ノベル、「カツ丼小僧氏の優雅な生活。」の中で、
カツ丼小僧親衛隊が、ローマ式敬礼をするシーンがありましたが、
もしかしたら、カツ丼さんは、実際にも、
あの敬礼を親衛隊にやらせるつもりなのでしょうか?
ええ、やはりねぇ、あれをやってもらわない事にはねぇ、………
なんか、締まらんですよ、 帝国にも、色々と特徴を持たせないとね、………
もちろん、あの挙手敬礼の仕方は、ムッソリーニの黒シャツ隊の真似なんですが、
やはりね、僕も色々と考えてみたんですがね、あれしかないんですよ、
一番かっこよくて、ピシッと引き締まった敬礼というのは、………
そう思ったからこそ、ヒトラーもそれを真似して、ナチス親衛隊に、
その敬礼法を取り入れたんでしょうけどね、………
そのようですね、それに、ナチスの制服も、最初は、ムッソリーニに遠慮して、
褐色の制服という事でしたが、いつの間にか黒に変わっています、
やはり、当初、ムッソリーニの黒シャツ隊とか、ローマ式敬礼、というのは、
ヒトラーに限らず、誰の目にも非常に斬新に映ったと思いますよ、
もう、こればっかりは、あきれ果てて、物も言えないんですが、
ヒトラーのやった事は、何から何まで、ムッソリーニの真似なんです、
あの、名だたる「ミュンヘン一揆」にしても、ムッソリーニの「ローマ進軍」の
翌年に、興味本位で、すぐに同じ事をやってみただけの事です、
本当に、彼に政治家としての信念や資質がどこまであったのか、疑問です、………
ムッソリーニという、カリスマ的人物の後を追いかけて、盲目的に行動している内に、
自分本来の目的を見失い、行きつく所まで行ってしまった、というのが
真相ではないでしょうか?
ただね、実は、ムッソリーニも、多くの真似をしているのです、
だって、あの、ローマ式敬礼だって、カエサルの古代ローマの敬礼法ですし、
黒シャツ隊は、イタリア統一運動の、ジュゼッペ・ガリバルディの
赤シャツ隊(千人隊)の模倣です、
それに、彼は、同時代に生きた、詩人であり劇作家の、ガブリエーレ・ダンヌンツィオの
影響をもろに受けています、
ガブリエーレ・ダンヌンツィオという人は、フィルムを見て感じたのですが、
詩人でありながら、ドン・キホーテのような突貫的精神のある人で、非常な激情家です。
また、行動家でして、ファシスト運動の先駆者でもあるのです、
あ、ちょっと、また話が、脇道に反れて来ました、
最後に、一言まとめて、終わりにしてください、
次回また、カツ丼小僧親衛隊と、大日本カツ丼帝国の話を、改めてお願いします。
あ、そうですか、すいません、
………いえ、ですからね、
同じ真似でもね、ヒトラーと、ムッソリーニは、やや違います、
ヒトラーの方は、身近にある、気に入った物に、すぐさま飛びついて、
それを、そのまま模倣していた、単なる猿真似に過ぎませんが、
ムッソリーニの方は、祖国の歴史的文化を、うまく消化して、
自分の物としていますし、それは、皆、誰しもそうであると思います。
世の中、時代は巡る、という事でして、持ちつ持たれつ、お互い、手を取り合って、
うまく消化し合いながら、新しい歴史の1ページを作って行こうではありませんか。
ん………? これでよろし?