を知ってはなりません、………。永遠に夢を追い続けるのです、………

 

 もちろん、夢を追いかけ、そのために、自己中になって、

 他人に迷惑をかけていいということではありません。

 そこのところは、十分注意して、……… 」

 

志茂田景樹

「そうだね、………

 偉大なる発明品は、偉大なる欲望から生まれるんでしょうよ、きっと、………

 さて、それでは、発明の話に戻りましょう、………。

 ワクワクしてきたなぁ、………

 それにしても、ボク、本当に若返る事が出来るのかなぁ、……… 」

 

カツ丼小僧

「若返りというのは、我々3人の共通の欲望、………

 いや、恐らく、世界全人類共通の欲望だから、もし、これに関する発明品を

 こしらえる事が出来たら、世界中から熱狂的に歓迎されるだろう、………。

 いや、それどころか、争奪戦や、いがみ合いがおこって、

 世界中がパニックになるかもしれない、………。

 

 でも、そのためには、コラーゲンだとか、美容整形だとか、化粧品だとか、

 肌のうるおいだとか、そんなレベルのものじゃダメだ、………

 細胞そのものが、すべて入れ替わってしまうくらいのもの、………

 いや、……もっといえば、新種のウルトラ・デラックス・スーパー細胞を

 生み出すくらいのものでなければ、……… 」

 

今井優子

「でも、それを可能にしたら、それって、魔法使いと同じじゃないですかね、………。」

 

カツ丼小僧

「うん、………

 世界最先端の現代高度科学・医学を持ってしても、

 それは、絶対に不可能のようにも思われる、………。

 だからこそ、魔術や呪文、方程式のような、原始的なやり方しか、

 方法がなくなってくると思うんだ、………。そして、想念の力、……… 」

 

志茂田景樹

「ふふふ、………

 「史上最強の超人」である、カツ丼小僧さんなら、それは出来ますよ、………

 十分、期待が持てます、………。」

 

カツ丼小僧

「お褒めに預かって光栄です、………。

 「超ウルトラ天才博士」であり、「史上最強の天才博士」の志茂田景樹さん、………

 必ずや、我々の偉大な発明品を完成させましょう、……… 」

 

志茂田景樹

「わははははは、………。

 これから、否定的な言葉を口にするのは、一切、やめにしよう、………

 お互いをほめたたえるような言葉で、会話を埋め尽くそう、………。

 体中から、歓喜のアドレナリンが、いっぱい湧き出てくるような、……… 」

 

今井優子

「それなら、私も、

 これから「史上最強の頭脳派女子」となって、発明づくりに協力します、………。

 なんといっても、「若返りの発明」作業ですからね、………

 やり甲斐があるわ、……… 」

 

カツ丼小僧

「うん、………そうだ、………

 我々は、超人なんだ、………もう、他の人間とは違う、………

 その3人が寄り集まっているんだ、………必ず奇跡は起こるだろう、………

 いや、奇跡なんかじゃない、………

 我々はもう、自分たちの輝かしい未来を、ワードで乗っ取ってしまったんだ、……… 」

 

 

   3人は円陣を組んで、大声で快哉を叫んだ、………