カツ丼小僧の言っている事は全て正しい。 69

ノベル、「カツ丼小僧氏の優雅な生活。」の中で、

カツ丼小僧さんご自身が、都心のビルのテレビ画面から、大音響で演説し、

道行く人々が立ち止まって、その演説に聞き惚れて、長い間、立ち止まっている

シーンがありましたが、まさか、カツ丼小僧さん、………

あれを本当に実行に移すおつもりなんじゃ、………?

 

ははははは、いや、笑われるかもしれませんが、若い頃からの夢でしたよ、

本気で考えていました、 テレビ演説家ですね、 まぁ、ああいうのは、もちろん、

イタリアの独裁者、ベニート・ムッソリーニの影響です、

実際、思いっ切り、あんな事が出来たら、楽しいだろうなぁ、………と思います。

生まれて来る時代を、間違えたかな………?

 

いやいや、そんな事はないと思いますよ、今、この時代だからこそ、

いいんじゃないですか?

あんな、荒れ狂った戦争の時代に、しかも、無防備のまま、演説の壇上に立つなんて、

恐くて、やってられませんよ、 普通の感覚じゃありません、………

 

いつ、ピストルの弾丸が自分に向かって飛んでくるのかわからないじゃないですか、

それで、命を落とした人もいっぱいいますよ、

テレビ演説なら、スタジオ内ですから安心です、

 

でも、狙われるのは、演説中とは限りませんよ、外で道を歩いている時にだって、………

ムッソリーニは、オープンカーでのパレードの最中に、群集の中から、

ピストルで撃たれ、その弾丸が鼻の上をかすめて行った事があるそうで、

確かに写真を見ると、鼻の上の部分を弾丸がかすめ通った跡が残っているような、

残っていないような、………ハッキリはしませんが、………

 

恐ろしい、………

 

でも、彼は、ポジティブな性格だったので、自分の体が無事だったのに感動して、

「やっぱり、神は私に味方している、それが証明された、」と叫んで、

喜んでいたそうです、

 

ノベルの中のカツ丼小僧さんみたいですね、………

 

まぁ、確かにね、壇上に立って、演説なんかブツ事自体、ある意味、

とても、偉そうで生意気な訳ですから、反感を持つ人間だって、当然現れますよ、

鎌さんの言う通り、普通の感覚じゃ務まりません、

余程、度胸の強い人間か、精神的に、非常に鍛錬されていなければダメですね、

 

演説と言っても、色々なタイプがありますが、

カツ丼小僧さんは、どのような事をお考えで?

 

もちろん、自分の親衛隊や、帝国民、ファン、

日本国民等への、メッセージ色の強い物となります、

 

では、演説のメッセージを武器として、

大日本カツ丼帝国を統一するおつもりで、………

 

いえ、そんなに深刻ぶった話ではありませんよ、ナチスではないんですから、………

我が帝国は、基本的に、来るものは拒まず、去る者は追わず、の主義ですからね、

SMエロス愛好家の憩いの場になって行くと思いますよ、

僕の舵取りさえ間違わなければですがね、………