カツ丼小僧
「皆さん、週刊現代の今週号に、また面白い記事が載っていました、
皆で、今日の話題にしたいんですが、……… 」
松坂慶子
「また、私の事が書いてあったりだとか、……… 」
カツ丼小僧
「ええ、そうなんです、岡田奈々さんや、由美かおるさんの昔の水着、セミ・ヌード
も掲載されていましたが、創刊55周年特別カラーで、
週刊現代版「青春のお宝」鑑定団、と題しまして、懐かしのアイドルテレカや、
写真集、記念切手などが、今、幾らの価値があるのか、等が掲載されていました、
その中に、松坂慶子さんの写真集、「KEIKO」、もありましたよ、」
松坂慶子
「ええ、その写真集、私の最初の写真集なんです、確か1984年(昭和59年)の発行で、
私が、31~32歳の時のものですわ、………
カツ丼さん、その写真集、今、どれくらいの価値になっていますの?
私、傷つきませんから、教えてくださらない? 」
カツ丼小僧
「ええ、この特集記事によりますと、当時、定価2000円で、売られていた物が、
今は、ちょうど1万円の価値になっていますね、素晴らしい、」
松坂慶子
「1万円? それって、喜んでいい値段なのかしら? 」
カツ丼小僧
「………だと、思いますよ、ここで取り上げているくらいですからね、
いい値段なんじゃないでしょうかね、………
でもね、松坂さん、僕、この写真集、実は持っているんですよ、」
松坂慶子
「うわ~~~、嬉しいような、恥ずかしいような、……… 」
カツ丼小僧
「数年ほど前に、古本屋で、6000円で購入したんですが、店の中の
かなり高い所に飾られていて、店員のお兄さんが、椅子を持って来て、
取ってくれたのを憶えていますね、
だけど、松坂さんには、本当に申し訳ないんですが、この写真集、
僕のちょっとした不手際で、本のカバーを破いてしまったんですよ、
すいません、………
こういう物は、少しでも、シミがついていたり、折れていたり、傷ついていると、
かなり、価値が下がってしまうんです、
ましてや、切り取りがあるのは論外だそうです、 」
松坂慶子
「ふ~~ん、それじゃぁ、他人に売っても儲けにはならないわね、……… 」
カツ丼小僧
「松坂さん、何を言ってるんです、 冗談でしょう、………
こんな物、他人に売る訳ないでしょう、 これは僕の宝の品ですから、………
一番好きな写真は「蒲田行進曲」の1シーンで、主人公の水原小夏なんですが、
ニッコリ微笑んで、スカートの両裾を横広につまみあげ、片足を高く上げている写真、
後は、江戸時代のような髪型と着物姿で、徳利とお猪口を前にして、
カウンターで酔いつぶれて、こっちを見つめている、
見開き2ページ分の顔アップの写真です、………
う~~ん、色っぽい、……… 色っぽ過ぎる、……… 」
浅香唯
「他には、どんな人のがあるの? 」
カツ丼小僧
「え~~と、写真集では、浅野ゆう子さん、岡江久美子さん、
それに、女子プロレスの、ジャガー横田さん、のもあるぞ、………
おっと、これは凄い、田中美佐子さんの写真集、「MISAKO TANAKA」は、
4万円の価値があるそうです、1983年(昭和58年)だから、
もう、今から、30年以上前の物だな、………
あっ、鈴木砂羽さんの「Sawa 愛の新世界」なんてのもあるぞ、
うわ~~~っ、この写真集、今、3万円の価値があるんだってさ、………
俺、この「愛の新世界」って映画、観に行ったんだよ、
確か、新宿コマ劇場近くの映画館で観た記憶があるな、………
今はもう、新宿コマ劇場は、閉鎖されて無くなっちゃったけどね、
1994年(平成6年)の3月だから、俺がちょうど、30歳の時だ、
この時、鈴木砂羽さんは、21歳、
いや、ホント、彼女、透き通るような真っ白な肌で、いい体してたよ、
あの、真っ白でムチムチの裸体、今でも、脳裏に焼き付いていて、
忘れようったって、忘れられませんよ、
特にね、SMの女王様に扮していたんだけどもね、その姿が、何とも色気があって、
サマになってた、………それと、一緒に共演していた、片岡礼子さん、
この方も、綺麗でセクシーで、もう、何も言う事ないでちゅよ、
当時、この映画は自分にとって、全てが画期的、革命的だったように思えます、
何か新しい、時代の息吹のような物を感じたな、………
まぁ、ストーリーそのものは、ちょっとよくは憶えてないんだけどね、
雰囲気ですよ、雰囲気、……… 暗い映画館の中で、椅子の中に体を沈めながら、
桃源郷にでもいるような感じで観ていました、まぁ、当時の僕は、精神が
かなり錯乱していたかと思うんですが、一服の清涼剤とでもいう感じで、………
夢見心地な世界を味わわせてくれました、
そして、この映画は、日本で初めてヘア・ヌードを公開した映画という
事でも有名です、
因みに、写真集の撮影者は、
愛称「アラーキー」で知られる、荒木経惟(のぶよし)さんです、」
大西結花
「テレカの方は、………? 」
カツ丼小僧
「う~~ん、これは凄い、視聴率女王だった、山口智子さんのテレカが、
6万円だって、………あっ、講談社・週刊現代の物か、………道理で、……
いやいや、こういう物は、フェアに査定してくれていると思いますので、
関係ないか、………
後、松嶋菜々子さんの、エターナ'92が、6万4千円、
鈴木京香さんの、カネボウアクリルが、
な、なんと、9万円 ! ! ! ? ? ? ひゃ~~~~っ、
伊東美咲さんの、'99アサヒイメージガールの奴が、6万円、………すげぇなぁ、
出るのは、ため息ばかりなり、………
でも、後は、結構開きがあって、かなり落ちるけど、………
でも、見応えのある写真集より、価値があるっていうのも、
ちょっと不思議だなぁ、……… 」
斉藤由貴
「後は、………? 」
カツ丼小僧
「あっ、斉藤由貴ちゃんのテレカの事が書いてあるよ、」
斉藤由貴
「えっ? 本当? 」
カツ丼小僧
「うん、「テレカ収集ブームは、斉藤由貴が発祥」、とあって、
斉藤由貴「電電公社」テレカは、当時市場最高値30万円を記録し、
収集ブームに火を点けた、とあるよ、」
斉藤由貴
「え~~? どれどれ、見せて~~~? うわ~~~、ホントだ~~~~っ、
凄い~~~っ、 私って、こんな、凄い人だったんだ~~~っ、」
南野陽子
「さすがに、スケバン刑事、一代目、 やるやるぅ~~~っ、ふふふっ♡、」
カツ丼小僧
「後は、記念切手や、メダル、キーホルダー、なんかだけど、
記念切手は、子供の頃、よく集めてた、いや、俺だけでなく、
当時、周りの子供たちは、皆、切手を集めて取り替えっこしてたよ、………
俺、ホント無知だったから、損な交換ばっかりしていたよ、
スタンプの押してある、一文の価値もない外国切手と、
もの凄く価値の高い、有名な日本切手を、平気で交換なんかしたりして、………
親に大目玉喰らった事があるなぁ、………
おや? この切手シート、デザインに見覚えがあるぞ、………
あ~~~~っ、懐かしい、持ってた、持ってた、ふふふふふ、………
ふ~~ん、これ、大阪万博記念切手の物だったのかぁ~~~~、なるほどねぇ~~、
でも、価値は何も変わっちゃいないな、………大した値段じゃない、
今どき、誰も、もう、切手なんか集めている奴もいないだろうしなぁ、」
中村由真
「後は、何が、ありますかぁ~~~~、」
カツ丼小僧
「うお~~~~っ、これは凄い、いや、懐かしい、懐かしい、
「あるくあるくゼンマイロボット・マジンガーZ」が、現在、5万5000円の
価値があるそうです、あと、大塚製薬の元気ハツラツ、オロナミンCの、
大村昆の、ホーロー看板は、1万8000円、 1954年(昭和29年)物の、
東宝「ゴジラ」第一作のパンフレットが、なんと30万円、……という事です、
あっ、それから、なんと、俺が子供の頃、必死になって集めていた、
カルビー製菓の、仮面ライダーカードがあるぞ、………
甘くて、美味しい、あのお菓子の味と共に、記憶が蘇ってきたぞぉ~~~っ、
一袋に付き、一枚付いていた、貴重なカードです、ひっひっひっ、………
うわ~~~~っ、1971年(昭和46年)製の1番カード、「怪奇くも男」は、
現在、12万円の価値があるんだって、………
でも、もし持っていたとしても、俺だったら、絶対に売らんけどね、
たかだか、12万円で、こんな物売れるかよ、………な? そうだろ、………
でも、この値段で、自分が買うか、となると、やっぱり、な、………
買わんだろうな、……… ふふふ、……… 」
カツ丼小僧が、子供の頃の記憶を手繰りながら、興奮して周りに話をしていると、
また、宴会場の襖が開き、一人のガッシリとした体格の大男が、
ニッコリと穏やかな笑みを浮かべて入って来た、………
我らがヒーロー、初代仮面ライダー、本郷猛の役を演じた、俳優・藤岡弘、である、
藤岡弘、
「こんにちは、藤岡弘、です、そうなると、僕がカツ丼小僧さんにとっての、
子供時代のヒーローという事になるのかな、………
カツ丼さん、それに皆さんも、子供の頃の、積もる時代の話でもしませんか、………
うわっはっはっはっはっ、……… 昔話に、花を咲かせましょうよ、 」