カツ丼小僧
「皆さん、お待たせしました。
今日も、またまた恒例の、大橋巨泉さんの「今週の遺言」です。
今週号(3月5日号)の「週刊現代」、96 ページをお開きください。
見出しには、
「パワーの落ちたアスリート
技術の伴わない音楽家が手を染める覚せい剤は病気だ 」
………と、あります。………
クスリの話ですね。
それでは、巨泉さん、早速、お願いします。 」
大橋巨泉
「うん、………
「最低でも議員辞職」、「議員やめますか、それとも人間やめますか、?」
これらは、いわゆる育休議員の、自民党・宮崎謙介代議士の事件に対する
このコラムのタイトルだった。
事件発覚直後、ウソをつき、マスコミから逃げ廻る宮崎議員の姿は、
ゴマ化し通そうとする意欲満々だったからである。
しかし、記者会見であっさり辞職してしまったので、
これらは結局、タイトルにならなかった。 」
ビートたけし
「おいらも、あの会見見たけど、あれは茶番劇以外の何物でもなかったぜ。
なんであんなに力が入って、かしこまっちゃってるんだろう。
一般人だったら、これ程の問題にはならなかったろうに、………
「世界中の皆さんにご迷惑をかけた、」なんて、ワケわかんないよ。」
佐々木恭子
「ええ、…… 確かに顔も緊張からか、すごく強張って見えましたね。」
菊川怜
「野々村竜太郎議員の会見の時は、………
記者会見にも、人それぞれ、カラ―がでますね。 」
小倉智昭
「あれは、もう、会見と言えるものですらなかったけどね。」
松本人志
「ガキの使いやあらへんで ! ! 」
一同
「わははははは。」
大橋巨泉
「当然と言えば、当然なのだが、
この男には、「実」とか、誠実さというものがミジンも感じられない。
奥さんに「恥をかいていらっしゃい」といわれたのに、
必死になって、取りつくろう姿は、逆効果以外の何物でもなかった。
宮崎君、君が考える程、カメラは無用ではなく、マスコミは優しくない。
芝居をすればする程、真意がばれるし、
テレビは「お辞儀○回」「ため息○回」などと報告した。
日曜昼の番組で、和田アキ子が「ため息」の真似をして大受けをとっていたが、
あれが、予測できなかったかね、? 」
和田アキ子
「ははははは……… 。あれは、誰だって、真似してみたくなるよ。
彼って、妙に神妙で、かしこまっていたからね。
テレビで謝罪する時は、どうしても、ああなっちゃうのかね、?
でも、あれは、ポーズだけ、………
言ってる事と心中は、かなりの誤差があると思うよ。」
カツ丼小僧
「なんといっても、多くの人たちの見ている前ですからね。
テレビというのは怖ろしい………。 その人間の人柄をそのまま映し出しますよ。
晒し者です………。
僕も、自身の動画で、自分という人間が、他人の目に
どのように映っているのか、本当に気掛かりです。」
江川卓
「僕も、かつては酷い目にあわされました。
「空白の一日」。……文字通り、あの日は頭の中が、真っ白になりました。
もう、今の若い人は知らないから、あまり蒸し返したくないけど、………
運命の歯車が狂いだした瞬間でした。
本当は僕の知らない所で、勝手に動いていたんです。」
カツ丼小僧
「でも、あの時、江川さん、ふてくされていたような感じで、
謝罪しては、いなかったような気もしましたが、………
度胸が、ありますねぇ、……… まさに怪物ですよ。
僕だったら、ヘラヘラして、頭下げてると思います。」
江川卓
「いや、この話は、もうよしましょうよ。」
一同の半分
「わははははは………。そうだね~~~。それがいい。」
一同の、もう半分
「え~~~っ、何の話~~~? 知りたぁ~~~い。 」
大橋巨泉
「一番説得力があったのは、本会議場から、スキを見て全力疾走した姿で、
あれが出てしまっては、何をしてもムダだ。
ただ「申し訳ありませんでした。議員辞職して責任を取ります」というだけで、
あとは記者の集中攻撃に事実だけ答えれば良かった。
今は何をしても無意味だ。
一番滑稽なのは、彼が良かれと思った選択が、実は最悪だという事だ。
「離婚はしない」「一生かけて妻と子供に尽くしてゆく」のは、難事である。
何をしても、この大報道は、半永久的について廻る。
尽せば尽すほど、妻や子供には、マイナスに働くだろう。
酷な言い方だが、正解は贖罪のため、自ら離婚して、慰謝料と養育費を払いつづけ、
母子の前から姿を消すこと。
B案は、完全な”主夫”となって、家事に専念する事だろう。 」
カツ丼小僧
「かなり、厳しいですね。 夢のあとの代償は大きかったという訳ですね。」
郷ひろみ
「僕も、いろいろあったけど、今は、可愛い若妻と一緒に暮らしてる。
政治家だったら、どうなっていたかとも思うけど、
昔の芸能人は、スキャンダルだって、芸の肥やしになったから、……… 」
カツ丼小僧
「でも、石田純一さんと東尾理子さんとか、
最近では、ベッキーとゲスの極み乙女のボーカルとか、………
芸能人だって、結構ツケは大きいような気もしますが………。 」
マツコ・デラックス
「あら、石田純一は、キチンと乗り切ったじゃない………。
ベッキー騒動は、清原が揉み消してくれたようなものだし、………
なんだかんだで、うまくいっちゃうもんなのよ。」
カツ丼小僧
「マツコさんの、東スポの”すっぴん髭騒動”も、もうすっかり、忘れられています。」
マツコ・デラックス
「あんたさ、それとこれとじゃ、話が全然違うでしょう、………
一緒にしないでよ、………
それにしても、マスコミの人達、「持ちつ持たれつ」って言葉を知らないのかしら。
あんな写真、大々的に掲載してさ、……… いやぁ~~ねぇ~~。 」
一同
「わははははは。 ひょんな所で、思い出しました。」
大橋巨泉
「いずれにしても、芝居っ気を捨て、
本当に「恥をかく」気になることだが、易しい事ではない。
易しくないといえば、
元プロ野球選手、清原和博君の未来も、難事中の難事だ。 」
桑田真澄
「あ、あの、……も、もう、その話は、……… 」
大橋巨泉
「麻薬とか、薬物とか、十把ひとからげに語られるが、
覚醒剤とマリファナでは、月とスッポンほど違う。
断言するのは、俺は、覚醒剤が合法だった時代に生きた、ほぼ最後の世代に属し、
マリファナを吸引した経験があるからだ。
今でも、ハッキリ覚えている、………
早大を受験しようと勉強をしていた高校3年時の昭和26年(1951年)に、
「覚せい剤取締法」が出来るまで、日本国では、覚醒剤は認められていた。
つまり、薬局へ行けば、売っていたのである。
あの頃は、覚醒剤などとは言わず、ヒロポンと呼ばれていた。
たしか薬の名前は、「(ネオ)アゴチン」とか言った筈である。
ビートたけし
「あごにチ○ポが生えているから、アゴチン。」
一同
「わははははは。」
ビートたけし
「そうなんだ………。
おいらは、十数年、巨泉さんよりあとの世代なんだけどさ、
芸人なんかでも、まだ楽屋なんかで、覚醒剤を吸引している奴は、いっぱいいたよ。
ちょうど、おいらが、この世界に飛び込んで来た時あたりから、
みんな、止めだす奴が増え始めて、………
だから、おいら、本当に運が良かったと思うんだ、……… 」
大橋巨泉
「うん、………
それから、受験勉強に便利だからと服用していて、
すすめてくれた上級生や同級生は、結構居た。
これを服用すると、眠くならず、徹夜しても頭がハッキリしているなどと
言っていたが、俺は到頭使わなかった。
理由は、自伝などに書いたように、英語力と「ヤマをかける」事に
賭けるしかない状況にあったからである。
そのうち法律が出来て、非合法になり、早稲田も合格して、
俺は、幸運にも一度も使わずに済んだ。
これを幸運と感じたのは、数年経ってからの事である。 」
カツ丼小僧
「はい、巨泉さん、今回も、ためになるお話、ありがとうございました。
この続きは、次回お願いします。
それでは、今回の座談会は、これで終了という事にします。
皆さん、ごきげんよろしゅう。また逢う日まで、……… 」
きゃりーぱみゅぱみゅ
「バッハッハ~~~~イ。」