浅香唯
「カツ丼小僧さん、ノベル「224」、読みましたよ、
いくらなんでも、ちょっと酷過ぎやしませんか?
折角、これから、いいお友達になろうと思っていたのに、………
ヨーヨーで、顔面崩壊だなんて、あんまりだわ、……… 」
カツ丼小僧
「うん、唯ちゃんには、申し訳ないんだけど、ああいう書き方をしないと、
中々読者は、興奮してくれないんだ、……いや、言い訳はしないよ、
僕も好きで書いている事には間違いないんだから、……… 」
高橋みなみ
「私は、いつだって、カツ丼さんの味方です、応援してます、」
刀根麻理子
「カツ丼さん、まさか、今後のノベルの中で、唯ちゃん同様、
私まで、ズタズタにするつもりなんじゃないでしょうね、」
カツ丼小僧
「いや、刀根さん、あなたが色っぽ過ぎるからいけないんですよ、
男ってのは皆そうです、空想世界の中で、自分の好きな女を、
不幸のどん底に突き落として、優越感に浸りながら、
自分の男としての征服欲、自尊心を満たしているんです、
せめて、空想の世界ぐらい自由の翼を広げていかないと、
こんな辛い人生、やっていけませんよ、
刀根さんは、思慮分別のある、寛容な大人の女ですから、
そこの所は、十分理解してくれていると思うんですが、……… 」
刀根麻理子
「ええ~~っ、? それは、カツ丼さんの買い被りってもんですよ、」
廣瀬浩志
「あのさ、今後のノベルの展開として、
俺が麻理子を、「クレージー☆ZANKOKU 」の魔の手から、
救い出すっていうのは、どうだろう、……… 面白いと思うけど、……… 」
カツ丼小僧
「いや、浩志さん、それはダメです、だって、もうすでに、ノベルの中では、
2人は離婚の事で、慰謝料の話し合いにまで、事態が進んでいるんですよ、
それは、ちょっと、無理がありますよ、」
西城秀樹
「じゃあ、俺が、刀根麻理子を助けに行って、救出に成功した後、
「ヒデキ! カァ~~ンゲキィ~~~ッ、」って、
皆の前で、雄たけびを挙げるってオチはどうかな? 」
カツ丼小僧
「秀樹さん、あなた、それしか言う事がないんですか?
それに、ノベルの中では、もう、刀根さんの心は、秀樹さんや浩志さんよりも、
僕の方に移っちゃってるんですよ、
ですから、その案もダメです、 ウッシッシッ、……… 」
廣瀬浩志・西城秀樹
「じゃぁ、これからのノベルの展開は、………? 」
カツ丼小僧
「それは、読んでのお楽しみと言う事で、……… へへへ、……… 」
浅香唯
「カツ丼さん、唯、今の話を聞いていて、
段々、カツ丼さんの意図が見えるようになって来たわ、
我儘言って、ごめんなさい、………
そうね、確かに、現実と空想とは、まったく違う、別の物ですもんね、
現実の私は、この通り、元気にピンピンしてるし、………
お詫びの印に、ここで、一曲、皆さんの前で、歌わせて頂きます、
皆さん、聴いてください、……… 曲は、「セシル」です、……… 」
そこで、浅香唯は、服を脱ぎ捨て、ブラジャーとパンティーだけになって、
係りの者から、マイクを渡してもらい、皆の前で、振り付けを交えながら、
名曲「セシル」を歌った、
招待客の誰もが、皆、一様に、恍惚の表情で聴き入っていた、
否、正確には、見入っていた、と言うべきだろう、………
♪人は大人になるたび 弱くなる~~よね~~~
ふっと自信を失くして 迷ってし~~まう~~
♪だから友達以上の愛を捜すの~~~
今夜 私がそれになれればいいのに~~~
浅香唯が、やっと一曲歌い終えた時、拍手は、まばらだった
拍手を送ったのは女性だけで、男の側からの拍手は無かった
男達は、皆、アソコを膨らませ、目を血走らせたような、異様な目付きでいた
そして、傍に置いてあった、ビール瓶、ジョッキ、徳利、等を掴んで
一斉に、浅香唯の顔を目掛けて、投げつけた