カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 279

カツ丼小僧

「はい、それでは、前回の続き、………

 「今週の遺言」です。 巨泉さん、お願いします。」

 

大橋巨泉

「はい、それでは、始めます、………

 

 オークランドの若者とは反対に、日本では、年寄りがバスに乗って来ても、

 無視して、座ったままゲームをしている若者が目立つ。

 こんな事に、貴重な若い時間を使ってしまって、国の将来は「暗い」の一言だろう。

 

 勿論、俺が極端な「ゲーム嫌い」の故もある。

 若い頃から読書は好きだが、

 フィクションーーー特に推理小説などーーーは読まない事になっていた。

 

 理由は簡単、どんなに複雑な推理小説だって、結末(犯人)は、作者が知っているのだ。

 すでに解っている人が居るのに、それを追認する作業が、「時間のムダ」に思えて

 仕方がなかった。」

 

カツ丼小僧

「巨泉さん、話の腰を折ってすいませんが、

 僕が子供の頃読んだ、長谷川町子さんの「いじわるばあさん」という4コマ漫画で、

 

 いじわるばあさんが、近所の男に、「この推理小説、面白いから読んでみな。」

 と言って、1冊の本を与えたんですが、その男が、家に帰って、布団に潜って

 その本を読んでいると、本の途中、半ばか、おそらく犯人明かしの一歩手前の、

 クライマックスあたりの所だったんでしょうが、本の中に、サインペンだか何かで、

 人の名前が輪で囲ってあって、棒で矢印がついていて、その先に「この人が犯人」と、

 記してあったんです。

 

 推理小説の一番いい所で、犯人をバラされて、

 その男は、どういう気持ちだったんでしょうねぇ。

 一体、今まで、何のために、その本を読んできたのか、……… 」

 

大橋巨泉

「わははははは。 

 でも、それこそ、筋書きのないドラマの最たるものだ。いいじゃないか。

 

 だから俺が読むものは、ノンフィクションか、フィクションでも謎解きではなく、

 文章の巧さや、内容の豊かさで読ませるものを選んだ。

 面白い話がある。

 

 わが国有数の推理小説の名手だった、故・佐野洋さんと、ある時期、

 競馬とゴルフを通じて、親しくさせていただいていた。

 わが女房は、俺と正反対で、フィクションが大好きで、いつも競馬場で読んでいる。

 

 佐野さんは「奥さん、よろしかったら、ボクの旧作、みんな差し上げますよ。」と言う。

 そしてある時、何十冊という御著書を送って下さった。

 さすがの女房も読破するのに2年ぐらいかかったが、俺は一冊も読んでいない。」

 

カツ丼小僧

「僕は、頭が鈍くて、本を読むのが、滅茶苦茶ノロい、………

 その上、読んでいる内に、他の雑念が入って来て、いつも読む事に集中できない。

 

 僕も、巨泉さんと同じで、フィクションよりも、ノンフィクションが好きなんですが、

 眼も極度に悪いので、最近では、というより、もう10年くらい前からでしょうか、

 本は「自己啓発本」のものしか読んでいません。あ、あと、エロ本も、……… 」

 

大橋巨泉

「俺の「今週の遺言」を読んでいるじゃないか、……… 」

 

カツ丼小僧

「!」

 

一同

「わははははは。」

 

カツ丼小僧

「ネットのウィキペディアで、たった今、面白い事実を発見しました。

 

 佐野洋(さの・よう)さんは、25歳の頃、読売新聞社に入社したそうですが、

 当時、兼業作家でもあったので、ペンネームを「社の用」にかけて、

 付けたのだそうです。」

 

中村玉緒

「でも、何故、巨泉さんは、フィクションや推理物は、お好きではないのですか、? 」

 

大橋巨泉

「うん、そのことについて、佐野洋さんと話し合った事はある。

 

 俺にとってゲームとは、まさに、競馬やゴルフ、

 マージャン(インフレ・ルールを除く)であって、

 筋書きのないドラマである必要がある。

 

 ほぼ実力通りに終る、囲碁・将棋と、

 100%スペキュレーションの、宝くじやロトの中間にあるものだ。

 佐野さんのような緻密な頭脳も、これに惹かれ、このために悩むのだと知った。

 

 ゲームは息抜きである。

 国民や若者が、街中で夢中になる種類のものではない。

 そんな国の将来は、明るくない。

 

 今の日本を見ていると、国民はゲームに夢中になり、

 極く一部の階級が、兜町で「株取引」という、巨大なゲームに、操り、操られしている。

 

 ただ何だか解っている結末に対して、空しく動いているに過ぎないのではないか。

 

 近づいてくる死に直面して、そんな思いに捕われる、今日この頃である。 」

 

 

カツ丼小僧

「はい、巨泉さん、お疲れ様でした。本日の座談会は、ここまでです。」

 

刀根麻理子

「ほ、本日の座談会って、今回は、まだ誰も喋っていないわよ~~~。」

 

松坂慶子

「ねえ、……… 」

 

カツ丼小僧

「ええ、でも、今日(2月1日)は、前回の分も合わせて、2回ありました。

 でも、喋り足りない人がいれば、どうぞ。 」

 

廣瀬浩志

「麻理子、……… 」

 

高内春彦

「慶子、……… 」

 

デヴィ夫人

「ほほほほほ………。いやですわ、この方たち、……… 

 何をノロけているんでざんしょう。」

 

青田典子

「ああ、……玉置さんの、カ、ラ、ダ、……… 」

 

中田有紀

「おはよ~~~ん! ……… は、去年で卒業しました。」

 

一同

「えっ、?」

 

カツ丼小僧

「ええ、そうだったんですね。 ビックリしました。

 最近、殆どテレビを観ていないもんで、………

 去年の夏に、もう既に入籍を済ませ、……… 

 それから現在、お腹に、第1子を、……… 」

 

中田有紀

「うふふっ♡、そうなんです。 」

 

一同

「あ~~~~~~~~~っ、(落胆の声)」