カツ丼小僧
「今週の週刊現代も、話題にしたい記事が、盛りだくさんですね、………
カラー特別企画 大原麗子 あなたの声が聞こえる、
思いを綴った、スクラップ・ブックや、学生時代の「通知表」を初公開!
あの美しい人が逝って5年、………
主を失った豪邸には、彼女が愛した、たくさんの物が、
いまも、大切に保存されている、………
だとか、あと、………
90歳の影絵作家 藤城清治 ~この歳になって、ようやく分かったことがある~
だとか、色々とあるんですが、………
色々と考えた末、
やはり今回も、大橋巨泉さんの「今週の遺言」から始める事にします、
ちょっと、読んで、感動したからです、………
僕も、「死」については、若い頃から、今の今まで、………
いや、恐らく、死ぬ直前まで考えていると思いますがね、………
見出しには、
「認知症が進行する前に、84年の生命を自ら絶った
カナダ女性の選択に敬意」、…… と、あります、………
それでは、巨泉さん、お願いします、……… 」
大橋巨泉
「うん、……… それじゃ、………
アメリカでは、中西部ファーガスンでの黒人少年射殺事件と、その後の抗議デモ、
西部では、カリフォルニア北部のマグニチュード6・0の地震が、
話題になっている、………
しかし、ここ西部カナダでは、
圧倒的に84歳の老女の、高齢自殺のニュースでもちきりなんだ、
事件そのものばかりでなく、それに対する議会や裁判所の反応や、
一般人の意見まで、連日新聞に載っている、……… 」
中村玉緒
「私も、もう、70代半ばどす、………
「死」については、多少なりとも、考えなくてはなりません、………
う死死死死死死死死、……… でも、自殺だけは、……… 」
カツ丼小僧
「あっ、玉緒さんは、昭和14年生まれで、僕の母親と一緒です、………
僕の父親は、昭和13年生まれで、まだ結構、元気でいるんですけど、
母親の方の体は、相当弱っていて、見るに忍び難い時もあります、……… 」
ビートたけし
「おいらの母親は、結構長生きして、95歳まで生きた、………
おいら、母親が亡くなった時、ガラにもなく泣いちゃったけど、
おいら、若い頃、いつも言ってた、……… 人間、60まで生きりゃ十分だって、………
あと、そこから先の分は、生きれたら儲けもんだって、………
贅沢言っちゃいけないよ、………
まぁ、そういうおいらも、現在67なんだけどね、……… 」
明石家さんま
「クワーーーーーッ、カッカッカッ、………
わ、わての、いつも言うてる、「人間、生きてるだけで、丸儲け、」
というのとは、ちょっと、……いや、随分、違はりまんなぁ、……… 」
大橋巨泉
「話を続けます、………
事件は、8月18日に、
バンクーバーの北西に浮かぶ島、ボーエン島で起こった、………
この島は、保養地としても、人気のある島で、バンクーバーからフェリーで、
僅か20分と近く、景色がよく、遊歩道なども完備されていて、
引退者などに、人気が高い、………
18日の朝、ここで、60年来の夫に、手を握られながら、
ジリアン・ベネットさんは、静かに息を引き取った、………
自宅から、歩いていける、彼女の大好きな場所、「草の上」にマットレスを敷き、
そこで、ウィスキーと、致死量のネタンブール(鎮静睡眠剤)を飲んでね、……… 」
中村玉緒
「ちょっと、ここは大事なところですから、
あまり、余計な口は、差し挟まん方がええと思います、………
皆さん、口を慎むよう、……… 」
明石家さんま
「た、玉緒さんさえ、口を慎んどりゃぁ、何も問題ありまへんがな、……… 」
内村光良
「わははははは、……… 」
大橋巨泉
「彼女は精神科の医者で、引退前のクリニックは、大変評判が良かった、
夫のジョナサンは哲学の大学教授というから、
典型的インテリ夫婦だったのである、………
彼女に自ら、命を絶つ事を決意させたものは、ディメンシア、………
日本で言う、認知症である、………
忘れっぽくなる初期の段階から、明らかに進行して来た、………
生前、彼女がウェブサイトに残して来た手記には、
「毎日、自分が少しづつ失われてゆくのがわかる、」と、記されている、
「こうして、認知症が進むと、自分が誰であるかも解らなくなり、
フルタイムの看護が必要となるだろう、」と、………
ジュリアンさんは、ただ物理的に生きているだけの状態になりたくなかった、
知性と好奇心と勇気と優雅さを、内にもった生命でなければ、
生きている意義がないと確信していた 」
藤岡弘、
「うん、……… 」
中村玉緒
「いいですか、……大事なところですからね、………
誰も、口を差し挟むんじゃありませんよ、………ぬほほほほ、……… 」
大橋巨泉
「自分の中にある、考える力が失われる前に、命を絶つべき、………
………が、彼女の自論だった、………
従って、彼女は、準備周到であった、………
ジョナサンが言う、………
「彼女は私に、ヘルプを一切、させなかった、………
薬を買ったのも知らない、処方も何も言わなかった、
好きな場所まで、マットレスを運ぶのも一人でやったんだよ、
そして、死をまったく怖れていなかった、
最後の最後まで静かで、平和に満ちていたよ、……… 」
妻が息を引き取ると、夫は医師に電話し、医師は死亡を確認すると、
RCMP(有名なカナダの騎馬警察)に知らせた、………
RCMPが検視官を呼び、すべてが終わるまで、何の問題も起きなかった、
自殺ほう助も、安楽死も禁じている、このカナダという国で、
夫や周囲に、一切迷惑をかけないという、
この賢明な老女の意志が伝わってくる、………
夫は言う、………
「妻も私も、現在の法律には反対なんだ、………
”死”のような、重大な問題に、家族が係われないなんて、おかしいだろう、」
………と、……… 」
中村玉緒
「皆さん、………いいところですからね、………
お静かに、……… お静かに、お願いしますよ、………
し~~~~~っ、 し~~~~~っ、 し~~~~~っ、
ほわほわほわ、……… ん? な、なんか、鼻の調子が、………
へっぷしゃん、 へっぷしゃん、 へっぷ、しゃぁ~~~~ん、 」
一同
「わははははははははははははは、……… 」
大橋巨泉
「しかし、法は法である、………
ジリアンは、法に触れずに認知症を解決する方法を、
時間をかけて遂行したのだ、………
彼女が残した言葉は、説得力がある、………
「植物状態で、病院に何年も過ごす、………
オムツをして、自分では何も出来ず、
周囲に、物理的、経済的負担をかける、………
こんな、馬鹿げて、無駄なこと、ありますか、?
周囲に負担になるばかりか、
自分にとって、少しも、よくないのですから、……… 」と、………
彼女には、56歳の娘と、55歳の息子がいるが、
最後の週末に、二人を島に呼んだ、………
まぁ、今回は、切りの良い所で、ここまでにしよう、………
この続きは、また次回、という事で、……… 」
カツ丼小僧
「巨泉さん、いつも、貴重なお話、有難うございます、………
本当に助かります、………
それから、玉緒さんも、………
ところで、玉緒さん、……先程の、くしゃみは何ですか、………?
計算された演技ですか、………? それとも、本物の、………? 」
中村玉緒
「うほうほうほ、……… それは、申し上げられません、………
皆さんの、ご想像に、お任せいたします、……… ぬほぬほぬほ、………
あっ、また、鼻がムズムズしてきよりましたわ、……… 」
カツ丼小僧
「それでは、今回は、これで、お開きです、………
皆さん、最後の一言をどうぞ、……… 」
長嶋茂雄
「カツ丼さん、笑いのパターンを、読者に悟られてはなりませんよ、………
すぐに、飽きられてしまいます、………
私のように、ナチュラルにやってください、ナチュラルにね、……
それが、笑いの方程式です、はい、……… 」
野村克也
「長嶋は、ひまわりやからな、………
それに引き換え、ワシは、月見草や、……… 」
徳光和夫
「おいっ、あんたっ、もう、いい加減にしろよっ、………
表向きだけはいい俺だって、もう我慢ならんぞっ、」
野村沙知代
「このやり方が、「ノムラの法則」なのよ、……… 」
太田光
「サッチー、サッチー、サッチーです、 サッチー、サッチー、サッチーです、
サッチー、サッチー、サッチー、 サッチー、サッチー、サッチー、
サッチー、サッチー、サッチーです、 サッチー、サッチー、サッチーです、
サッチー、サッチー、サッチー、 サッチー、サッチー、サッチー、 」
田中裕二
「わはははははは、………
この男にだけは、どんな法則も、戦術も通用しないよ、……… 」
長嶋一茂
「そうですね、……… 期待してます、……… 」