カツ丼小僧
「おい、優子、………
まだ、帰ってもらっちゃ困るんだよ、………
俺をあんまり、嘗めるんじゃねぇぜ、………
ちょっと、こっちへ来てくれ、……… 」
今井優子
「な、……なあに、………? どうしたのよ、………? 」
カツ丼小僧は、ランジェリー姿の今井優子に、指で
「俺について来い、」というような合図を送ると、
ピンク部屋の、更に奥にある通路へと進んで行った、………。
急に、目付きが鋭く、口調や態度が乱暴になったカツ丼小僧に、
今井優子は、内心おののきながらも、彼の後に従って付いて行った
その細いピンクの通路の先の正面には、またピンクのタンスが置いてあったが、
そのタンスを横に押しのけると、これまた壮麗なピンクの隠し扉が姿を現した、
カツ丼小僧は、ゆっくりと、その重い扉を開けた、………
ガラ ガラ ガラ ガラ ガラ ・・・・・・
今井優子
「うわぁ~~~~~~~ぁぁ、……… 」
今井優子が驚いたのも無理はない、………
今度、目の前に現れた部屋は、前のピンクとはうってかわって、
全てが、渋みのある光沢を放ったライトブルーに統一されていた、………
そして、その大きな部屋の中には、沢山のSM用の大道具が置かれてあった。
凌辱・四肢X字枷、 背面拘束肛門晒し台、 凌辱・四肢拘束吊し台、
凌辱・M字開脚診察台、 お仕置きギロチンチェア、 フェアリーチェア、
すぐイクチェア、 宇宙遊泳チェア、………… etc. ………
そして、高い天井に取り付けてある滑車からは、
何本もの銀の鎖がぶら下がっていた、………
今井優子は、その荘厳ともいえる SM 器具に圧倒された、………
今井優子
「す、……すごいわ、………
こ、これ、……皆、SM の拷問器具なんでしょう、………?
こんな実物を、………間近で見たの、初めてだわ、………
きっと、高価な物なんでしょうね、………。」
カツ丼小僧
「うん、……そうだよ、………
どれも皆、普通に買えば、一台、2~30万円はする代物さ、………。
まぁ、僕にとっては、今、優子ちゃんが身に付けているランジェリーの方が、
よっぽど価値のあるものだけどね、………
今、その、優子ちゃんが身に付けている、ピンクのランジェリー、………
帰る時に僕がもらっちゃうからね、……… よろしく、………。」
今井優子
「うふふ、………
いいわよ、………こんなものでよろしければ、………。
あら、………? あそこに誰かいるわ、……… 」
今井優子は、部屋の片隅で、自分たちの方に背を向けて椅子に座り、
机の上に置いてあるパソコンの前で、せわしそうに作業をしている男を発見した。
男は、2人の存在に気付いたのか、椅子から立ち上がって、
クルリと、こちらを向いた、………。
「あっ、……… 」
今井優子は、絶句した、………。
その男の正体は、カラフルで、ファッショナブルな髪形と服装で、
いつも人目をひく、カリスマ変態エロ推理作家、志茂田景樹だった、………
とても現在、76歳とは思えない、若々しさだ、………
服装の色彩が、人を変えるのだろうか、?
それとも、まず性格があって、それに色彩が近づいてきたのだろうか、………?
彼は、ニヤニヤと不敵な笑いを口元に浮かべながら、
片手を軽くあげて、「よう、!」と叫び、
2人の方へ、歩み寄って来た、………
カツ丼小僧
「志茂田さん、………今日も、ここへ、………? 」
志茂田景樹
「あ、……はい、………。
あ、……今井優子さんですね、……… 麗しい方だ、………
ええ、……いつも座談会で、お姿を拝見しています、………
僕の推理小説、……読んでくれてるかな~~~~~~、はぁ、はぁ、はぁ、」
今井優子
「びっくりしましたわ、………なぜ、こんな所に、………?
今日は、いつにもまして過激なスタイルですね、………志茂田さん、……… 」
志茂田景樹
「うん、……皆ね、………そう、……うん、……
僕の名前に引っ掛けて、そう言うんだけどね、………
過激というよりも、ファッショナブルと言ってほしいんですよ、………。
それが、思いやりというもんじゃないかなぁ、………。」
今井優子
「でも、そのファッション、………いつも思うんですけど、………
今が旬のタレント、りゅうちぇるさんみたいですね、………。」
志茂田景樹
「な、……なにを言うんです、………失礼な、………
向こうの方が、僕に影響を受けて、勝手に真似をしたんです、………
本家本元は、僕なんですよ、………。
今度、著作権侵害と売名行為で、訴えてやろうかと思っているんです、………。
年寄りをバカにするのにも、ほどがある。」
今井優子
「い~~~え、………
私にとっては、りゅうちぇるさんなんかよりも、志茂田さんの方が、
ずっと過激、……いや、素敵ですわ、………ふふふ、………。」
志茂田景樹
「ありがとう、麗しの優子さん、………
今度、僕の手料理の、ニラレバ玉子焼きを御馳走しますよ、………。
楽しみにしておいてください、………。」
カツ丼小僧
「ところで、志茂田さん、………
今日は、ここで、何の作業をしていたんですか、………?
志茂田さん以外、誰もいないようですし、SM プレイではないようですね、………。」
志茂田景樹
「うん、………
ネットで、アイドルのアイコラ作りをやっていたんだ、………。
実に面白い、………年甲斐もなく、つい熱中しちゃって、………
それに僕のアイコラ歴は、結構長いんだよ、……うん、……。
今は、とてつもなく、素晴らしい物が簡単につくれるからね、………
ちょっと、妄想を逞しくすれば、………
もう、楽しくて楽しくてしょうがない、………
キョンキョンが好きでね、………フカキョンじゃないよ、………
キョンキョンだよ、……キョンキョン、………
よく、カラオケなんかでも、
小泉今日子の♪「なんてったってアイドル」を歌ったりもするんだけどね、………
今さ、……ロシア女性の豊満な、大股開き色白ボディーと、
キョンキョンの、………いや、……アイドル時代のキョンキョンじゃないよ、………
今のキョンキョンだよ、………今のキョンキョン、………うふふっ♡♡、………
今のキョンキョンの顔と、ロシアン女の体を合体させてさ、………
ちょっと、面白くて、いやらしい合成写真を作ってみたんだ、………。
ほら、これ見てよ、………。 」
志茂田景樹は得意そうに、数枚の合成写真を2人の前に広げて見せた。