夢のBIG対談 ! ! 大橋巨泉 VS カツ丼小僧 22

で、この前の、さだまさしの悪口の事なんだけど、………

 

ええ、当時、僕が高校生の頃だったと思いますが、

さだまさしさんの、「関白宣言」や、「親父の一番長い日」、などが、

たて続けにヒットして、TBSの歌番組、「ザ・ベストテン」などにも出演したりして、

さだまさしさん、絶頂の時、黄金時代、とも言うべき時に、ちょっと横槍が入った

というか、水を差されたような事があったんです、

 

タモリの、………

 

ええ、テレビや雑誌では、どれだけ言っていたのか、知りませんが、

深夜ラジオ番組の方では、もう、その酷さ、面白さは凄いもんでした、

昭和55年(1980年)に、さだまさしさんは、「防人の詩」、という、

シングル・レコードを、リリースしたんですが、

 

映画「二百三高地」のテーマ曲だね、………

 

そうです、そのね、当時は、CDでなく、レコードだったんですが、

もしくは、カセットテープだったのかもしれませんが、

その曲を、タモリさんがラジオ内で流して、

それに合わせて、一緒になって歌ってるんですよ、

 

しかも、それがね、ただ、歌ってるんじゃないんですよ、

さだまさしさんの歌い方を真似てね、ちょっと誇張したような感じで、

さだまさしさん本人を、茶化したような感じで歌っているんですよ、

 

うん、うん、

 

「♪海わぁ~~~~~~~、死ぃ~にぃ~まぁ~すか、

  山わぁ~~~~~~~、死ぃ~にぃ~まぁ~すか、」ってな感じでね、

 

わはははは、うわはははは、

 

ねっ、誰だって笑っちゃうじゃないですか?

そして、歌い終わった、そのすぐ後に、あきれた果てたように、こう言ったんですよ、

「海も、山も、死にゃぁしねえんだよ、

こういう理屈っぽい奴ってぇのは、本当に困る、」って、………

 

いえ、これもね、僕や巨泉さんのように、当時のさだまさしさんのキャラを

知っている人には、そのキャラの面白さに準じて笑えるんですが、

今の若い人達には、その面白さが、

よくわからないんじゃないかと思うんですけどね、………

 

確かに、そうだろうね、

 

いえね、「防人の詩」、なんて言うのは、普通に聞いたら、

中々深遠な、味のある名曲ですよ、

だけど、ああいう風に、なんか、どうしようもないくらい、

陰湿で、根暗で、悲愴な歌だと言われてみると、

僕みたいに、雷同的な人間だと、特にそうなんでしょうけど、

「あれ? そうなのかな、……… 」って、ふと思っちゃうじゃないですか、………

 

うん、

 

何も言わなければ、何もなかったんですよ、

タモリさんが、ああやって、大袈裟に騒ぎ立てるから、

話が、どんどん大きくなっていって、「さだまさし」という人間に、大衆の、

「根暗」のイメージが、どんどん膨らんでいったんじゃないかと思うんです、

 

だってね、高校時代、浪人時代を経て、僕が大学に入った時には、もう、

巷ででも、完全に、さだまさしさんが、根暗な人間だという事が、

定着したような感じでしたからね、………

「自殺する奴の部屋の中には、必ず、さだまさしのポスターが貼ってある、」

……………、とかね、………

 

皆ね、僕の周りにいた人間なんかも、さだまさしさんの話題なんかが、

偶然に上がると、何か、可笑しくて、ニヤニヤ、クスクスしながら、

話をしていましたからねぇ、………

 

さだまさしは、人格的に、ちょっと不器用な所があったんだろうな、………

まぁ、今は、そんなんでは、ないんだろうけどね、…… 当時は、………

 

でも、タモリさんはタモリさんで、怒り狂った、さだまさしファンから、

自宅だか事務所のほうに、カミソリ入りの封書が送られてきたりしたそうで、

結構、大変だった、という話も聞きましたがね、………

 

それは、お前、自業自得というものだろう、………

 

ええ、まぁ、………

もし、さだまさしさん本人に殺されても、しょうがないんじゃないか、

というぐらいのものだと思います、

何てったって、日本国全体の規模ぐらいの大きな広まりですからね、

やられた方は、堪りませんよ、法律には罰せられないのかもしれませんが、

これは、一種の大きな犯罪ですよ、

さだまさしさんに、個人的に、何か恨みでもあったんでしょうか?

 

お前、一緒になって、笑っていたんだから、そこまでは言えないだろう、………