ミステリアス・ゾーンのような話が続いています、
今回は、どのような話をしてくれるんでしょうか?
カツ丼小僧さん、宜しくお願いします、
いえいえ、こちらこそ、宜しくお願いします、
今回は、「急いては事を仕損じる」、「急がば廻れ」、という言葉の意味についての、
自分なりの見解や解釈です。それについて、お話しします、
そうですか、でも、今までの、カツ丼小僧さんの話を聞いていると、
大体の推測はつきます、
つまり、端的に言うと、人間の運命と言う物は、1から10まで、全て決まっている、
なるようにしかならないから、焦って生きてもしょうがない、という事ですね、
ははは、そうですね、 まぁ、結論的にはそういう事になりますけれどもね、
でも、そう単純でもありませんよ、
とにかく、僕は、若い内から、飢えたる虎で、
「将来は、絶対に、有名な漫画家になってやるんだ、」という、強烈な意気込みで
生きて来た訳ですが、本来、漫画家になる、頭の良さや、才能、体力に
恵まれていた訳ではないんですよ、
特に、週刊誌などで、連載を抱えている漫画家なんて、本当に体力のいる、
キツイ仕事です、 すぐにグタッとなって、毎日、10時間も寝ている僕などには、
到底務まる仕事ではないんです、
ただ、何か、未来からの大きな「力」に引っ張られるような形で、
生きて来たんだと、………いう事ですね、
そうです、僕がいつも、未来の希望に燃えて生きてこられたのは、
何か、そういった、漠然とした、根拠のない自信に支えられていたからなんです、
だって、おかしいじゃないですか、僕が漫画家になると言う夢を
持ち始めたのは、ちょうど、僕が苛めにあっていた時の、小学校6年生の
11歳の時からなんですよ、
それで、出版社に、つまらぬ漫画原稿を持ち込んでは、軽くあしらわれ、
夢は一向にかなわず、
32歳から、38歳まで、一度もペンを握らない時期もあったんです、
それでも、なおかつ、なにか確信に近い夢を持ち続けていたのは、………
そうですね、確かにちょっと、不思議な感じがします、不自然ですね、
やはり、タイミング、とか、時期という物があると思うんです、
僕が、子供の頃は、大体、人間の寿命の相場は、70代ぐらいと思っていたんですが、
今は、かなり、伸びているような感じで、もしかしたら、自分は、
100歳以上の3桁ぐらいまで、生きるのではないか、と思えるくらいです、
つまり、若い内は、寿命が短いと思っていたので、人間の壮年期、人生の全盛期も、
40代とか、50代ぐらいだと、思っていたんですが、もし、今後、もっと、
寿命が延びるような事があるならば、人の人生の盛り上がりの時期というのも、
かなり、ずれて来て、60代とか、70代になる事も考えられます、
そういう事になりますと、今現在、不況によって、仕事につけず、
あぶれ返っている、若者たちの現状というのも、なんとはなしに理解できますね、
そうなんです、人間の人生というのは、悩んで苦しんだ分だけしか、
はじける事がない、という事を考えれば、今の若い人は、昔の人と違って、
寿命が長い可能性もあるわけで、そんなに急いで、自分に適した職に就く必要もないんじゃないか、という事なんです、
私事で大変恐縮ですが、僕だって未だ職には就いていません、
若い内は、第一志望の職などには就けず、もっと、もっと、屈辱を味わって、
体の中に、エネルギーを溜め込んで、人生の最盛期を目指して生きる事の方が、
賢明です、恐らく、今後の寿命の長さを考えれば、20代、30代はまだ、
ほんので出しだと思います、
でも、そこまで、どうやって、食いつないでいくのか、
というのが、また、深刻な問題でもあるんでしょうけども、………
大丈夫です、とにかく、上を見続けて生きてください、
「天は自ら助くる者を助く」、です、