カツ丼小僧の言っている事は全て正しい。 64

今回も、前回に引き続き、「心の緊張感と飽和状態」についての話だそうです、

カツ丼小僧さん、宜しくお願いします、

 

はい、こちらこそ、……… 

人間の人生という物は、「人間万事塞翁が馬」ということわざのように、

一体、どこでどう、不幸と幸福がコロコロと変転していくのかわからないものです、

一見、自分にとって不幸と思っていた事が、実は後々の幸福の要因である事も、

ある訳ですし、何が幸いし、何が災いとなるのか、本当にわかりません、

 

でも、カツ丼さんの性格では、………

 

ええ、そうです、僕は、超ド級近視なんですが、恐らく、それに象徴されるように、

性格もそうで、近視眼的な物の見方しか出来ないのです、だから、いつも、

ちょっとや、そっとの難事に出くわすと、すぐにうろたえてしまうのですが、

本来、人間という物は、もっと構えて、大局的な物の見方をしなければなりません、

 

僕のように、小さな事で、すぐにうろたえて動揺し、泣きべそ掻いて、

一喜一憂していては、どうしようもないのですが、

これだけは生まれつきのものですので、何度も言いますが、どうしようもありません、

 

だけど、ビクビクして生きる事も、緊張感に繋がるので、

必ずしも悪い事ではないんだ、と、………

 

そうなんですよ、鎌さん、いい所を突いてくれましたね、

前にも言いましたが、実は、僕がこのような小心な性格に生まれてきたのは、

自分で、そのように生まれる事を望んだから、という考えもあるんです、

多少、辛いんですが、………

 

前東京都知事の石原慎太郎さんだって、今の猪瀬直樹さんだって、

表面的には威勢をはって、居丈高な態度を取る事もありますが、

実は、本来、性格的に小心な一面も持っているのです、それが緊張感です、

だから、あれだけ長い間、幅を利かせて政界に君臨する事が出来たのです、

まぁ、猪瀬都知事は、今、借用書問題で揺れに揺れていますがね、………

 

よく、言っている事なんですが、 ちょっと、自分が不都合な立場に立たされると、

すぐに警察に通報したりして、自分の身の安全を計ろうとする人がいますね、

そういう人は、ちょっと、まずい事があれば、

 

何でも警察に通報すればいい、警察がなんとかしてくれるだろう、

助けてくれるだろう、という安直な甘えが、常に心の中にある訳です。

実際、警察なんかに助けを求めても、何も解決しないどころか、

却って、自分の方が不利な立場に立たされてしまった、とか、

前よりも酷い事になってしまった、なんて事もある訳です、

 

つまり、心の飽和状態に近くして、緊張感が少ない、という事ですか………?

 

そうなんです、普段はいい加減な生き方をしていても、イザという時になると、

絶対権力に全てを委ねて守って貰おう、という甘ったれた発想がダメなんです、

本来、自分が住んでいるアパートの鍵だって、

必要ない、と言えば必要ないんです、いや、むしろ、いらない、

 

え………?

 

自分の部屋に、何重にも強固に鍵を掛けておけば置く程、

普通の人は、もう大丈夫だ、と、心が油断して安心してしまうでしょう、………

 

それが、いけないんです、それだったら、ドアにわざと鍵を掛けないでおいて、

心の中に、もしかしたら、中に、空き巣や泥棒が入られるかもしれない、

という、不安の中に身を置いていた方が、実は空き巣に忍びこまれないのです、

 

…………………。

 

もちろん、口で言ってみるのは簡単ですが、

実際には中々出来る事ではありませんがね、………

 

そうでしょう、………僕だって、そんな勇気はありませんよ、………

 

とにかく、常に緊張感を持って、油断せずに生きる事です、

 

でも、カツ丼小僧さん、そんなに気を張り詰めていたら、

苦しくて、なんか、生きた心地がしませんよ、

もう少し、ゆったりしている方が、僕には、………

 

鎌さんの、おっしゃる通りだと思います、

僕の性格は、ちょっと、特殊過ぎるので、あまり、お手本にはならないです、

皆さんは、適度に、自分のペースを保ちながら、ゆったりと緊張感を保ってください、