カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 126

カツ丼小僧

「それでは、巨泉さん、昨日の続きから、お願いします、……… 」

 

大橋巨泉

「うん、………

 認知症の彼女には、56歳になる娘と、55歳の息子がいて、

 最後の週末に、二人を島に呼んだ、………という所からだったね、……… 」

 

カツ丼小僧

「はい、……… 」

 

中村玉緒

「ぬほほほほほ、……… 」

 

大橋巨泉

「家族4人で食事をし、いつものように夫と議論したあと、

 息子を隣に読んで、「あれは、パパが正しいけど、今は言わないでね、」

 

 それから、娘と息子を別々に呼んで、二人きりの時間をもった、

 最後の言葉は、こうだったという、………

 

 「貴方にとって一番大切な事は、貴方自身でいる事よ、……… 」

 

 

 さて、この事件のインパクトは大きい、………

 西部どころか、全カナダに広まり、オタワ(首都)の議会でも、

 何人かの議員が、議員立法をする動きを示している、

 

 2012年の世論調査では、なんと80%のカナダ国民が、

 助かる望みのない患者の自殺を、医師がほう助する事に賛成している、………

 2013年の別の調査でも、70%が賛成だ、

 

 しかし、これが法改正となると、世論のように簡単にはいかない、……… 

 特に、認知症の場合は、難しいという、……… 」

 

中村玉緒

「ふんふん、それで、………? ごほごほごほ、……… 」

 

松田賢二

「こらっ、……… 」

 

中村玉緒

「すいません、つい咳ゴミまして、……… 許してくんろ、……… 」

 

松田賢二

「なんか、ワザとやっているように思えるなぁ、……… 」

 

大橋巨泉

「要するに、患者自身に意志決定能力がない場合は、

 うっかりすると、犯罪がからみかねない、………

 

 認知症は老人の病気だから、遺産とか相続がからんでくる、………

 それだけに、完全に痴呆になる前に決行した、

 ジリアンさんの、知性と勇気と行動力が羨望される訳だろう、………

 

 カナダをはるかに凌ぐ老人国ニッポンでは、

 この問題は、どうなっているのだろう、………

 

 このような事件は起こらないし、それ程の議論も湧いていまい、………

 それは、日本が、もともと自殺に寛容な国だからだろう、……… 」

 

カツ丼小僧

「僕は、自殺したくても、その勇気がありません、………

 

 自殺するという事は、つまり、自分が、この世から消滅するという事です、

 自分という存在が、この世から消えてしまうとは、

 一体、どういう事なんでしょうか? ちょっと実感がわきません、

 

 それに、自殺するには、必ず痛みを伴います、

 まぁ、今回のジリアンさんの場合は、例外で、

 そうではなかったみたいですが、………

 

 それに、もし、自殺に失敗でもして、更に酷い状態になっても、

 生きなきゃならないだとか、

 死んだら、死んだで、果して、死後の世界で、今よりいい状態になれるのか、など、

 色々な考えが、頭をよぎります、………  」

 

浅香唯

「でも、カツ丼さんは、生まれ変わりというものを、信じているんでしょう? 」

 

カツ丼小僧

「僕にとって、生まれ変わりは、当たり前で、もう無限回数、

 生まれ変わっていると、確信しています、………

 

 いや、それどころか、ずっと先の、生まれ変わった人生の、

 立体映画のフィルムの内容まで、全て決まっているとさえ、思っています、

 つまり、人間の人生という物は、普段、我々が寝たり起きたりするような、

 単なる、一通過点だと思っているのです、

 

 頭の中では、ここまで、理解はしているんですが、

 自殺は、やはり、恐くて出来ません、………

 

 それに、もし、あらかじめ決定づけられている、その人間の運命に、

 自殺するシーンが無ければ、自殺は出来ないのです、………

 それも、運命で、決定づけられている訳ですから、………

 

 今回のジリアンさんの話にしても、ジリアンさんが、84歳で、

 その「草の上」で、自殺して、国中で騒がれる事は、

 もう、生まれる前から決まっていた、というのが、僕の考えです、………

 

 ただ長生きすれば、それでいいのか、と言えば、そうではありません、

 巨泉さんがいつも言っている、「生活の質」というのが問題です、」

 

大橋巨泉

「じゃぁ、そろそろ、始めるよ、………

 

 あるカナダ人の友人は、

 「日本人はハラキリを名誉と考えて来たから、

  キリスト教徒ほど自殺を罪悪視しないんだろう、………

  

  おそらく日本で調査したら、賛成は100%近いのではないか、」と言うが、

  俺は、意外と少ないんじゃないかと、思ってるんだ、……… 

 

  ハラキリの他に、姥捨て山の話だってあるし、

  日本では、老人の命を、それ程大切に考えていないような気がする、

 

  カナダでは、死に直面した患者を、医者がアシストするという

  問題に、賛成が多いだけだ、………

  日本はむしろ、「老人は勝手に死ね、」という考えの方が強いと思う、 」

 

中村玉緒

「おほおほおほ、………そうでっか、………それは、それは、……… 」

 

大橋巨泉

「おほおほおほ、………

 

 俺、いつも書いてる事なんだけど、

 「熊谷守一画伯のように、一日でも長く生きたい、」と考えて来たが、

 その一方で妻には、

 「植物状態では、生きたくない、延命治療は断ってくれ、」と言ってある、

 

 特に今回、二度の癌を患って、一時は、「死んだ方がマシ、」

 とまで、思った事がある、………

 大切なのは、「生きている事、」ではなく、「生活の質、」なのだと、

 つくづく思った、………

 

 その質が失われそうな手術を止め、放射線治療を選んだユエンである、………

 その点から考えても、ジリアンさんの選択を理解し、尊敬したい、………

 

 以上、終わりです、………  」

 

カツ丼小僧

「ありがとうございました、………

 考えさせられる事の多い、含蓄のある、お話でした、………

 

 それでは、今回は、これで、座談会は終了します、

 皆さん、最後の一言をお願いします、……… 」

 

 

高田純次

「テキトーに生きて、テキトーに死ぬ、」

 

タモリ

「ユンケル哲学、ユンケルンバッ、ユンケル黄帝液っ、」

 

イチロー

「あっ、それはっ、……… 」

 

野村沙知代

「あんたたち、さっきから、巨泉さんの話、ちゃんと聞いてたの? 」

 

野村克也

「サッチー、こいつらに、何言ったってダメや、………

 思考能力のカケラもないんや、……… 」

 

渡辺麻友

「みじかびの、きゃぷりきとれば、すぎちょびれ、

 

 すぎかきすらの、はっぱふみふみ、………

 

 やったぁ~~~、 まゆゆ、やっと、言えるようになりました~~~~、」

 

大橋寿々子

「おめでとうございます、………

 まゆゆさんには、「大橋巨泉賞」として、パイロット万年筆が進呈されます、」

 

田中裕二

「まゆゆ、良かったね、……… 」

 

太田光

「きゃ、きゃ、きゃ、きゃぷりき、とれば、………す、す、す、……… 」