カツ丼小僧の言っている事は全て正しい。 47

ノベル、「カツ丼小僧氏の優雅な生活。」の中で、

カツ丼小僧親衛隊が、ローマ式敬礼をするシーンがありましたが、

もしかしたら、カツ丼さんは、実際にも、

あの敬礼を親衛隊にやらせるつもりなのでしょうか?

 

ええ、やはりねぇ、あれをやってもらわない事にはねぇ、………

なんか、締まらんですよ、 帝国にも、色々と特徴を持たせないとね、………

もちろん、あの挙手敬礼の仕方は、ムッソリーニの黒シャツ隊の真似なんですが、

やはりね、僕も色々と考えてみたんですがね、あれしかないんですよ、

一番かっこよくて、ピシッと引き締まった敬礼というのは、………

 

そう思ったからこそ、ヒトラーもそれを真似して、ナチス親衛隊に、

その敬礼法を取り入れたんでしょうけどね、………

 

そのようですね、それに、ナチスの制服も、最初は、ムッソリーニに遠慮して、

褐色の制服という事でしたが、いつの間にか黒に変わっています、

やはり、当初、ムッソリーニの黒シャツ隊とか、ローマ式敬礼、というのは、

ヒトラーに限らず、誰の目にも非常に斬新に映ったと思いますよ、

 

もう、こればっかりは、あきれ果てて、物も言えないんですが、

ヒトラーのやった事は、何から何まで、ムッソリーニの真似なんです、

あの、名だたる「ミュンヘン一揆」にしても、ムッソリーニの「ローマ進軍」の

翌年に、興味本位で、すぐに同じ事をやってみただけの事です、

 

本当に、彼に政治家としての信念や資質がどこまであったのか、疑問です、………

ムッソリーニという、カリスマ的人物の後を追いかけて、盲目的に行動している内に、

自分本来の目的を見失い、行きつく所まで行ってしまった、というのが

真相ではないでしょうか?

 

ただね、実は、ムッソリーニも、多くの真似をしているのです、

だって、あの、ローマ式敬礼だって、カエサルの古代ローマの敬礼法ですし、

黒シャツ隊は、イタリア統一運動の、ジュゼッペ・ガリバルディの

赤シャツ隊(千人隊)の模倣です、

 

それに、彼は、同時代に生きた、詩人であり劇作家の、ガブリエーレ・ダンヌンツィオの

影響をもろに受けています、

ガブリエーレ・ダンヌンツィオという人は、フィルムを見て感じたのですが、

詩人でありながら、ドン・キホーテのような突貫的精神のある人で、非常な激情家です。

また、行動家でして、ファシスト運動の先駆者でもあるのです、

 

あ、ちょっと、また話が、脇道に反れて来ました、

最後に、一言まとめて、終わりにしてください、

次回また、カツ丼小僧親衛隊と、大日本カツ丼帝国の話を、改めてお願いします。

 

あ、そうですか、すいません、 

………いえ、ですからね、 

同じ真似でもね、ヒトラーと、ムッソリーニは、やや違います、

 

ヒトラーの方は、身近にある、気に入った物に、すぐさま飛びついて、

それを、そのまま模倣していた、単なる猿真似に過ぎませんが、

ムッソリーニの方は、祖国の歴史的文化を、うまく消化して、

自分の物としていますし、それは、皆、誰しもそうであると思います。

 

世の中、時代は巡る、という事でして、持ちつ持たれつ、お互い、手を取り合って、

うまく消化し合いながら、新しい歴史の1ページを作って行こうではありませんか。

 

ん………? これでよろし?