カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 353

高塚光

「つまり、………

 人間の行動が、神の意志によって、支配されているというのなら、

 当然、その行動を動かしている頭脳まで、神に支配されているという事になる。

 

 自分が、これを美しい、だとか、嫌いだとか、あの人の傍にいたい、………

 という感情までもが、実は自分のものではなく、

 神の創造であったということか、………

 しかし、こんな摂理を、突然説かれたところで、

 一体、誰が実感として理解できるだろうか、………? 」

 

小池栄子

「うん、……… 」

 

高島礼子

「それなら、私が、松平健さんに好意を抱き、尊敬しているのも、

 実は私の、自分の感情ではなく、神の創造だというのね、……… 

 

 それじゃぁ、なんなのよ、………

 私たちは、ただの、神の操り人形ってことになるじゃないの、……… 

 自分の意志や感情が、実は自分のものじゃないなんて、………

 そんな事、考えたくもないわ、……… 」

 

志茂田景樹

「うん、……わかる、………。君の気持ち、………。

 松平さんを、愛していたんだね、………

 ラブリー、フォーエバー、……… 」

 

松平健

「……………。」

 

カツ丼小僧

「高島さん…… シラケさせちゃってすいません、………

 ……… でも、真実なんです、………

 高島さんの心を、今すぐにでも、松平さんを、吐き気を催すほど嫌いにし、

 僕の事を、オマ○コを広げたくなる程、好きにすることは、

 神にとっては、たやすいことなんです、………

 

 でも、よく考えてみると、自分の体にしても、行動にしても、

 全てが決まっている訳ですから、心と体を切り離して考えることも出来ない、………

 そこに、何か普遍的な一つの統一性、法則といったものがあるんです。

 

 自分そのもの、全てが神の一部だと理解した方がいいのではないでしょうか、? 」

 

高島礼子

「……………。」

 

やくみつる

「ところで、カツ丼小僧さんは、一体、いつ頃から、

 そのような、とほうもなく深遠な思想を持つようになったんですか、………? 

 偉いなぁ、………。

 これじゃぁ、あなたの事を、ワイドショーで批判したり、

 漫画で茶化して、コケにすることも出来ない、………。

 プロボクシングの亀田三兄弟なんかとは、偉い違いだ、……… 」

 

ガッツ石松

「おい、……やくさん、…… それを言うなって、……… 

 また、オヤジから、イチャモンつけられるぞ、………。」

 

一同

「わははははは。」

 

カツ丼小僧

「ええ、……

 僕がこのような考えを抱くようになったのは、ちょうど大学受験に失敗した、

 20歳ぐらいの時からです、………。

 筒井康隆さんの、七瀬三部作の一つ、「エディプスの恋人」という

 小説にも、影響されています、………

 

 まぁ、ちょうど、SM にも興味を持って、白金のオンボロ下宿アパートで、

 SM 小説を、貪り読んでいた時代でもあったんですがね、……… 」

 

やくみつる

「哲学者のような神秘思想と、SM が、両立するんですか、………

 偉いなぁ、……… さすが、カツ丼さんだ、………

 これじゃぁ、ますます、ワイドショーで批判も出来ない、……… 」 

 

カツ丼小僧

「僕の頭の中は、哲学と SM が、ごちゃ混ぜになっているんですよ。」

 

一同

「わははははは。」

 

小嶋陽菜

「そんなことって、あるの~~~、? 」

 

マツコ・デラックス

「あり得ないわよ、………いやだわ、………。」

 

カツ丼小僧

「最初の頃は、自分の感情や意志が、実は自分のものではなく、

 この世の管理者である、神のものなんだ、と知った時、

 その驚愕と戦慄と孤独は、恐るべきもので、

 自分としては、即座には受け入れがたいものでした、………。

 

 そして、更に進んで、感情や意志だけではなく、自分の行動、………

 いや、自分の体や、この世に存在している万物、全てが神の創造で動かされている

 と知った時は、何か心臓が締め付けられるような、胸苦しい気分になって、

 外に飛び出して、大空に向かって、「ワァァ~~~~~~~~~~ッ、」と、

 叫び出したくなりました、……… 

 

 そういう事だったら、今、自分が存在している、この世界というものは、

 現実ではなく、虚構ということになってしまい、自己というものすら、

 完全に崩壊してしまう、……… 」

 

松坂慶子

「そう言う事なら、本当に孤独だったと思います、………。

 でも、それは、カツ丼さんの、ひとりよがりな妄想では、ないんですか、………? 

 カツ丼さんは、本当に思い込みの激しい方ですから、……… 」

 

市川海老蔵

「あんたね、………若い内から、ブラブラして、定職にも就かず、

 時間を無為に、過しているから、そういうつまらない考えに、

 憑りつかれるようになるんだよ、……… 

 俺なんか、忙し過ぎて、そんなこと考えている時間なんかないよ、………。」

 

カツ丼小僧

「ええ、……僕もそう思います、………。

 本音を言えば、僕も海老蔵さんみたいに、若い内から、第一線で、

 バリバリ仕事をして、仲間と人付き合いなどもして、

 周囲から、大いに注目されるスター人生を、歩みたかったんです、……… 

 

 僕は確かに、若い内から仕事もしないで、親の金で遊んでばかりいました、…………

 途中からは、人と一緒にいるよりも、1人でいる方が、

 よっぽど、気楽で呑気だ、などとも思うようにもなりましたが、……… 

 まだ、若かったからなんだと思います。

 でも誰が、若い内から、

 そんな風に無為に遊んでばかりいたいなんて、考えますか、………?

 普通に考えれば、そんなことを望んでいる人間なんて、誰もいないと思いますよ。

 

 もう、その時の状況で、どうしようもなかったんです、………

 実際は、仕事が欲しくて欲しくて仕方がなかった、………

 こんなんじゃ、人とまともに、顔を合わす事すら出来ない、………

 会話も出来ない、………

 という事で、顔は青白く、表情はなく、能面のように

 固まって、のっぺりとしてしまいました、………

 もう、顔の筋肉すら、容易に動かない、………

 

 競馬や競艇に行って、1人遊んでいる時も、心の中はもう空しくて空しくて、

 しょうがなかったんですよ、……… 

 逆に言えば、何もすることがなかったので、空虚な心を満たすために、

 いやいや無理をしてでも、遊んでいたともいえるんです、……… 」

 

徳光和夫

「職に就かなかったという、その理由がわからない、………。

 私だって、一生、競艇場で遊んでいたいですよ、………。

 私の夢は、競艇の、レース予想屋になることなんです、………。」

 

カツ丼小僧

「漫画家として、生計を立てることしか、考えていなかったんです、………

 それはもう、異常な程に頑なでした、………

 「漫画家だっ、漫画家だっ、……… 

  何がなんでも、漫画家だっ、」ていう感じでね、………

 頭の中は、ガッチガチに凝り固まっていたんです、………。

 それ以外の職など、考えも及ばなかった、………。」

 

つのだじろう

「僕の漫画、「その他くん」の影響だよ、………

 僕も、若い内はそうだった、………硬直で生真面目を絵に描いたような人間だった。

 まぁ、僕の場合は、運よく、すぐに漫画家になれたんだけどもね、………

 いや、運よく、というよりも、才能があったんだよね、……… 」

 

カツ丼小僧

「少年雑誌の漫画家なんて、あれ程、才能や体力が必要とされる職業に、

 こんな、バカで貧弱な人間が、本気でしがみついて、なろうとしていたんだから、

 もう、無謀としかいいようがないんですよ、………

 「井の中の蛙、大海を知らず、」です、………

 まさしく、「その他くん」の主人公、君輪園太(きみは・そのた)そのものです。」

 

つのだじろう

「君は、……その他くんっ、……… 」

 

一同

「わははははは。」

 

カツ丼小僧

「ええ、……でも、若い時は、否定的な考えは、一切していませんでした、………

 そのまま 32 歳まで、出版社に漫画の原稿の持ち込みを続けていたんです、………。

 殆ど、採用もされぬまま、12 年間ぐらい、……… 」

 

一同

「えぇ~~~~~~~~~~~~っ、 ???!!! 」

 

カツ丼小僧

「前にも話したような気もしますが、

 その後も、エロイラストが投稿雑誌に採用されるまで、

 7年間は、ペンを握っていませんでした、………

 のらくらして、遊んでいてばかり、………

 平和島や江戸川の競艇場に通いだしたのも、その頃からです、……… 

 

 本当の事を言うと、52 になる今の今まで、定職にはついていません。

 というより、働いて報酬を得てはいません、………

 果して、これが人間の人生といえるのか、どうか、……… 」

 

一同

「……………。」

 

志茂田景樹

「カツ丼小僧さん、………そう落胆することも、ありませんよ、………

 よろしかったら、僕の体で、暖めてあげましょう、………。」

 

韮澤潤一郎

「うん、僕も、そう思うよ、………

 世の中、色んな人がいて、いいんじゃないかな、………

 カツ丼小僧さんのような人生も、アリだと思うよ、……… 」

 

大槻義彦

「そんな、……あんた、………

 親や他人に、甘えてばっかりじゃダメですよ、………。

 ちゃんと、真面目に働きなさいよ、………

 そんなんじゃぁ、「二宮尊徳の法則」に、反するよ、………。」

 

カツ丼小僧

「ええ、……それでね、………

 話を、最初の哲学のところに戻しますとね、………

 何故、神は、人生の前半生に、こんな空虚でいたらない年月を

 自分に与えたかということなんです、………

 

 もう、自分の人生ですからね、……… 出来れば、否定したくはない、………

 いろいろ考え、試行錯誤し、悩み続けましたところ、………

 一つの、まるで、当たり前すぎるくらい、当たり前の結論に到達したんです、……… 

 

 それは、こういう哲学的思想を、

 どんな、くだらない、ちっぽけなことでもいいから、半永久的に、

 考え続けるだけ、考えてみなさい、………

 という、神の意志ではないかと思うんです、………。

 

 現代は、高度経済成長期の昔と違い、

 ただ、がむしゃらに、働きづくめに働くことが、美徳という時代では

 なくなってきました、………。

 

 「ニート」なんて言葉も出て、僕のようにブラブラして過ごしている人たちも

 大勢いる時代です、………。

 つまり、時代の方が、段々と、僕に近づいて来ているんです、………

 

 僕が子供の頃だったら、働いていない、なんて、それはもう、

 ただただ、他人から軽蔑のマナコで見られるだけで、肩身の狭い思いだったんです。

 あの時代で、こういう状態だったら、本当に辛いと思いますが、……… 」

 

大槻義彦

「でも、あんた、………

 何も働かないで、のんびり、ゴロゴロ、空想の世界に浸っていていいっていう

 法則が、一体どこにあるの、………? 

 

 物理の世界には、そんな法則、一切、存在しませんよ、……… 

 ニートなんて、我々からすれば、屁のカッパですよ、………

 ちゃんと、納得のいく説明をしなさいよ、………。」

 

カツ丼小僧

「ええ、………そうですね、………

 ところで、教授、……… 僕が、姓名の持つ魅力に憑りつかれ、

 姓名判断に興味を持っているのは、御存知ですね、………? 」

 

大槻義彦

「ええ、……知ってますよ、………。

 あんた、いつも、「名は体を表す」って、言ってるじゃないの、……… 

 ………あ、…………… 」

 

カツ丼小僧

「ええ、……そうなんです、………

 それで今回は、少し異例なんですが、自分の本名を持って、

 僕の人生を、解明してみることにします、……… 」

 

大槻義彦

「……………。」

 

刀根麻理子

「カツ丼さん、……頑張って、………。」

 

松坂慶子

「カツ丼さんっ、……… 」 

 

カツ丼小僧

「僕の本名は、もう既に公開してありますので、皆さん、知っていると思いますが、

 「高野 哲(たかの・さとる)」です、……… 

 

 つまり、この名前を自分なりにイメージしてみますと、

 僕が「高」い場所にある、「野」原の上で、ゆったりと「哲」学的思想に耽っている、

 という、牧歌的な、絵画的構図が浮かんできます、………。」

 

 高い野原ですから、一般の俗世間とは、ちょっと離れた、やや隔絶された所にいる、

 と解釈できます、………

 それで、「さとる」、………

 つまり、そこで、哲学の「悟り」を開いた、……という事なんです、……… 」