今回も、前回に引き続き、「心の緊張感と飽和状態」についての話だそうです、
カツ丼小僧さん、宜しくお願いします、
はい、こちらこそ、………
人間の人生という物は、「人間万事塞翁が馬」ということわざのように、
一体、どこでどう、不幸と幸福がコロコロと変転していくのかわからないものです、
一見、自分にとって不幸と思っていた事が、実は後々の幸福の要因である事も、
ある訳ですし、何が幸いし、何が災いとなるのか、本当にわかりません、
でも、カツ丼さんの性格では、………
ええ、そうです、僕は、超ド級近視なんですが、恐らく、それに象徴されるように、
性格もそうで、近視眼的な物の見方しか出来ないのです、だから、いつも、
ちょっとや、そっとの難事に出くわすと、すぐにうろたえてしまうのですが、
本来、人間という物は、もっと構えて、大局的な物の見方をしなければなりません、
僕のように、小さな事で、すぐにうろたえて動揺し、泣きべそ掻いて、
一喜一憂していては、どうしようもないのですが、
これだけは生まれつきのものですので、何度も言いますが、どうしようもありません、
だけど、ビクビクして生きる事も、緊張感に繋がるので、
必ずしも悪い事ではないんだ、と、………
そうなんですよ、鎌さん、いい所を突いてくれましたね、
前にも言いましたが、実は、僕がこのような小心な性格に生まれてきたのは、
自分で、そのように生まれる事を望んだから、という考えもあるんです、
多少、辛いんですが、………
前東京都知事の石原慎太郎さんだって、今の猪瀬直樹さんだって、
表面的には威勢をはって、居丈高な態度を取る事もありますが、
実は、本来、性格的に小心な一面も持っているのです、それが緊張感です、
だから、あれだけ長い間、幅を利かせて政界に君臨する事が出来たのです、
まぁ、猪瀬都知事は、今、借用書問題で揺れに揺れていますがね、………
よく、言っている事なんですが、 ちょっと、自分が不都合な立場に立たされると、
すぐに警察に通報したりして、自分の身の安全を計ろうとする人がいますね、
そういう人は、ちょっと、まずい事があれば、
何でも警察に通報すればいい、警察がなんとかしてくれるだろう、
助けてくれるだろう、という安直な甘えが、常に心の中にある訳です。
実際、警察なんかに助けを求めても、何も解決しないどころか、
却って、自分の方が不利な立場に立たされてしまった、とか、
前よりも酷い事になってしまった、なんて事もある訳です、
つまり、心の飽和状態に近くして、緊張感が少ない、という事ですか………?
そうなんです、普段はいい加減な生き方をしていても、イザという時になると、
絶対権力に全てを委ねて守って貰おう、という甘ったれた発想がダメなんです、
本来、自分が住んでいるアパートの鍵だって、
必要ない、と言えば必要ないんです、いや、むしろ、いらない、
え………?
自分の部屋に、何重にも強固に鍵を掛けておけば置く程、
普通の人は、もう大丈夫だ、と、心が油断して安心してしまうでしょう、………
それが、いけないんです、それだったら、ドアにわざと鍵を掛けないでおいて、
心の中に、もしかしたら、中に、空き巣や泥棒が入られるかもしれない、
という、不安の中に身を置いていた方が、実は空き巣に忍びこまれないのです、
…………………。
もちろん、口で言ってみるのは簡単ですが、
実際には中々出来る事ではありませんがね、………
そうでしょう、………僕だって、そんな勇気はありませんよ、………
とにかく、常に緊張感を持って、油断せずに生きる事です、
でも、カツ丼小僧さん、そんなに気を張り詰めていたら、
苦しくて、なんか、生きた心地がしませんよ、
もう少し、ゆったりしている方が、僕には、………
鎌さんの、おっしゃる通りだと思います、
僕の性格は、ちょっと、特殊過ぎるので、あまり、お手本にはならないです、
皆さんは、適度に、自分のペースを保ちながら、ゆったりと緊張感を保ってください、