カツ丼小僧の言っている事は全て正しい。 56

どうでしょうか? カツ丼小僧さん、

このまま、しばらく、ミステリアス・ゾーンの話を続けますか?

 

そうですね、他に話す事もありませんし、このまま行きましょう、

それに、僕からすれば、どの話だって、同じような物です、

明確な区別など、ありません、

鎌さん、読者の興味の湧きそうな質問を振ってください、

 

カツ丼小僧さんは、自分の周りには、自分と似た人間が寄ってくる、

自分の周囲は、自分という人間を映し出す鏡である、と言っています、

つまり、「類は友を呼ぶ」という事ですが、

これもまた、「因果応報の原則」の一部、という事なのでしょうか?

 

そうですね、短気な人間の周りには、短気な人間が、

おっとりした人間の周りには、おっとりした人間が、周りに現れるのですが、

特に、夫婦だとか、家族、職場上の、特定のグループ、団体などは、

いつも行動を共にし、顔を突き合わせているのですから、非常によく似ています、

面白いのは、容姿や体格、考えまでも、似ています、

 

ですから、本当に嫌な人間が自分の目の前に現れても、それはつまり、

自分の一部、自分の分身、という訳で、そういう意味では因果応報です、

 

ただね、たまに会う人間というのは、あまり気にしてもしょうがないと思うんですよ、

嫌な人間、おかしな人間、とは言っても、一時の物ですからね、

そこまで、いちいち気にしていたら、まともに生活出来ないでしょうしね、………

 

問題なのは、いつも、長い間、自分の間近にいる人間ですよ、

やはりね、これだけは、しっかりしていてもらわなければ困るでしょう。

 

つまり、周りを、自分のいいように変えたければ、

自分が変わらなければダメだという訳ですね?

 

そうです、自分の周りは、自分を映しだしている鏡な訳ですから、

その対象である、自分が変わらなければ、周りも変わって来ないのです、

まぁ、今、不幸や災難の間っ只中にある人に、こういう事を言っても、

受け入れる、心のゆとりはないでしょうがね、………

 

ただ、一般的に、人の人生という物を見ますとね、

やはり、若い内は、泣き叫んだり、怒り狂ったり、不幸や災難の連続です。

そして、色々な体験をしていく内に、段々と、考えたり、思慮深くなり、

洗練されていって、自分も、大人しくなり、周りも、大人しくなって、

最後は、自分にとって、周囲が住み心地の良い世界に変貌していく、………

というパターンが殆んどですし、理想です、

 

つまり、「時間」という物の有意性、というのはそこにあると思うんです、

「人間は、人生の、嫌な所、悪い所、辛い所から、抜け出すようにして、

前の方に、つまり、未来へと進んで行って、後半は、桃源郷に到達して、安心を得る、」

 

という事になっているのです、 だってそうでしょう、

もし、若い内から、何もかも、人生が、うまく行ってしまったら、

ある意味、もう、そこで終わりじゃないですか、

悪い所から、良い所へと変わっていく所に、喜びや幸福、安堵がある訳ですから、………

 

そして、また生まれ変わって、同じ事を、最初から繰り返しているのです、

ですから、何億回、何千億回、何兆回、生まれ変わっても、

やはり、若い時は、苦しみの連続で、そこから抜け出すようにして、未来へと進み、

晩年は、極楽浄土、安心立命の境地を得る、という事になっているのです、

 

でも、カツ丼小僧さんは、確か、以前、

「人間の人生は、死ぬまでイバラ、」だと、言っていましたが、………

 

あれ? そんな事、言いましたっけ?  いや、それは当然です、………

悩み事や、心配事などは、死ぬまで付き物です、それぐらいは覚悟しておいてください、

 

本当に、何も悩み事が無くなった時、それは、もう死ぬ間際の時ですよ、………