志茂田景樹
「カツ丼小僧さん、………
とにかく、一番肝心な事を忘れていました、………
発明品ったって、一体、何をつくるのよ、………?
そんな事だって、まだ、何も決めてないじゃない、………どうするの、? 」
カツ丼小僧
「どうするの、? って、……… わははははは、………
それは、欲望の命じるがままに、………。
超天才博士にも、欲望はあるでしょう、………。まずは、そこから、………。」
志茂田景樹
「う~~~ん、………そうだなぁ、……… う~~~ん、………
とにかく、まずは、若返りたいなぁ、………
そして、若くて綺麗な女の子を抱いてみたい、………。率直な欲望です。」
今井優子
「わぁぁ~~~~~~~~~~~っ、、、」
カツ丼小僧
「そうですね、………
それじゃぁ、優子ちゃんと博士、それに僕の、
3人の率直な欲望を紙に書いて、まとめてみましょう、………。
ウソはダメだよ、………本気の欲望だけ、……… 」
今井優子
「うん、……そうね、……それがいいわ、………。ふふふっ、……… 」
志茂田景樹
「よしっ、……やったるぜっ、………。」
3人は暫くの間、机の前に座って自分の欲望を熱心に、紙に書きとめていた。
そして、15分ぐらいたって、お互いの欲望を書き記した紙を見せ合った。
●志茂田景樹の欲望
若くて可愛い女の子とエッチしたい。
自らもまた、若返りたい。
マッチョになりたい。
キョンキョンと SM プレイをして、遊びたい。
キョンキョンの自家製アンドロイドをつくりたい。
小説同様、自らも探偵になって、難事件を解決してみたい。
病から回復したい。 健康体になりたい。 病気はもう、こりごり。
美味しい物を、たらふく食い続けていたい。
●今井優子の欲望
綺麗になりたい。 若返りたい。
角松敏生大先生とデートしたい。
死んでしまった飼い猫を蘇らせたい。
ミリオン・ヒット曲を出したい。
プール付きの大邸宅に住みたい。
●カツ丼小僧の欲望
健康になりたい。病気を治したい。スタミナが欲しい。
視力を回復したい。千里眼が欲しい。
スーパーマンのような超人になって、空を飛びたい。
透明人間になって、美女の寝室に忍び込みたい。
超能力者になりたい。透視。テレポーテーション。タイムトラベル。
若返りたい。頭が良くなりたい。
カツ丼小僧
「………ということなんだけど、………
まぁ、3人とも、若返りたいという願いは共通しているね、………。
優子ちゃんには、健康になりたい、という願望はないの、………? 」
今井優子
「いえ、……それは、ありますけど、………
今は、私、とりわけ体は、どこも悪くないから、………書くの忘れちゃった、……… 」
カツ丼小僧
「つまり、………
人間というのは、誰もが「幸福感」を求めて生きている訳だけど、………
それを、大麻や覚せい剤なんかに、頼ったりしちゃだめだ、………
法律がどうとかいう事以前に、やはり、多大な代償があるからね、………。
それでは、文字に頼る、という意味で観ると、………
「覚醒剤(覚せい剤)」は、漢字と平仮名とが両方あるから、
ここでは省くとして、………
「大麻」は字形で観ると、「大」は「食神星」、「麻」は「まだれ」が「天府星」、
「木」は「正財星」が2つで、素晴らしい大吉星ばかりで構成されているんだけど、
画数的には14画の凶、文字数は2文字の凶、という事で、ちょっと複雑です。
ただ、文字的に見た場合は、大麻は、左程悪い物とは思えません、………
確かに「覚せい剤」と「大麻」では、かなり害毒の違いがあるそうですが、………
もしかしたら、大麻というのは、多幸感を得られる上に害の少ない、……… 」
今井優子
「でも、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………
真偽の程はともかく、
つまらぬ事で警察のお世話になるのは、まっぴらですからね、………
もちろん、そのようなものは、吸引したりはしません、………
絶対に、ご法度です、………
だからこそ、発明品誕生の余地も、生まれてくる訳でして、……… 」
志茂田景樹
「多幸感の得られる言葉を吸引すればいいわけだね、………
例えば、どんな、………? 」
カツ丼小僧
「そうですねぇ、………
たとえば、最近、僕がよく、念じて吸引している言葉は、………
「大躍進」、「大出世」、「大富豪」、「大喜悦」、「大歓喜」、
「大拍手」、「大幸運」、「大善人」、「大福寿」、「大称賛」、
「大祝福」、「大満足」、「大家族」、「大笑い」、
………などです、………。 」
志茂田景樹
「わははははは、………。
確かに、見ているだけで、幸福が押し寄せてきそうな、字面だね、………
みんな、「大」がついている、………しかも、すべて3文字、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、………超天才博士、………
お褒めに預かり、光栄です、………。
さっきも言いましたけど、「大」は「財録・家財」を表す「食神星」です。
3文字というのは、幸運や軽快なリズム感、喜び、機智、明晰な頭脳、等を表します。
「大」をつけて、3文字にするとしないでは、随分と言葉の意味も変ってくるのです。」
志茂田景樹
「僕の称号「超天才博士」も、超、景気づいているね、………。」
カツ丼小僧
「ええ、………
もし、よろしければ、もっと景気づけて、
「超ウルトラ天才博士」とか、「史上最強の天才博士」とか、………
そのように、念じてもらえれば、もっと大きな効果がでるかもしれません。
………いや、出るでしょう、………間違いなく出ます、………。」
志茂田景樹
「「超」だとか、「ウルトラ」だとか、「スーパー」だとか、
壮大な冠をつけるといいんだね、………。」
カツ丼小僧
「ええ、……本当にそうなんですけど、………
でも、おそらく普通の人だったら、
そのような冠をつけるのは、なかなか容易な事じゃないと思いますよ、………。」
志茂田景樹
「どうして、………? 」
カツ丼小僧
「だって、いくら、そのような大仰な冠言葉をつけたところで、
もし、その人間に似つかわしくなければ、その言葉は、その人間に定着しません。
すぐに、その人間から離れていってしまうのです、………。」
志茂田景樹
「どういうこと、………? 」
カツ丼小僧
「う~~~ん、………
つまり、その人間が、念じる事に疲れちゃって、バカバカしくなったり、
いい加減、飽きがきたりもして、
その言葉イコール自分と考える事を、いつの間にか、やめちゃってるって、
ことですよ、………。」
志茂田景樹
「僕、大丈夫かなぁ、………なんか、荷が重いなぁ、………
「超ウルトラ天才博士」だとか、「史上最強の天才博士」とか、………
自分を半永久的に念じ続ける事が出来るだろうか、………? 」
カツ丼小僧
「いえいえ、………
志茂田さんなら、絶対に出来ます。自信を持ってください、………。
偉大な業績は、その仕事に携わった人間が、
自分に、どれだけ自信を持っているかで決まります。
そして、今まであり得なかったような、見た事もないような素晴らしい発明品を、
我々の手で作り上げてみせましょう、………。超ウルトラ天才博士、………。」
志茂田景樹
「へへへへ、………、よ、よせやいっ、………照れるなぁ、………
うふふふっ♡♡、………いや~~~、もっと言って、……… 」
今井優子
「カツ丼さんは、「独裁者」という言葉は念じていないの、? 」
カツ丼小僧
「いや、それもね、………つい最近なんだ、………
そのワードを本格的に念じる事が出来るようになった、………
つい最近、チャップリンの白黒映画、「独裁者」を観たんだけど、
ちょうど、その辺りから、………
今までも、たまに思い浮かんだりしてはいたんだけど、
すぐに忘れちゃったりして続かなかったんだけども、今回は続いている、………。
もしかしたら、来年あたり、何かあるかも、………。」
今井優子
「何って、………? 」
カツ丼小僧
「いやいや、それは、僕にもわかりません、………。
ご想像にお任せします、………
我々は、期待を持って未来に進んで行くんだけど、
先の事は絶対にわからないんだ、………。
今までも、予知はハズれてばっか、………。
ただ、病気だけが辛い、………
体中が、痛くてしょうがない、………。
神は何故、このような試練を、我に与え給うたのか、………? 神よ、………。」
今井優子
「自分を「超人」だと、思い続けたらどうかしら、………?
言葉に霊が宿っているというのなら、……… それが一番の特効薬、……… 」
カツ丼小僧
「あ、………それ、僕、最近、よくやっています、………。
わははははは、………。」
志茂田景樹
「わははははは、………の、わは。……… また、わは。」