鎌さん、昨日は、どうもすいませんでした、
話が脱線してしまって、とりとめもない方向に、行ってしまいました、
ははは、いいですよ、構いません、
今日がダメでも明日がある、明日がダメなら、また明後日があります、
急がず焦らず、ゆっくりのんびり、参りましょう、
でも、クレージーキャッツのメンバーというのは、ホント、
温厚で、物腰の柔らかな人達ばかりの集まりだったようで、
ちょっと、うまく、出来過ぎたグループのようにも思えるんですが、………
ええ、このようなグループも、実は一つの生き物でして、
一個人の人間と同じように、生命を持っているのです、
言うなれば、グループ自体も一人の人間なのです、
「クレージーキャッツ」、という人間の、脳みそや、目、口、鼻、
心臓、腎臓、胃腸、血管、手足、胴体、などが、
植木さんや、ハナさん、谷さん、などであるという事になりますので、
その、同じ人間を構成している、同じ人間内の器官という訳ですから、
似て来るのも当然です、何ら不思議はありません、
また、話が脱線しそうで恐いんですが、この世のありとあらゆる集合体に
生命が宿っているのです、例えば、勤め先の会社の仲間や、夫婦、家族、等がそうです、
自分の周りというのは、自分を映し出す鏡ですので、
必然、いつも目にする、間近の人達というのは、自分と性質や容姿などが似て来るのです、
ですから、「類は友を呼ぶ」、だとか、「似た物夫婦」、だと言うことわざは、
この世の真理、そのものなのです、
今、発売されている、「昭和の爆笑喜劇 DVDマガジン」(講談社)の、
森繁久彌の「社長シリーズ」に出てくる、お色気社長、おとぼけ社員なんかも、
何か、一人一人、違った個性を発揮して、各々が動いているように見えても、
大きな、一括りの輪として見た場合、やはり、同じ世界の、同じカテゴリーに属する、
人達の集合体なんです、
ええ、まず、彼らには、「古き良き昭和時代の喜劇社員」という共通項があります、
そして、その話に登場する、ヒロインや、社長の妻や娘、女芸者なども、
おとぼけ社長、社員に合わせるような形で、上手い具合に調子良く話が進んで行きます、
話の途中、幾度か、困難や悲劇にも遭遇しますが、その「集合体」を
ブチ壊してしまうまでには至らず、なんとか、「集合体」は保たれ、
話は存続していきます、
そして、この「社長シリーズ」の場合は、最後、それとなく、オチがついて、
大団円、めでたし、めでたし、という風に、………
早い話が、出来過ぎているのです、パターンが決まっていて、共通しています、
それは、「刑事コロンボ」、「ウルトラマン」、「男はつらいよ」、「水戸黄門」、
「大江戸捜査網」、「サザエさん」、「ちびまる子ちゃん」、等でも同じ事です、
やはり、ある、一定の規則、原則に従って、キャラクターやストーリーが
動かされていると考えざるを得ないのです、毎回、何かが共通している、………
我々人間が、普段、当たり前の物として、つまり、お馴染みの物として、
片づけてしまっている、「ワンパターン」という物は、実は、
その作品という生き物の、生命線とも言うべき程に、重要な物だったのです、
「ワンパターン」は、その人間や作品等を、決定的に特徴づける物で、
それがあるからこそ、個々の作品が、各々独自の個性を持って成立しているのです、
俳優の谷啓さんの「ガチョ~~~ン、」や、
テレビリポーターの宮尾すすむさんの、「ハイッ、ハイッ、」のように、
彼らが、何度も何度も、同じ事ばかり、ワンパターンの繰り返し芸をやっているのも、
もちろん、彼らが、それしか出来ない、とか、他に芸がない、という訳ではなく、
その一つの芸を強調し、特徴つける為に、他の事はあまりやってはならないという
事を、本能的に悟っていたからではないかと思うのです、
まぁ、中には、多くのレパートリー芸を持ち、成功した方もいるんでしょうが、
そういう人はやはり、色々と分散してしまっていて、
個性が没落してしまい、結果的には、人々の心の中に、その特徴が
あまり、根付いていないように思われるのです、
やればやる程、損、という訳ですか、………
分散すれば、分散する程、その生命が、薄くなってしまうんですね、
まぁ、探究心が旺盛な芸人の中には、少しでも多くの芸を編み出したい、
という人もいて、もちろん、それはそれで結構な事だとも思いますが、………
ビートたけしさんや、明石家さんまさん、ダウンタウン、爆笑問題のように、
毎日のように、テレビに出演している大物お笑い芸人の場合は、
そういう訳にもいかないでしょうしね、………
それでは、カツ丼小僧さん、最後に、ワンパターン芸能リポーターだった、
故・宮尾すすむさんの姓名判断をお願いします、
ええ、そうですね、
宮尾さんというのは、いつもニコニコしていて、
自分の仕事を、死ぬほど楽しそうにやっていたイメージしかないんですが、
まず、「宮」というのは、「宮廷」、
この場合は、芸能界、テレビ界、という意味です、
ほら、ここまで言えば、もう、大体の所は、お分かりでしょう、………
つまり、宮尾さんが、喜んで、犬のように「尻尾」を振って、
マイク片手に、芸能人や著名人の後を、追いかけ回し、突き進んで行ったとか、
もしくは、芸能人たちの尻(尾)を目掛けて、突進して行った、というイメージです、
ありがとうございました、