カツ丼小僧の言っている事は全て正しい。 16

ノベル「カツ丼小僧氏の優雅な生活。」で、ついに、かつての大物アイドル歌手、

中森明菜さんが登場してきましたね、カツ丼小僧さんも若い頃、ファンだったようで、

それで、出演させたと言う訳ですか、………

 

いやいや、中森明菜ではありません、大森明菜です、誤解なさらぬよう、………

 

同じ事じゃないんですか?

 

え、ええ、まぁ、………わははははは。 そうですね。ほぼ、同一です。

 

中森明菜さんと言えば、昭和末期のバブル期を、

優雅に、疾風のように駆け抜けて行った、超人気アイドル歌姫です。

昭和58年辺りから、昭和63年位までが最盛で、代表的な曲に、

「少女A」、「TATTOO」、「DESIRE~情熱~」、などがあります。

 

カツ丼小僧さんは、どの曲が好きなんですか?

 

僕は、やはり、「TATTOO」ですね、ああいう、ノリのいい曲が好きです。

あまり激し過ぎるのも、ダメなんですが、僕にとっては、ちょうど良いテンポです。

今、You Tubu で、幾らでも、その映像を観る事が出来ます。

あの、激しい振り付けを、素っ裸で僕の前で踊ってくれたら、どんなに嬉しいか、………

 

………………………………………。

そんな事、………彼女のファンの耳に入ったら、殺されますよ、…………。

 

ははは、………まぁ、そんな事もないでしょうけど、………… すいません。

 

まぁ、彼女の場合はねぇ、歌姫兼アイドルという事で、歌以上にルックスに

惹かれた人も多かったんでしょうがねぇ、………

 

ええ、それはもう、言うまでもありませんよ、

やはり、TBSの歌番組、「ザ・ベストテン」の影響が大きかったんでしょうねぇ、

僕はもう、あの頃、夢中になって観ていましたよ。

 

年代的に言うと、松坂慶子さんの「愛の水中花」の頃から5年くらい後の事ですね。

 

ええ、そうです、 この2人のおかげで、母と弟との、楽しいテレビ団欒の時を

過ごせました。 僕の疾風怒濤の人生の中で、憩いのオアシスのような時間でした。

「ザ・ベストテン」と、あともう一つ、「夜のヒットスタジオ」ですか、………

 

カツ丼小僧さんは、大学時代、精神を病んで、相当、荒れ狂っていたようですが、

実の所は、どうだったんですか?

 

ええ、それはもう、酷いもんでした、荒れ狂い、叫び狂い、散々、人を傷つけました。

今でも、幾らかは、その名残りが、後遺症のように残っています。

やっぱりね、人を傷付けるとね、結局、それが自分に跳ね返って来て、

最終的には、自分を傷つける事になるんですよ、 因果応報です。

 

ちょっと、宗教的になりますけど、人を傷つけてしまって、その時は、

ああ、清々した、ああ、さっぱりした、という事になるんでしょうけど、

後々、何年かして、色々と思い返して行く内に、なんで、あの時、

あいつにあんな事したんだろうって、胸が苦しくなってくるじゃないですか、

それでまた、長い事、自分も苦しまなきゃならない事になるんですよ。

 

その当時、カツ丼さんの心の傷を癒してくれていたのが、

中森明菜さんの歌声と、ルックスだったんですね。

 

ええ、そうです。