夢のBIG対談 ! ! 大橋巨泉 VS カツ丼小僧 12

32歳になって、まぁ、平成8年の時なんですけど、今度は競馬よりも、

むしろ、競艇、競輪の虜になって、はまり過ぎちゃって、36歳まで、

狂うようにやっていました、

初めて、平和島競艇場に足を踏み入れた時の感慨は今でも忘れられません、

 

よっぽど、時間が空いていたんだね、小人閑居して、なんとやらってやつだね、

 

ええ、ちょうどその年から、今まで漫画の原稿を出版社に持ち込んで、

編集者に見て貰っていたのをやめたんです、だから、余計に暇を持て余して、………

 

それで、戦績の方は……… 如何に?

 

ええ、最初の内は、まぁ、なんとか、トントンだったんですが、

やっぱり、回数を重ねる内に、段々と負けが込んでいき、

最後は百戦百敗、という感じでした、

 

わはははは、でもさ、そんなんじゃ、借金で火だるま状態になったんじゃないの?

 

いえ、僕、とっても気が小さいもんで、人に借金するのは絶対に嫌なんです、

親には甘えていましたが、他人には甘えられません、………

というよりも、他人は甘えさせてくれません、

 

五千円でも、一万円でも、他人からお金を借りるのが嫌なタイプなんです、

だって、他人から金を借りている状態って、

その間、凄く憂鬱な気分でいなければならないじゃないですか、それが嫌なんです、

 

じゃぁ、親に援助して貰っていた、その範囲内でやっていた、という訳だな、

お前、親に幾らぐらい貰っていたんだよ、

 

週に4万円です、親の懐具合が悪い時には、週3万円、なんて時もありましたが、………

 

じゃあ、生活費を除くと、1~2万、残るとして、

その中で、やっていたという訳か、……… どういう賭け方をしていたんだ?

 

まず、入って1回目のレースは、200円で、3点買いで、600円ぐらいでやります、

それで、少しづつ賭け金を増やして行き、最後の7,8レースめ辺りで、

一気に5千円ぐらいでやるんですが、その最後のレースに行きつくまでに、

1レースも当てる事が出来なかった場合は、

最後のレースで、それ程大きく賭ける事はしない、と決めていたんですが、………

 

が………?

 

ええ、そうなんです、意志が弱いもんで、やはり誘惑に負けて、

最後のレースで、有り金を、殆ど全部賭けてしまう事が多かったんです、

 

それで、ドーーン、と、競艇ボートに撃沈された、という訳なんだな、………

 

ええ、そうです、でも、自分で働いた金でやっている訳でもないのに、

生意気な事を言うようですが、なんかね、チビチビした金を持って行って、

チビチビした賭け方をしていたもんですから、賭けていても爽快感がないんですよ、

 

それに、江戸川競艇に行った場合なんか、

往復の足代だけでも、中々バカになりませんからね、

でも、そんな事まで気にしながらやっていたって、面白くないですよ、

 

いつか、一度でいいから、競馬場や競艇場に、10万円ぐらい持っていって、

損しても構わないから、思いっ切り、ドバーーーッ、と、賭けて見たいですよ、

そんな事が、当たり前のように出来たら、きっと気分爽快でしょうねぇ、………

 

そうだ、巨泉さん、今度、いつか機会があったら、僕と一緒に競馬場に行って、

大賭けして遊んでみませんか? 楽しみにしています、

 

おいおい、お前と一緒に行くと、

なんか、こっちの運まで、吸い取られそうな気がするよ、

ちょっと、ご遠慮したいね、………