カツ丼小僧
「え~~、しばらくぶりです、………
皆さん、今週号(10月10日号)の「週刊現代」、90ページをお開きください、」
大橋巨泉
「おっ、…… 今度こそ、俺の「今週の遺言」だな、……… 」
一同
「わぁぁ~~~~~~~~~っ、」
カツ丼小僧
「そうですね、……… 本当に久しぶりです、………
大橋巨泉さんの「今週の遺言」、………
見出しには、
「白鵬の力は衰えているか、?
数の力に驕った安倍首相は、”裸の王様”になって行く、」
………と、ありますね、……… 」
大橋巨泉
「うん、………
先日、車に乗ると、大相撲をやっていて、「白鵬休場」が大きな話題となっていた、
…………… 」
白鵬翔
「そうなんです、………ちょっと、体全体の調子が悪くて、……… 」
大橋巨泉
「初日、隠岐の海、二日目、嘉風と連敗し、三日目から休場という、……… 」
白鵬翔
「はい、……… 」
大橋巨泉
「ふと、先場所の事を思い出した、………
先場所は、初日、二日目と連勝したが、その内容は白鵬らしからぬもので、
下位の者に喰い下られ、長い相撲の結果、何とか勝った、という印象だった、………
NHK解説者である舞の海が鋭い発言をした、………
「………それと、白鵬の力が衰えている、ということですね、」
俺もまったくの同感で、さすがの大横綱も、30代に入って、
ターニングポイントを迎えたと感じた、……… 」
白鵬翔
「……………。」
北の湖敏満
「……………。 ごっつぁんス、……… 」
大橋巨泉
「しかし、その後、白鵬は立ち直り、
通算35回目、という最多記録で優勝を果した、………
問題は、その後である、………
優勝の感想を聞かれた横綱は、
「………それと、”力が衰えた”と言われたので、そうでない所を見せた、」
という内容のコメントを発した、
そして、翌日の新聞によると、それを聞いた舞の海が陳謝したという、………
その瞬間に俺は、
「日本は戦前と変っていない、………
表現の自由、言論の自由は、何処へ行った、?」と、感じた、………
これが、民主主義の発達した欧米なら、絶対に起らない、………
考えてみると良い、………
舞の海の発言は、解説者としての発言であり、
それに発奮して優勝した白鵬もまた、立派である、
問題は、舞の海が「あやまった」事である、………
そんな必要は毛頭ないし、あのメンバー相手に優勝したからといって、
白鵬の力が”衰えていない”という証拠にはならない、
俺は、全勝して当然と考えていたから、
白鵬の力は衰えて来ていると、信じていた、……… 」
白鵬翔
「……………
ごっつぁんです、……… 」
一同
「わははははは、……… 」
大橋巨泉
「問題は、舞の海が謝らざるを得ないような空気が、
相撲界(マスコミ界を含めて)にあった、という事だ、………
俺も若い頃、ジャズ評論家をしていて、歯に衣着せぬ発言をすると、
「生意気だ、」とか、「自分で吹いてみろ、」などと非難された、………
勿論、俺は謝った事などないし、堂々と反論して、のし上がって行った、……… 」
カツ丼小僧
「でも、巨泉さん、………
舞の海さんって、現役最高位、小結の人ですよ、………
そんな人が、軽々しく、横綱の権威を落とすような事を口に出来るんでしょうかね、?
僕だったら、そんな事、恥ずかしくて中々、言えませんよ、……… 」
ビートたけし
「おいらもそう思うぜ、………
現役時代、小結までの人だったら、それ以上の位の力士の批判はしちゃいけない、」
大橋巨泉
「でも、たけしさ、………
そんな事言ったら、この世に批評や評論は、なくなってしまうよ、
本当の力の衰えというものは、実は本人にしか解らないものなんだ、
1980年の夏の札幌で、俺は巨人の一塁手で、長年の親友、
王貞治とビールを呑んでいた、………
ワンちゃんが言った、………
「巨泉さんだから言いますが、ボク、今季限りで現役を退くつもりです、」
「えっ、? まだ打ってるじゃないの、」と俺、………
「いや、外眼(そとめ)には解らないでしょうが、”行った!”と思った打球が
塀ぎわで捕られるんですよ、」
外観には「芯をはずした」と思われるだろうが、
本人は実は、”行った!”打球だった事が多くなり、引退決意へとつながった、」
王貞治
「OH! そう言えば、そんな事が、……… 」
大橋巨泉
「勿論、俺は一切、他言しなかったが、ワンちゃんは、そのまま引退した、……… 」
ダレノガレ明美
「あの~~、さっきっから、ワンちゃん、ワンちゃんって、
何の事ですか、……… 犬の事なんですか、? 」
中畑清
「違いますよ、……… 王さんは、現役時代、背番号が「1」だったので、
ONE(1)なんですよ、……… BIG1(ビッグワン)とも言われていました、
あなたの世代、……… 特に女の子じゃ、わからんでしょ、……… 」
カツ丼小僧
「あっ、………キヨシさん、………
横浜DeNAベイスターズ、……… 今年もまた、ダメだったんですね、………
もう、限界を超えました、………
これからは、自分のプロ野球チームを作って、そこを応援します、……… 」
中畑清
「カツ丼さん、すいません、………でも、なんとか5位には、……… 」
カツ丼小僧
「5位も最下位も一緒でしょ、……… 」
中畑清
「違いますよ、………最下位だけは、ダメですよ、……… 5位は、良しですよ、」
カツ丼小僧
「キヨシさん、………頼みますから、僕をあまり惨めにしないでください、」
野村克也
「ふふふ、………それみろ、………
ワシの予想した通りやないか、………
それに、我が東京ヤクルトスワローズは優勝間近や、……… 」
野村沙知代
「ふふふ、カツ丼さん、あんたね、………わかったでしょ、………
亭主の言う事に、間違いはないわ、……… 」
カツ丼小僧
「すいません、………反省してます、………
これからは、浅香光代さんではなく、野村沙知代さんを支持します、………
それで、お許しください、……… 」
一同
「わははははは、……… 」
大橋巨泉
「要するに本人が一番よく解っているのだ、………
だから、これは俺の推測だが、白鵬自身は「力の衰え」を感じて居り、
それを指摘され、もう一度ふんどしを締め直した結果の優勝だった、と考えている、
そして今場所、大きな故障もなかったのに、連敗し、休場となったのだと思う、」
白鵬翔
「…………… ご、…… ご、ご、……… ごっつあん、……… 」
一同
「……………。」
大橋巨泉
「人間、誰しも、成長のあとは、衰えが来る、………
そして、現役引退となるのである、………
何も恥ずかしい事ではない、………自然の摂理である、……… 」
カツ丼小僧
「きょ、巨泉さん、………ほ、本人の目の前で、よくそこまで、………
す、少しは、空気を読んでください、」
大橋巨泉
「そして、それを指摘するのも反論するのも、”自由”なのだ、………
ただ、”誤報”以外は、謝ったりする必要は毛頭ない、
俺は、舞の海を現在、最高ランクの評論家だと思っているし、
今後もひるまず、正論を吐いてほしい、」
大橋巨泉が、そう言い終えた、正にその時だった、………
大横綱・白鵬翔が、顔を真っ赤にして、突然立ち上がると、
大橋巨泉の所まで、怖ろしい形相で、ドスドスと歩み寄って行った、………
「ああっ、……しゅ、修羅場の展開か、……… 」
会場にいた誰もがそう思った瞬間だった、………
白鵬は、顔を紅潮させたまま、大橋巨泉の手を、力強く握り締めた、………
白鵬翔
「きょ、巨泉さん、ありがとうございます、………
な、何か、目のウロコが落ちたような感じです、………
勿論、僕だって、舞の海さんを恨んでいるとか、そういうことではありません、
これからも、一途に相撲道に精進していきますので、応援の程をよろしく、……… 」
大橋巨泉
「うん、……頑張れよ、……… 俺も応援はするから、……… 」
会場内は、暫くの間、静まり返っていたが、突然、大きな拍手が鳴り響いた
白鵬翔は、また、爽やかな笑顔で、ゆっくりと元いた場所に戻って行った
カツ丼小僧
「いや~~、ビックリしましたね~~~、
ホント、………どうなっちゃうのかと思いましたよ、」
ビートたけし
「ふっ、冷や汗もんだぜ、………まったく、……… 」
大橋巨泉
「俺の言う自由とは、万人がもっている自由である、………
民主主義を表した名言に、
「君の意見には全く反対だが、君が意見を発表する自由は、命にかけても守る、」
………がある、………
フランスの哲学者ボルテールの言とされるが、この精神こそ最重要なのだ、
日本ではいまだに、地位によって上下関係があったり、
下位の者や若年者は軽視される傾向がある、………
行政府の長である安倍首相が、質問中の立法府の議員に対し、
「早く質問しろよ、」などというヤジが飛ばせるのは、
欧米では信じられないだろう、
大体、昨年末の安倍首相の言動を見ていると、
「数に驕って」、事の本質を誤っていることが多い、………
にもかかわらず、自民党には諫言をする勇気のある人さえ居ないようだ、
皆、首相のいいなりになっていれば、事足れりとしている、………
自民党ばかりか、かつて「平和の党」として、それなりの評価をしていた公明党も、
「与党ずれ」して、何の抵抗もない、………
これでは安倍は、ますます裸の王様になってゆく、」
太田光
「そ、そ、それは、いけませんね、~~~
あ、安倍を許すな、……… 」
田中裕二
「お前、だったら、なんで佐野研二郎は許すんだよ、………
日本国中から、お前に批判が殺到しているぜ、……… 」
太田光
「あ、あいつは、可哀想な奴です、……… それでいいんです、……… 」
野村沙知代
「だけど、あんた、なんで、あんな所で泣くのよ、………
そんなに、お人好しだったかしらね、あんた、……… 」
田中裕二
「いえ、あれは、………紫外線で角膜を傷つけただけなんです、
それが、偶然、涙目に見えただけで、……… 」
一同
「わははははは、……… 」
大橋巨泉
「冷静な眼でみれば、戦争法案をムリヤリ通したあとの世論調査は、
「政権に反対、」が伸びて来ている、
あと10ヵ月で、参院選挙である、………忘れるには、時間が短い、………
その上、憲法違反の法律には従わない、という意見も出ているし、
集団訴訟も起こりそうだ、………
裁判所で違憲の判決が出れば、あの法律は無効となり得る、………
諦めるのは、まだ早いのだ、………
8月30日の、デモの熱気を持ち続けることだ、………
まさに、「継続は力なり、」である、 」
カツ丼小僧
「巨泉さん、久しぶりの熱弁、ありがとうございました、
この座談会も、今回で、269回目になりました、………
更に、「継続は力なり、」で、続けていくつもりです、………
皆さん、今後とも、応援の程、よろしく、……… 」
黒咲蘭
「ネット動画の「カツ丼小僧ちゃんねる。」も、よろしく~~~、」
大西結花
「そ、」
浅香唯
「れ、」
刀根麻理子
「で、」
かわいさとみ
「は、」
小泉今日子
「み、」
中森明菜
「な、」
松坂慶子
「さ、」
榊原郁恵
「ん、」
今井優子
「ごきげんよう、さようなら~~~~、」
かたせ梨乃
「あっ、……ひ、一人で、みんな言わないでよ、………
もったいな~~~い、……… 」
角松敏生
「ぼ、僕にも、♪「さよならを言わせて」、……… 」
黒木メイサ
「このオチ、もう、飽きました、……… 」
大橋巨泉
「わははははは、……… 」