カツ丼小僧と有名人のドスケベ座談会 12

カツ丼小僧

「巨泉さん、週刊現代の今週号が、今手元にあるんですが、「今週の遺言」、

 また、大リーガーの話ですね、これだけの内容という事になりますと、

 もう、趣味の域を脱しています、余程、お好きなんですね、僕には考えられません、」

 

大橋巨泉

「どうもね、熱中すると、のめり込んじゃうタイプらしい、

 好きで観戦しているだけなんだけど、いつの間にか、知識となって、

 頭の中に溜まっていたんだ、だから、溜まった物を、吐き出している、

 という感じで、別に、取り立てて勉強した、という訳でもないんだ、」

 

カツ丼小僧

「大橋巨泉さんの名前の中にも、大リーガーの「大」と、巨人軍の「巨」と、

 二つの、意味深な文字が潜んでいます、

 昔は、「野球は巨人、司会は巨泉、」でしたが、

 今は差し詰め、「野球は大リーガー、司会は大橋、」と言った所でしょうか?

 あれ? ちょっと違うか………? 」

 

大橋巨泉

「わはははは、……… お前の迷信好きにも困ったもんだな、………

 何でも、名前通りって訳にもいかないよ、」

 

カツ丼小僧

「でも、たった4文字しかない名前の中に、「大」と「巨」の2文字が

 占有しているんですからね、これは凄いもんですよ、大物の貫録、十分です、

 僕なんか、「小」ですからね、 アソコも「小」ですが、……… 」

 

大橋巨泉

「わはははは、……… ところで、お前は、野球は何処のファンなんだい? 」

 

カツ丼小僧

「ええ、千葉に住んでいた子供の頃は、巨人ファンだったんですが、

 横浜の方に移り住んで、暫くする内に、いつの間にか、横浜DeNAファンに

 変わっていました、僕の住んでいるマンションの目と鼻の先に、

 横浜スタジアムと、JR関内駅があります、

 これじゃ神様が、恰もお前は横浜のファンにつけ、と言ってるようなもんです、」

 

大橋巨泉

「横浜DeNAベイスターズか、……… 

 あそこじゃ、応援していても、ちょっと辛い物があるだろう、……… 」

 

カツ丼小僧

「ええ、そうです、一番楽しい時期は、開幕の少し前の、期待の時期と、

 開幕の少し始まったばかりの期間だけです、 後はもう、辛くて辛くて、……… 

 でも、本音を言えば、これで良かった、これで正解だとも思ってるんです、」

 

大橋巨泉

「えっ? …… と言うと、……? 」

 

カツ丼小僧

「巨泉さんも、何処かの本に書いていましたけど、

 僕は、一人の人間の持つ、幸不幸の総量が、一生を通じて同じだと思っているんです、

 

 いえ、万人の人間の幸不幸の総量が全て同じ、という事ではなく、

 個々人、一人一人の幸不幸の総量が、という意味です、

 

 それでね、僕にとっては、別にプロ野球が人生のメイン、という訳ではありませんので、

 むしろ、横浜のような超弱小球団を応援して、悔しがっている状態の方が、

 自分に、どんどん運が溜まって行くような気がするんです、

 

 だってね、巨人のような強い所を応援していて、勝った、勝った、また勝った、

 と喜んでいたら、そこで運を使い果たしてしまい、肝心のメインの仕事の方の

 運を奪われてしまうような気がするんです、

 

 プロ野球の応援が、人生のメインだという人は、それでもいいんでしょうが、

 僕の場合は、そうではありませんので、……… 」

 

大橋巨泉

「う~~ん、そういう見方も、確かに一理あるような、……… 

 でもさ、巨人のような常勝軍団を応援していた場合、喜びのハードルは、

 かなり高くなると思うけど、……… 

 優勝以外は、絶対に満足出来ない、とか、……… 」

 

カツ丼小僧

「あっ、確かにそうですね、それは確かにそうです、……… 鋭い、」

 

 

 カツ丼小僧は、また、手元に置いてあった、今週号の週刊現代を手に取って

 パラパラと、何気なく、ページを繰っていた、……… 

 創刊55周年記念号、第3弾、という事で、昭和を彩った「女優ヌード」の大特集で、

 巻頭ページには、大原麗子、夏目雅子、

 キャンディーズの、田中好子のグラビアが掲載されていた、

 

 夏目雅子の顔アップの写真は、何か、そこはかとなく、

 20代の頃の刀根麻理子に似ているような気もした

 

 更に、ページを繰っていって、カツ丼小僧は、ハッと息を呑んだ

 そこには、白黒のページではあるが、彼が、若い頃、夢中になっていた、

 アイドル、「浅香唯」の過去の思い出を綴った記事が記載されていたからだ

 しかも、写真付きで、………

 

カツ丼小僧

「うわ~~、これは凄い、唯ちゃんの記事が、3ページも、………

 後で、じっくり読んでみよう、……… 」

 

大橋巨泉

「迷信好きの、ミーハーだな、 浅香唯の姓名判断はどうなんだよ、……… 」

 

 

 その時、いきなり、宴会場の襖が、スーーーッ、と開いて

 一人の女性が、ニッコリと顔を覗かせた、 案の定、浅香唯だった 

 

カツ丼小僧

「ゆ、唯ちゃん、………まさか、そんな、………信じられない、………

 …… 生の浅香唯ちゃんが、……… 今、自分の目の前に、いるなんて、……… 」

 

浅香唯

「カツ丼小僧さん、私のファンなんですって? 嬉しいわ、………

 私と、色々、お喋りしませんか? いや、他の皆さんも、ご一緒に、……… 」