大橋巨泉
「そうだ、カツ丼ちゃんよ、いっその事、ここで式を挙げちまったらどうだい?
俺が教会の神父役になってあげるからさ、……… 」
カツ丼小僧
「えっ? 本当ですか? 巨泉さん、さすが、僕のグランドオアシスだ、
助かります、宜しくお願いしますで早漏、……… 」
今井優子
「え~~、私、もっと、ムードのある所がいいなぁ、………
こんな、人の食い散らかした跡のある所で結婚式なんて、
ムードもへったくれもないわ、………
ウィ~~ック、ヒック、ヒック、ゲホゲホゲホ~~~、」
カツ丼小僧
「優子、何だ? 俺の言う事が素直に聞けないのか?
そんな我儘な事を言うんなら、結婚は取りやめにするぞ、いいんだな、」
今井優子
「だって、……… 」
さだまさし
「いよっ、カツ丼小僧っ、カッコいいぞっ、早くも「関白宣言」かい?
♪俺より先に、イッてはいけない、……… ギャハハハハッ、」
タモリ
「いよっ、さだまさしっ、明るいねっ、俺のギャグよりおもろいぞっ、」
大橋巨泉
「それでは、式の媒酌人、神父役の両方を仰せ仕りました、
ワタクシ、大橋巨泉が、式の進行役とさせて頂きます、
皆さん、このワタクシめに、心より盛大な拍手をお送りください、」
一同、キョトンとして、一斉に静まり返る
今井優子
「でも、この方、ちょっと偉そうね、なんか変よ、」
カツ丼小僧
「いや、優子ちゃん、巨泉さんはね、偉そうなキャラを「売り」にしている人なんだ、
あまり人を見くびっちゃいけないよ、」
タモリ
「そうなんでしょかねぇ~~~~~? 」
カツ丼小僧と今井優子の2人は、素っ裸のまま手を繋いで、大橋巨泉の前に立った
ただ、カツ丼小僧は自分のアソコが小さいのが気がかりだったらしく
もう片方の手で、そこに手拭いを当てて隠していた、2人とも神妙な顔をしていた
やや細長い宴会場の両脇には、大勢の有名人たちが
まるでブランド招待客さながら、2人を挟んで列を作り、お祝いの拍手を送った
大橋巨泉
「汝らは、お互いの愛を永遠に誓い合い、これを夫婦の契りとします、
アーメン、……… 」
カツ丼小僧
「あっ、さすが巨泉さん、そのすぐ後に、「ザーメン」、と、言ってしまわない
所がいい、………僕だったら、すぐに言ってしまうんだけど、……… 」
今井優子
「カツ丼さんに、永遠の愛を誓います、」
大橋巨泉
「新郎の方は……? 」
カツ丼小僧
「もちろん、優子ちゃんに絶対の愛を誓います、浮気はしません、」
さだまさし
「♪俺は浮気はしない、しないんじゃないかな、
たぶんしないと思う、ま、ちょっと、覚悟はしておけ、」
タモリ
「おいっ、さだっ、こんなめでたい時に、なんて事言うんだっ、
お前、ちょっと、ネアカ過ぎるぞっ、」
そこへ、昨日、宴会場を怒って飛び出て行った角松敏生が
また、勢いよく襖を開けて入って来た
角松敏生
「優子っ、やっぱり俺はお前が心配だっ、戻って来たぞ、助けに来たっ、
さぁっ、早くこんな所を出て、ハワイの教会で俺と式を挙げようっ、
2人で幸福な家庭を築くんだっ、優っ、……… 」
角松敏生は、一瞬、自分の目を疑った、………
なんと、彼の目の前で、丸裸のカツ丼小僧と今井優子が、お互い抱き合って
濃厚なキスを交わし、また、2人の前では、神父姿の大橋巨泉が、胸に手を当て
俯き加減に、十字を切っていたからだ、………
角松敏生
「う、う、うおおおおおお~~~~~~~~っ、
お、お、お、お前らっ、……… くくくくくっ、も、もう、我慢ならんっ、
やっぱり帰るっ、優子っ、お前とは絶交だっ、もう、師でも弟子でもないっ、」
角松敏生は、昨日蹴破って出ていた襖の穴を、また、かいくぐって
出て行ってしまった、
カツ丼小僧
「優子ちゃん、ごめんな、 角松さんの事、怒らせちゃってさ、………
君の恩師なんだろ、……… 」
今井優子
「いいのよ、今の私にとっては、カツ丼さんが一番大事、………
敏生さん、きっといつか、わかってくれるわ、………
今は反対していても、………
いつか、きっと、私たちの結婚を認めてくれる日が来ると思うの、………
待ちましょう、その日が来るまで、………
いつまでも、……… いつまでも、……… 」
カツ丼小僧
「優子ちゃん、…… 角松さんは、俺たちの父親じゃないんだよ、……… 」